アルテ_(漫画)
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アルテ
ジャンル
歴史
漫画
作者大久保圭
出版社コアミックス
掲載誌月刊コミックゼノン
レーベルゼノンコミックス
発表号2013年12月号 -
発表期間2013年10月25日 -
巻数既刊19巻(2024年4月現在)
アニメ
原作大久保圭
監督浜名孝行
シリーズ構成吉田玲子
脚本吉田玲子、鈴木貴昭
キャラクターデザイン宮川智恵子
音楽伊藤ゴロー
アニメーション制作Seven Arcs
製作アルテ製作委員会
放送局TOKYO MXほか
放送期間2020年4月 - 6月
話数全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『アルテ』(イタリア語: Arte)は大久保圭による日本漫画。大久保の初連載作品であり、コアミックス(旧ノース・スターズ・ピクチャーズ)発行の『月刊コミックゼノン』にて2013年10月25日発売の12月号より連載開始[1]

『月刊コミックゼノン』編集部の久永兼士の言によれば、大久保にはルネサンス期イタリアを舞台を描きたいという熱意があり、その熱意に編集がほだされる形で連載が始まった[2]

2014年の「NEXTブレイク漫画RANKING」では、15位に選ばれた[3]。2021年1月時点で単行本の累計発行部数は140万部を突破している[4]
あらすじ

16世紀初頭のルネサンスの後期。レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロラファエロなどの巨匠が15世紀に活躍したルネサンス文化の中心地、芸術の都・フィレンツェから物語は始まる。
第1話 - 第36話
工房への弟子入り
フィレンツェの裕福でない貴族の娘であるアルテは、幼い頃から絵を描くことにのめり込んでいた。父が亡くなり、没落寸前の貴族家を存続させるために、「男に気に入られて結婚して『まともな生活』を送ること」を望む母と反発し、アルテは家を飛び出す
[3]。画家となるべく画家工房を回るが、アルテが女であるというだけで相手にもされない。唯一、自分の絵を見てくれたレオの工房に引き取られるが、レオは貴族娘の我儘と思い、弟子にするつもりもなく「テンペラ画の地塗りを一晩で20枚作る」という無理難題な課題を命じて諦めさせようとする。翌朝、徹夜をして課題を仕上げたアルテに、レオは画家を目指す動機を尋ねたところ、「職人になるのが目標ではなく、自分自身で生きる道筋をみつけたい」と答えた。レオは自身が物乞い出身であり、アルテと似たような動機で画家を目指した過去があったことから、アルテの弟子入りを許す[3]
修行生活の始まり
「女の画家見習いである」ということで周囲の反発も多かったアルテだったが、持ち前の明るさと頑張りで男女の壁を乗り越え、徒弟職人アンジェロやその親方のダニロ、針子をしているダーチャといった理解者を徐々に増やしていった[3]。また、レオの知人である高級娼婦ヴェロニカや、一代で財を築いた偏屈な老商人ウベルティーノにも気に入られたアルテは、新しい生活を楽しみながらも修行に励んでいた。ヴェネツィア貴族のユーリは、そんなアルテが働いていた様子を見て気に入り、アルテを「姪の家庭教師」にと雇おうとするが、修業中のアルテはこれを断る。そんな中、レオの師匠の娘・ルザンナが身重の身体でレオに会いに来る。若くして夫が亡くなり実家を離れることになった彼女は、夫の実家から持参金を返してもらおうとしたのだが、相手にされないというのだ。それを知ったアルテはユーリと掛け合い、「ルザンナの助けとなること」を条件にユーリの申し出を受け、ヴェネツィアへと旅立つ。
家庭教師のためヴェネツィアへ
ヴェネツィアでは、これまで何人もの家庭教師が辞めていったユーリの姪カタリーナの家庭教師となる。礼儀作法も完璧で何一つ教えるようなことのないカタリーナだったが、両親の前では礼儀作法のできない娘を演じていた。事情を知ったアルテはカタリーナとのわだかまりも解かし、カタリーナの母であるファリエル家夫人ソフィアとカタリーナの肖像画を描き上げる。スポンサーになるというユーリの申し出を断り、アルテはフィレンツェへと戻った。
第37話 -ヴェネツィア大貴族の肖像画を描き、なおかつ「スポンサーの申し出を断った」という噂もあって、フィレンツェのレオの工房に戻ってきたアルテには、貴族たちから『夫人や令嬢の肖像画』の作成依頼が舞い込むようになる。貴族出身の教養ある女性ならではの視点で描かれる「繊細で柔らかな肖像画」は、おおいに顧客を満足させていた。だが、アルテが女性であるがゆえに、「宗教画の注文が来ない」という壁にもぶち当たっていた。その一方で、アルテのさらなる成長のために、「レオ以外の親方の下で修業させるべきではないか」という話が持ち上がってくる。
登場人物

