アンキロポレクシア
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アンキロポレクシア
テイオフィタリア頭骨
地質時代
ジュラ紀後期 - 白亜紀後期
分類

ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:爬虫綱 Reptilia
亜綱:双弓亜綱 Diapsida
下綱:主竜形下綱 Archosauromorpha
上目:恐竜上目 Dinosauria
:鳥盤目 Ornithischia
亜目:鳥脚亜目 Ornithopoda
階級なし:イグアノドン類 Iguanodontia
階級なし:ドリオ形類 Dryomorpha
階級なし:堅拇指類 Ankylopollexia

、下位分類群


カンプトサウルス

ビハリオサウルス(英語版)

棘胸骨類

ケドゥロレステス(英語版)

カムノリア(英語版)

ダコタドン(英語版)

ダルウィンサウルス(英語版)

ドラコニクス(英語版)

ヒッポドラコ

ハックスレイサウルス(英語版)

ヒプセロスピヌス(英語版)

イグアナコロッスス

ランジョウサウルス

マグナマヌス(英語版)

マンテロドン(英語版)

モレラドン(英語版)

オスマカサウルス(英語版)

オーウェノドン(英語版)

プラニコクサ(英語版)

プロプラニコクサ(英語版)?

セラコニクサ(英語版)

テイオフィタリア

ウテオドン

ハドロサウルス型類

ルルドゥサウルス

イグアノドン科

ハドロサウルス上科



アンキロポレクシア(Ankylopollexia)もしくは堅拇指類あるいは直拇指類はジュラ紀後期から白亜紀後期まで栄えた恐竜上目鳥盤目クレードの一つ。 イグアノドン類よりも派生的で、下位分類群として棘胸骨類(きょくきょうこつるい、スティラコステルナ)とハドロサウルス型類を内包する[1]。名称は古代ギリシャ語で「連結した」を意味する “ankylos” と「親指」を意味する “pollex”の組み合わせである。1986年にセレノによって提唱された。 このクレードを定義付ける中手骨と癒合した第一末節骨の特徴を表した命名である[2] 。多くのアンキロポレクシア動物は標本のもつ情報が乏しいか、あるいは単にまだ分析されていないかで明確に系統的位置づけができない。アンキロポレクシアの中で最も有名で最も繁栄したメンバーはイグアノドンである。

出現は1億5600万年前で、絶滅したのは6550万年前である[1]。ほとんどは中国、ヨーロッパ西部および東部、アメリカ西部で見つかっている。また彼らは植物食恐竜であり、肉食恐竜と比べて非常に大きく成長した。ほとんどのアンキロポレクシアの動物は前肢が短いことから、二足歩行だった[3]がゆっくり歩くときや立ち止まっている時は四本足だったと思われる。
記載

先述の通りアンキロポレクシアは二足動物だったが、そのルールにはマンテリサウルスのようないくつかの例外がある。マンテリサウルスは前肢と胴体が短いので、動くときは二足歩行だが、立ち止まっている時とゆっくり歩くときに前肢が支えとなった[4]

彼らはまた植物を磨り潰す為の強靭な顎と長い頭骨をもっている。多くは歯群をもっており、磨り減ると定期的に生え換わった[5]
親指

名前の由来になっているとおり、アンキロポレクシアは親指がスパイクになっている。この特徴はほとんどの種に見られる。用途については未だに議論されている。捕食者から身を守る武器として使ったという説が有名だ[6]。果実や種子、同種に対して使ったのかもしれない[7]。トウィーディー・マイケルは毒腺に繋がっており毒液を注入するためのものだと述べている[8]が、スパイクには溝もないし中空にもなっていないので受け入れられていない。生体では表皮に覆われ、スパイク自体目立たなかった可能性もある[9]。ハドロサウルス類のバティロサウルスのそれは鉤爪状で4 cmの長さがある[10]
サイズ

アンキロポレクシアは非常に巨大な動物だった。最大の物はハドロサウルス科のメンバーでもあるシャントゥンゴサウルスだ。その全長は14.7-16.6 mで、体重は最大のもので16 t以上(18 t)と推定されている[11][12]。彼らはこのクレードで最も派生的な種の一つでもある。一方、先述のマンテリサウルスの体重は約0.75 tだった[4]。 模式種カンプトサウルスの全長は6-7.9 mで、体重は785-874 kgだった[13] 一方、ポールはカンプトサウルスは全長5 m以下、体重は0.5 t以下だったと見積もっている[14]。原始的なアンキロポレクシアほど派生的なメンバーよりも小さかったようだ。もちろん例外もある。基盤的なハドロサウルス類であるボロンの体重は200 kgしかなかった[15]テティスハドロスに至っては派生的なハドロサウルス類の属だが、350 kgと推定されている。彼等には島嶼性矮小化が起こっていたと思われる[16]
分布

ワイオミングで発見されたアンキロポレクシアの模式種、カンプトサウルス・ディスパル(Camptosaurus dispar)は多分カロビアンからオックスフォーディアン(1億5600万 - 1億7570万年前)のものと思われる[17] 。北米でそのクレードが栄え始めると、残りのメンバーは急速にヨーロッパとアジアに拡散して行った。白亜紀前期バランジアン期まで、アンキロポレクシアは北米でしか見られなかった。 しかし2000年代初頭、ランジョウサウルスが中国甘粛省北央で見つかった。それは約1億3000万年前の属で、大きな下顎をもつことで有名である[18]。しかしバーレミアン以前ではイングランドにおいてアンキロポレクシアはまだ多様であった。バリリウムは1億4000万年前まで存在していた[19]。イグアノドン類を代表するイグアノドンは、ベルギーのアプチアン最初期に生息していた[20]。より繁栄したアンキロポレクシアとしてイグアノドン類は太古のヨーロッパで暮らしていた。このクレードはヨーロッパでは最終的に1億2500万年前に死に絶えた。 ハドロサウルス科は1億2200万年前のアジアに起源をもつと信じられている[21]。彼らは6550万年前に絶滅するまで、最終的にヨーロッパ、アジア、北アメリカに放散した[22]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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