アルダの歴史
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アルダの歴史(アルダのれきし)では、J・R・R・トールキンの小説『指輪物語』および『シルマリルの物語』の作中で用いられる架空の時代区分について述べる。
世界の創造

唯一神エル・イルーヴァタールは、聖霊アイヌアの合唱から生じたイメージに「不滅の炎」を吹き込み、実在する世界エア(Ea)を誕生させた。そして、その世界の中にアイヌアが創りあげたのがアルダ(Arda)、すなわち地球である。詳細は「アイヌリンダレ」を参照
灯火の時代

灯火の時代(ともしびのじだい、Years of the Lamps)は、アルダが作り出された後の最初の時代である。この時代の出来事は『シルマリルの物語』所収の「ヴァラクウェンタ」「クウェンタ・シルマリルリオン」で語られている。

この時代は、エルフ人間たちはまだ存在せず、アイヌアのヴァラールマイアールのみがこの世界にいた。ヴァラールがアルダの地を照らすために2つの灯火、イルルインとオルマルを立てたことから灯火の時代と呼ばれる。この時代は世界の創世紀であり、ヴァラールはアルマレンの地に王国を築き、各地に植物を植え、生き物たちを作り出した。地上は「アルダの春」と呼ばれる繁栄を迎え、トゥルカスは祝福のうちにネッサと婚姻した。

だが北方ではメルコールが邪悪な生物や巨大な山脈などを作り出し、要塞ウトゥムノに籠もって力を蓄えていた。満を持して打って出たメルコールによって二つの灯台とアルマレンの宮殿が破壊されるとヴァラールは中つ国を去り、西方のアマンの地にヴァリノールを建国し、灯火の時代は終焉を迎える。

灯火の時代は約1万年続いたと言われている。
二本の木の時代

二本の木の時代(にほんのきのじだい、Years of the Trees)は、灯火の時代と太陽の時代の中間に位置する時代である。この時代の出来事は『シルマリルの物語』所収の「クウェンタ・シルマリルリオン」で語られている。

中つ国においては、この時代は前半の暗黒の時代と、後半のエルフが誕生した以降の第一紀に分けることができる。

二本の木の時代は、壊された二つの灯火の代わりに、二本の木、テルペリオンとラウレリンがヴァリノールの地を照らしはじめた時から約1万5千年間続いた。

西方のヴァリノールにおいては、平穏と安寧が続く時代であった。ヴァラールやマイアールが、二つの木の輝きによって繁栄し、マンウェを、アウレドワーフを産みだした時代でもある。

一方、二つの木の光の届かない中つ国では、最初の約1万年は暗黒の時代であった。メルコールは要塞ウトゥムノにこもって邪悪な怪物を作り出すことに余念がなく、新たに第二要塞アングバンドも建造した。時折オロメが見回りに来るほかは、ヤヴァンナが動植物を哀れんで魔法の眠りを授けて歩くくらいで、あとはメルコールの邪魔をするものはいなかった。
第一紀

しかし暗闇は永遠には続かなかった。ヴァルダがテルペリオンの露を集め、天空に星々の光を照らし、エルフを目覚めさせたのである。この時から第一紀が始まったと言われる[1][2]。エルフたちは中つ国で目覚めたので、メルコールに捕らえられ、殺されたり、奴隷にされる者も多かった。そのためメルコールは、エルフ救出におもむいたヴァラールに捕まえられ、鎖につながれてしまった。

戦いが終わると、ヴァラールはエルフたちをアマンに招くことを望んだ。選ばれた3人のエルフが、ヴァリノールの威光をその眼にした後で中つ国に送り返され、同胞たちに西方への移住を呼びかけた。このとき移住に応じたものたちをエルダール、申し出を拒んだものたちをアヴァリという。

エルダールの旅路は長く、中には脱落者も出始めた。ヴァンヤール族の全員とノルドール族の大半は、アマンへの移住を完遂できた。だがテレリ族には、王が行方不明になった際、旅を続けずに帰りを待つことを選んだ者たちがおり、かれらはシンダール族となった。ほかのテレリには離散してナンドール族となるものや、海辺に残ってファラスリムとなるものもいた。

ヴァリノールに到達したエルダールは「光のエルフ」カラクウェンディと呼ばれ、大いに繁栄を享受した。しかし解放されたメルコールは、ノルドールにヴァラールへの反抗心を吹き込み、至福の地アマンに不和の種が芽生え始めた。機が熟すのを見計らって、メルコールはシルマリルの宝玉を奪い取り、二本の木を枯らして、中つ国に逃げ去ってしまう。二本の木の時代はこれを以って終わり、以後は太陽が空を照らす太陽の時代に突入する。
太陽の時代

太陽の時代(たいようのじだい、Years of the Sun)は二本の木の時代に続く最後の時代である。太陽が昇り人間が出現した時代でもある。

この時代は更に複数の紀に分けられており、第一紀、第二紀、第三紀、そして第四紀の一部がトールキンの作品で描かれている。またトールキンは現代は太陽の第六紀か第七紀に当たるとも述べている。
(太陽の)第一紀


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