声の項はテレビアニメ版の声優
主要人物
アルテ・スパレッティ
声 -
小松未可子[5]本作の主人公。明るく、負けん気が強い頑張り屋。目をきらきらさせ、夢に向かって突き進んでいく[3]。自身が「貴族の娘で」「女である」にもかかわらず画家を目指すことに対して、世間からの批判や奇異の目で見られることを時にはバネとして反発し、あるいは武器にすることもできると徐々に理解していくが、その過程で何度も懊悩する。レオに恋心を抱いている描写もあり、ヴェロニカなどは察しているが、本人には恋愛経験も無いことから自覚が無かったが、イレーネに身上を話す内に気持ちを自認し、レオとの別れ際には涙ながらに想いを告げている。
レオ
声 - 小西克幸[5]物乞い出身の親方。無愛想で感情をあまり表に出さない。これまで弟子を取ったことは無く、当初はアルテを弟子に取ることにも否定的だったが、アルテの実直な姿にかつての徒弟時代の自分を重ね合わせ、彼女を弟子にすることを決断する。本人は単に不愛想なだけなのだが、強面で不器用な性格もあり、出会った頃のアルテをはじめ周りの人からは実像以上に怯えられている。実際は厳しいながらも、師として差別することなくアルテを指導し見守り、また街中で自分の食料を盗もうとした少年にパンを一つ分けてやるなど優しい面も持ち合わせている。本人はアルテに対して恋愛感情の様なものよりは「大事な弟子」として師弟愛の様に接しているが、イレーネとの事件にアルテが巻き込まれた際には事情を知る為に奔走し、彼女を救い出す為に尽力した。その後フィレンツェを去っていくアルテから告白された際には、一言だけ短く答えている。
フィレンツェアニメの最終話で舞台のモデルとなった、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
ヴェロニカ
声 - 大原さやか[6]レオの依頼主の1人でもある高級娼婦。非常に顔が広くて博識で聡明であるが、娼婦としての狡猾さも併せ持つ魅力的な女性として描かれている。アルテのことを気にいって友人となり、いろいろと相談に乗る。娼婦として客との会話のために幅広く蔵書を集めて読んでおり、それらの本はアルテを通じて「ダーチャの読み書きの教本」としても使われている。収入で家族を養っている。
アンジェロ・パーカー
声 - 榎木淳弥[6]ダニロ工房で徒弟職人として働いている少年。姉妹の多い家庭で育ったため、無自覚に女性に親切で扱いにも慣れている。また、「女性はか弱いから、男性が手助けしなくてはならない存在」と姉妹たちから刷り込まれており、アルテにも女性ということで親切にするが、アルテからはその親切を拒否されたことで、関心を持つようになる。
ウベルティーノ
声 - 秋元羊介[7]一代で財を築いた、頑固者で偏屈な老商人。絵画にはまったく興味はなく、あくまで「ビジネスのための商売道具」と思っている。レオの親方と生前に交流があり、親方から遺言としてレオのことを頼まれたことから、いろいろと無理な注文をレオに依頼しては面倒を見ている。アルテから見ると、なんだかんだいってレオとはそっくり。間違っても本人には言わないが、レオを気に入っている。前述のとおり絵画に興味はないが、レオとその師が各々描いた「金持ちとラザロ」は、自身の信条を見つめる為の物として執務室に飾ってある。
ダーチャ
声 - 安野希世乃[8]農家出身。結婚時の持参金を自力で稼ぐために針子として働いている娘。文字の読み書きも行えなかったが、アルテから教わり友達となる。男性に慣れておらず、女慣れしているアンジェロには赤面していた。
シルヴィオ(英語版)枢機卿
アルテにイレーナの肖像画を描く仕事を依頼する。
ヴェネツィアサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂ヴェネツィアカナル・グランデを走行するゴンドラ
ユーリ
声 - 鳥海浩輔[6]ヴェネツィアの名門貴族ファリエル家当主の弟。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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