アレクサンダル・ヴチッチ
Aleksandar Vu?i?
Александар Вучи?
第5代 セルビア共和国大統領
現職
アレクサンダル・ヴチッチ(セルビア語: Александар Вучи?、1970年3月5日[1] -)は、セルビアの政治家であり、2017年から第5代大統領を務めている[2]。2008年にウルトラナショナリズムを掲げるセルビア急進党を離党し、セルビア進歩党の結党メンバーの1人となった。
ヴチッチは2012年から2014年まで副首相を務めた後、2014年から2016年および2016年から2017年までの2度に渡ってセルビアの首相を務めた。それ以前にもヴジッチはセルビア国会議員、1998年から2000年までは情報相(英語版)、その後2012年から2013年まで国防相(英語版)を務めた事もある。その後彼は2017年大統領選挙(英語版)で当選を決めた[3]。2017年5月31日にトミスラヴ・ニコリッチの後任として正式に就任。
彼は特にコソボ紛争中、スロボダン・ミロシェヴィッチ政権下の情報相としてジャーナリストに対する制限的な措置を導入した[4][5]。ブルドーザー革命の後、ヴチッチは野党の中でも最も著名な人物のひとりだった。2008年に新党が設立されてからは、当初の強硬な欧州懐疑主義から親欧州、保守、ポピュリストの政治的立場へとシフトしていった。2012年の選挙(英語版)ではセルビア進歩党主導の選挙連合(英語版)が勝利し、セルビア進歩党が初めて政権与党のひとつとなり、一党優位政党制の確立につながった[6][7][8]。 2014年にヴチッチが首相に就任した後は、国営企業の民営化や経済の自由化(英語版)など欧州連合(EU)への加盟プロセス(英語版)を踏襲していく事を公約した[9]。
2015年12月、ヴチッチが率いるセルビア代表団は欧州連合とはじめての加盟会議を行い、加盟に向けた初の章を開いた。彼はコソボとセルビアの政府間協力と欧州連合を媒介とした対話における重要人物のひとりであり、関係正常化に関するブリュッセル協定(英語版)の実施を提唱している。アメリカ合衆国の仲介による交渉を経て、ヴチッチは2020年9月にコソボとの経済関係を正常化し、イスラエルのセルビア大使館(英語版)をエルサレムに移転する事で合意し署名した。彼は「4つの自由(英語版)」を保障する事を目的とした西バルカン諸国の経済圏であるミニシェンゲン圏(英語版)の提唱者のひとりである。 観察者はヴチッチの統治を権威主義的、独裁的、又は非自由主義的民主主義体制と表現し、理由として報道の自由が制限された事を挙げている[10][11][12][13]。
2018年1月15日、セルビアの大統領として初めて日本の安倍晋三内閣総理大臣とベオグラードにて首脳会談を行った[14]。 アレクサンダル・ヴチッチはベオグラードでアンジェルコとアンゲリナ・ヴチッチ(旧姓ミロヴァノヴ) の間に生まれた。アンドレイ・ヴチッチ
生い立ちと教育
彼の父方の祖先は、ボスニア中央部のブゴイノ近郊にあるチプリッチの出身である。彼らは第二次世界大戦中にクロアチアのファシストであるウスタシャによって追放され、父親が生まれたベオグラード近郊に定住した[16]。ヴチッチによれば、父方の祖父アンジェルコをはじめとする数十人の近親者がウスタシャに殺された[17]。
彼の母親はヴォイヴォディナのベチェイ(英語版)で生まれた[16]。 彼の両親はともに経済学を専攻し、父親は経済学者、母親はジャーナリストとして働いていた[16]。
ヴチッチはノヴィ・ベオグラードで育ち[16]、ブランコ・ラディチェヴィッチ小学校を卒業した。