アルルのローマ遺跡と
ロマネスク様式建造物群
(フランス)
円形闘技場
英名Arles, Roman and Romanesque Monuments
仏名Arles, monuments romains et romans
面積65 ha
登録区分文化遺産
登録基準(2),(4)
登録年1981年 ID164
備考2006年に現在の登録名称に変更された。アリスカンのサン=トノラ教会
「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」は、フランス・プロヴァンス地方にあるユネスコ世界遺産のひとつ(ID164)。
アルルは、古代ローマ時代にはプロヴァンス屈指の大都市として繁栄した時期があり、市内の随所に当時の遺跡がある。また、中世にはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路のうち、南仏を通るトゥールーズの道の始点になっていたことから、巡礼者たちで賑わった。世界遺産に登録されたのは、これらの時代をしのばせる古代ローマ時代の遺跡・遺構7件とロマネスク期の教会が1件である。このうちアリスカンのサン=トノラ教会跡の遺構は世界遺産「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」(ID868)の一部として、重複して登録されている。
なお、当初の登録名は "Roman and Romanesque Monuments of Arles" だったが、2006年に "Arles, Roman and Romanesque Monuments" に変更された(当項目では便宜上訳し分けを行わない)。
以下、ユネスコの登録IDの順に紹介を行う。 円形闘技場
円形闘技場
現在では闘牛や各種イベントに使われている。 古代劇場(Theatre Antique ; ID164-002) は、紀元前1世紀に作られた劇場跡。中世には採石場とされた後に要塞に転用されたが、19世紀に現在の形に復元された。 17世紀にここから発掘された「アルルのヴィーナス」像は、現在ルーヴル美術館に収蔵されている。 地下回廊とフォルム (Cryptoportiques et forum romain ; ID164-003) は、セットになっている遺跡である。 地下回廊は、紀元前1世紀に作られた。2世紀になってこれを土台とする形で宗教施設が建てられた。その遺構が現在のフォルムである。 コンスタンティヌスの公衆浴場 (Thermes de Constantin ; ID164-004) は、コンスタンティヌス1世の治世下で建造された公衆浴場。現存する遺構はカルダリウム(湯の部屋)、テピダリウム(ぬるま湯の部屋)、サウナ室のみである。 ローマの城壁 (Remparts du castrum romain ; ID164-005) は、市内の二箇所に現存する。元々アルルは城壁に囲まれた都市だったのだが、古代劇場の建造に当たってその一部が取り壊された。古代劇場や円形闘技場に程近い城壁は、取り付けられているルドゥート門ともどもその時代に遡る遺構である。 他方で、やや北に離れたところにあるカヴァルリ門を持つ城壁も一部が現存するが、こちらは中世以降に建造されたものである。 アリスカン (Les Alyscamps ; ID164-006) は、ローマ時代から存在する大墓地である。13世紀頃まで墓所として名高く、多くの周囲に多くの教会が作られた。そうした教会の中には、いまも廃墟として残るサン=トノラ教会 サン=トロフィーム教会 (L'eglise St-Trophime ; ID164-007) は、アルルの聖トロフィムス
円形闘技場内部
夜間の円形闘技場
古代劇場
古代劇場
古代劇場
地下回廊とフォルム
コンスタンティヌスの公衆浴場
ローマの城壁
アリスカン
サン=トノラ教会跡
アリスカン墓地
サン=トロフィーム教会
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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