アルデヒドデヒドロゲナーゼ
NAD+の空間充填モデルを活性部位に入れたヒトALDH2[1]
識別子
EC番号1.2.1.3
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アルデヒドデヒドロゲナーゼ (アルデヒド脱水素酵素、Aldehyde dehydrogenase, ALDH; EC 1.2.1.3)はアルデヒドからカルボン酸への酸化反応を触媒する酵素群およびそれをコードする遺伝子群である[2][3]。生物一般に存在し、基質である有害なアルデヒドを代謝することで多くの生理的機能を持つ[3][4]。
現在までにヒトゲノム中には19個のALDH遺伝子が存在することが知られており、ヒトにおけるALDH遺伝子の欠損はアルコール(エタノール)の摂取によるフラッシング反応(英語版)や、シェーグレン・ラルソン症候群(英語版)などの先天性異常を引き起こすこと、様々な疾患のリスクを増減させることが知られている。目次 アルデヒドデヒドロゲナーゼとして触媒する化学反応は以下のとおりである。 R − CHO + NAD ( P ) + + H 2 O ⟶ R − COOH + NAD ( P ) H + H + {\displaystyle {\ce {R-CHO + NAD(P)+ + H2O -> R-COOH + NAD(P)H + H+}}} この酵素反応は以下のアシル化と脱アシル化の2つのステップに分けられる[5]。 アルデヒドデヒドロゲナーゼ反応において、アルデヒドはALDHの表面から突出したチャネル部分から活性部位へ入り、補因子であるNAD(P)+と反応して酸化される[7]。
1 酵素活性
2 構造
3 生理的機能
4 その他の酵素活性および生理的機能
5 進化と分類
6 ヒトにおけるALDH
7 植物におけるALDH
8 細菌におけるALDH
9 関連項目
10 脚注
11 外部リンク
酵素活性
アシル化
活性部位のシステインがアルデヒドのカルボニル炭素に求核攻撃し、チオヘミアセタール中間体を形成する。次いで、水素化物イオンがアルデヒドからNAD+またはNADP+のニコチンアミド環のC4原子に移動し、チオヘミアセタールがチオエステル中間体へ遷移する。
脱アシル化
活性化された水分子によりチオエステルが加水分解され、カルボン酸が生成される。
構造 ヒトALDH3A1の活性部位