アルトネリコ
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『アルトネリコ』(Ar tonelico)は、コンピュータゲームアニメ漫画などにて展開されるメディアミックス作品、およびその作中に登場する巨大建造物の名称である。原作メーカーは製作をガスト、販売をバンダイナムコゲームス(旧バンプレスト)が担当する。シリーズを通してディレクターを土屋暁(ガスト)、プロデューサーを河内厚典(バンダイナムコゲームス)、主題歌を志方あきこが務めている。

コンピュータゲームはシリーズとして第3作まで発売されている。
シリーズ第1作および関連作品は『アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女』を参照のこと。

シリーズ第2作および関連作品は『アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩』を参照のこと。

シリーズ第3作および関連作品は『アルトネリコ3 世界終焉の引鉄は少女の詩が弾く』を参照のこと。

本項では、主にアルトネリコシリーズ全体の概要と、シリーズ共通となっている世界観について記述する。
概要

アルトネリコシリーズは、過去の人災によって大地が失われてしまった惑星アルシエルを舞台に、詩魔法(うたまほう)と呼ばれる特殊能力を行使することができる種族「レーヴァテイル」を巡る冒険および主人公とヒロインの心のふれあいを描くSFファンタジー。コンピュータゲームの第1作から第3作までは、大地が失われる以前の技術で作られた三基の巨大建造物と、その周囲の地域のみが「世界」として認識されている世界が舞台となっている。

作中には「ヒュムノス語」と呼ばれる本作オリジナルの人工言語が登場し、魔法の詠唱シーンなどの台詞や劇中歌、背景など全編に渡って用いられている。これらのメッセージの多くは、作中ではその意味が明かされていないものの、ヒュムノス語には単語の意味や文法が詳細に設定されており、公式サイト内のコンテンツなどの[1]作品外の媒体で翻訳のための手引きが用意されている。このため、プレイヤーはこれらのメッセージを翻訳することによって、劇中歌に秘められた登場人物の心情などといった、隠された意味を解き明かすことができるようになっている[2]

PlayStation 2用のゲームソフトとして発売されたシリーズの第1作は、歌詞にヒュムノス語を用いた劇中歌をはじめ、凝った世界設定や魅力的な登場人物、セクシャルな内容にも解釈できる際どい描写などが評価や話題を集めた[3]。以降の続編でも様々な新しい試みが導入されつつも基本的な路線は継続されたほか、漫画やドラマCDなどのメディアミックス展開も行われ、歌や楽曲を物語の主軸に据えた複雑な世界設定が展開されている。また、劇中歌のCDや設定資料集といった関連商品も数多く発売されている[3]
沿革

第1作のゲームの舞台ソルシエールは本シリーズのディレクターである土屋暁が大学時代の1995年に作ったテーブルトークRPG用の世界設定が原型となっており、シュレリアなどの登場人物の一部はその頃から存在しているとされる。元々、アルトネリコ第一作の開発は2000年PlayStation 2用RPGとして企画が立ち上がったが、「魔法のベルを調合して魔法効果を生み出す」という自由度が高くまた煩雑で難易度の高い内容だった事もあって開発が中断、後にバンプレストとの共同企画として再スタートした際、上記の魔法のベル調合を「レシピ」の導入で簡略化した「グラスメルク」や「レーヴァテイル」「コスモスフィア」「ヒュムノス」といった本シリーズの特徴となる設定を加えることで、初稿脚本全没等の難産の果てに2006年1月に第1作『アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女』が発売された。

翌年の2007年10月に同じくPlayStation 2用RPGとして発売された第2作『アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩』は、一部の登場人物を引き継ぎつつも同じ惑星上の異なる地域を舞台とし、第1作から数年後の世界が描かれた。2010年1月に発売された第3作『アルトネリコ3 世界終焉の引鉄は少女の詩が弾く』はプラットフォームをPlayStation 3に移し、やはり第2作から数年後の別の地域を舞台としつつ、3部作の完結編となる物語が描かれた[4]
システム

ゲームにはアルトネリコシリーズ独自の詩魔法による戦闘システムが導入されており、操作感覚こそ作品ごとに大きく異なっているものの、詩魔法は長く詠唱すればするほど効果が上昇するという設定の関係上、効果が発揮されるまでに時間のかかる「詩魔法」を唱え続ける後衛のヒロインを、前衛の戦士が護りつつ戦うという構図はシリーズを通しての共通要素となっている[4]。また、作中でもイベントバトル等で敵味方関係なくレーヴァテイルが謳う「ヒュムノス」が戦闘BGMとして流れるなど、「詩(うた)」が重視されている。

また、ガストアトリエシリーズにある「錬金術」と似たシステムが「グラスメルク」や「調合」という形で存在し、様々なアイテムをプレイヤーが作り出すことができる。
ムスメ調合RPG

メーカーにより定義されたゲームジャンルは「ムスメ調合RPG」で、「ムスメ調合」は「ムスメ」であるレーヴァテイルの心の世界「コスモスフィア精神世界)」に潜り込んだり、コスモスフィアで獲得した天使巫女魔女など様々なコスチュームをレーヴァテイルに着せることができることなどを表している。
世界観

第1作 - 第3作では物語の舞台や登場人物は異なるが、基本的な世界観は共通のものとなっている。『アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女』では巨大な「アル・トネリコ」と浮遊大陸「ホルスの翼」で構成された世界「ソル・シエール」が、『アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩』では狭い塔とその周囲にある人工大地「リム」の上で生きる過酷な世界「メタ・ファルス」が、『アルトネリコ3 世界終焉の引鉄は少女の詩が弾く』では特徴的な意匠の白亜の塔を、「大牙」と呼ばれる岩塊が囲む世界「ソル・クラスタ」が舞台となっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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