アルファチャンネル
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アルファチャンネル(: alpha channel)とは画像処理分野において、ラスター画像(ビットマップ画像)の各ピクセルに対し表現のデータとは別に持たせた補助データのこと。一般に画素の不透明度 (opacity) を表現する。「アルファ」はギリシャ文字αだが、計算式や各種APIでは、ラテン文字(アルファベット)のAやaが使われることも多い。
概要

コンピュータにおいて、プリンターディスプレイなど、ほとんどの表示装置はRGB (Red, Green, Blue)、CMYK (Cyan, Magenta, Yellow, Black) など、単色(純色)の組み合わせ(加法混色または減法混色)によって色を表現する。この各単色の明るさ、あるいは濃度を調整することによって人間が知覚する多くの色を表現できる。コンピュータ内部のデータでも同様の形式がとられている。

いくつかのラスター画像データフォーマットや画像編集ソフトウェアでは、これらの表示される各単色成分の情報(カラーチャンネル)の他に、もうひとつ直接表示されない補助データを追加できる。これをアルファチャンネルと呼び、画像のマスクや複数画像の合成などに使われる。チャンネルあたりのビット数(階調数)はフォーマットにもよるが、8ビット(256階調)や16ビット(65,536階調)が使われることが多い。インデックスカラー画像の場合、カラーパレットのうち何らかの色が透過色として使われることがあるが、該当ピクセルを透過するか否かの2値情報でしかないため、ピクセルの縁にジャギー(ギザギザ)が発生しやすい。一方、8ビットや16ビットのアルファチャンネルを使えば、データ量は増えるものの、なめらかな半透明合成ができる(アンチエイリアス)。Adobe Photoshopのように、アルファチャンネルを単独のグレースケール画像として表示・編集したり、1つの画像に対して複数のアルファチャンネルを持たせたりすることができるソフトウェアもある[1]

映像編集技術におけるキー信号に相当する。
計算式

一般にアルファチャンネルの計算は Thomas Porter および Tom Duff の1984年の論文に基づく[2]

A および RGB の定義域は [0, 1] とする。A = 0 は透明で、A = 1 は不透明である。また、透明の画像は以下のように扱う。 A = 0 ⇒ R G B = 0 {\displaystyle {\mathit {A}}=0\Rightarrow {\mathit {RGB}}=0}

すると、src (source) を dst (destination) へと、アルファチャンネルつきの画像を描画する計算式は以下の通り。 s r c F {\displaystyle {\mathit {src}}_{\text{F}}} や d s t F {\displaystyle {\mathit {dst}}_{\text{F}}} の定義は後述。 { o u t A = s r c A s r c F + d s t A d s t F o u t R G B = ( s r c R G B s r c A s r c F + d s t R G B d s t A d s t F ) / o u t A {\displaystyle \left\{{\begin{array}{l}{\mathit {out}}_{\mathit {A}}={\mathit {src}}_{\mathit {A}}{\mathit {src}}_{\text{F}}+{\mathit {dst}}_{\mathit {A}}{\mathit {dst}}_{\text{F}}\\{\mathit {out}}_{\mathit {RGB}}=({\mathit {src}}_{\mathit {RGB}}{\mathit {src}}_{\mathit {A}}{\mathit {src}}_{\text{F}}+{\mathit {dst}}_{\mathit {RGB}}{\mathit {dst}}_{\mathit {A}}{\mathit {dst}}_{\text{F}})/{\mathit {out}}_{\mathit {A}}\end{array}}\right.}


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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