アルスラーン戦記
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アルスラーン戦記
ジャンル
ファンタジー[1]伝奇[2]
小説
著者田中芳樹
出版社角川書店
光文社
レーベル角川文庫
カッパ・ノベルス
光文社文庫
刊行期間1986年8月13日 - 2017年12月13日
巻数全16巻
漫画
原作・原案など田中芳樹
作画中村地里
出版社角川書店
掲載誌月刊ASUKAファンタジーDX
レーベルあすかコミックスDX
巻数全13巻
映画:アルスラーン戦記(第1作)
アルスラーン戦記II(第2作)
監督浜津守
制作第1作:アニメイトフィルム
第2作:アウベック
封切日第1作:1991年8月17日
第2作:1992年7月18日
上映時間第1作:57分 / 第2作:60分
OVA:アルスラーン戦記III・IV・V・VI
原作田中芳樹
監督III・IV:アミノテツロー
V・VI:浜津守
脚本杉原めぐみ
キャラクターデザイン神村幸子
アニメーション制作アニメイトフィルム
製作角川書店ムービックSME
発売日III:1993年10月21日
IV:1993年12月22日
V:1995年8月21日
VI:1995年9月21日
収録時間各29分
その他タイトルは劇場版からの連番。
漫画
原作・原案など田中芳樹
作画荒川弘
出版社講談社
掲載誌別冊少年マガジン
レーベル少年マガジンコミックス
発表号2013年8月号 -
巻数既刊20巻(2024年1月9日現在)
アニメ:アルスラーン戦記(第1期)
アルスラーン戦記 風塵乱舞(第2期)
原作田中芳樹、荒川弘
監督阿部記之
シリーズ構成上江洲誠
キャラクターデザイン小木曽伸吾(チーフ)
田澤湖、渡邊和夫
音楽岩代太郎
アニメーション制作ライデンフィルム
サンジゲン(第1期)
製作「アルスラーン戦記」製作委員会
MBS
放送局MBS・TBS系列
放送期間第1期:2015年4月5日 - 9月27日
第2期:2016年7月3日 - 8月21日
話数第1期:全25話
第2期:全8話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル文学漫画アニメ

『アルスラーン戦記』(アルスラーンせんき)は、田中芳樹による日本の大河ファンタジー小説。中世の中東に似た異世界を舞台にしたファンタジー小説。戦乱の中での王太子アルスラーンと仲間達の活躍を描く。1986年8月から2017年12月まで全16巻が刊行された。
構成

物語はルシタニア王国に征服されたパルス王国をパルスの王太子であるアルスラーンたちが奪還するまでを描いた第一部(第1 - 7巻)と、ミスルやチュルクといった隣国やかつてパルスを震撼させた蛇王ザッハークとその眷属たちとの戦いを描いた第二部(第8 - 16巻)で構成され、全16巻(第1部7巻、第2部9巻)となっている。1986年8月に第1巻が発売されて以降、30年以上にわたって執筆された本作は、2017年12月発売の第16巻をもって完結を迎えた[3]

第1 - 10巻は角川書店角川文庫より発売されていたが、現在は品切れ・重版未定(事実上の絶版)となっており、その分は光文社カッパ・ノベルスから2巻1冊の新装版として刊行されている。第11巻以降はカッパ・ノベルスから1巻1冊で刊行された。また、光文社文庫からも2012年4月から2020年8月までに全16巻が刊行された。
あらすじ

下記に、小説の巻ごとにあらすじを記載する。括弧内は、小説の巻数、「荒川版」は荒川弘の漫画版において該当するパートの単行本巻数とする。
第一部

侵略により王都を奪われたパルス王国の王太子アルスラーンが、多くの忠臣を得て為政者として成長しながら王都を奪還し即位するまでを描く。
王都炎上(1巻、荒川版1-3巻)
大陸公路の中心で栄華を極めた国家、パルス王国。心優しき王太子アルスラーンは、武勇に優れた父・国王アンドラゴラス三世からは疎まれ、美貌の母・王妃タハミーネからは無関心に扱われつつも、臣下たちからは親交を持ち得ていた。14歳になったアルスラーンは、侵攻してきたルシタニアとの戦争で初陣に臨む。しかし無敗を誇っていたパルス軍は、不可解な霧の発生やパルス万騎長カーラーンの裏切りに遭って総崩れし、多くの万騎長が戦死(第一次アトロパテネ会戦)。九死に一生を得たアルスラーンは最強の武将ダリューンと共に落ち延び、政戦両略に長ける知略家ナルサスとその侍童エラムを仲間に加える。一方で、無敗のパルス軍を破り勢いに乗るルシタニア軍により、パルス王都エクバターナも陥落。無能なルシタニア王イノケンティス七世がパルス王妃タハミーネを見染め、自らの妃にしようとする。そんな中、カーラーンは軍を率いてアルスラーン討伐に乗り出す。だがアルスラーンたちは、ナルサスの計略に加えてミスラ神殿の女神官ファランギースと流浪の楽士ギーヴの加勢もあり、たった6人で1,000の軍勢を崩壊させカーラーンを討ち取ることに成功する。そのころ、ルシタニア軍の捕虜となり果てのない拷問を受ける国王アンドラゴラス三世の前に、ルシタニア軍に協力していた銀仮面の男が姿を現す。カーラーンの主である銀仮面の男は、自身こそがアンドラゴラス王により暗殺された先王オスロエス五世の嫡子ヒルメスであり、パルス王国の正統継承者であると叫ぶのだった。
王子二人(2巻、荒川版4-6巻)
パルス国に存在する「奴隷制度の是非」に悩むアルスラーンは、執拗なルシタニア軍からの追撃から逃れ、カシャーン城塞に到着する。奴隷制度の存続を望む城主ホディールの反逆に遭った一行は、ホディールを討ち倒して奴隷を解放するものの、奴隷達からは「主人殺し」と責め立てられ、奴隷制度をなくすことの難しさに困惑するのであった。その後、ルシタニア軍の追撃により包囲されたアルスラーン一行は、仲間と散りぢりになりながらペシャワール城を目指すことになる。エラムとギーヴと同行することになったアルスラーンは、元奴隷の子であるエラムを友として接して親交を重ねる。銀仮面ことヒルメスに、父親と仲間たちを皆殺しにされたゾット族の娘アルフリードは、命を救われたナルサスに惚れて同行することになる。蛇王ザッハーク一党で、地行術を操るアルザングに襲われたナルサスは、ヤシ油を撒いて火をつけることで撃退する。無事に仲間たちと合流したアルスラーン一行は、二人の万騎長キシュワードとバフマンが守護するペシャワール城塞に到着する。城塞に潜入した銀仮面は、仇の息子であるアルスラーンに剣を向けるが、そこにダリューンらが駆けつけて事なきを得る。そして、ヒルメスを庇ったバフマンが「その方を殺せばパルス王家の正当な血は絶えてしまう」と叫び、動揺のためにダリューンらの剣のさえが鈍った隙をついてヒルメスは包囲網を脱出する。
落日悲歌(3巻、荒川版7-8巻)
ルシタニア軍の追撃を退け、パルス東部国境のペシャワール城塞へ無事辿り着いたアルスラーン一行。しかし同じころ、パルス南東に位置するシンドゥラ国の第二王子ラジェンドラが、パルス国の混乱に乗じてペシャワール城塞を攻略すべく、自ら兵を率いて攻めてきた。ナルサスの知略で、兵力差を物ともせずラジェンドラ軍を打ち破ったアルスラーンたちは、ラジェンドラ王子と同盟を結ぶ。ラジェンドラ王子は異母兄である第一王子ガーデーヴィと次期国王の座を争っており、パルス軍がラジェンドラ王子の即位に協力する代わり、アルスラーンのルシタニア軍掃討にラジェンドラ王子の協力を約束させたのだ。そして遂にラジェンドラ軍とガーデーヴィ軍が激突する(シンドゥラ王位継承戦役)。ガーデーヴィ軍の擁する無敵の戦象部隊にラジェンドラ軍は壊滅寸前まで陥るが、ナルサスの知略とダリューンの武勇を備えたパルスの援軍により勝利を収める。そんな折、昏睡状態であった瀕死のシンドゥラ国王カリカーラ二世が目覚め、シンドゥラ独自の宗教儀式「神前決闘」で次期国王を決することになる。ダリューンはラジェンドラ王子の代理人として、ガーデーヴィ王子の代理人と決闘し勝利するが、ガーデーヴィ王子は敗北を認めず反乱を起こして敗死、ラジェンドラ王子が新国王に即位する。一方、ガーデーヴィの反乱によって深手を負ったバフマンはアルスラーンに良き国王になるよう言い残して息を引き取る。こうしてアルスラーン率いるパルス軍は役割を終えシンドゥラを後にするが、パルス軍を脅威と考えたラジェンドラ二世は、援軍を利用しパルス軍を騙し討とうとする。しかしその策謀はナルサスに見抜かれており、パルス軍は再びラジェンドラ軍を打ち破る。アルスラーンはラジェンドラ二世と不可侵条約を結び、後顧の憂いを絶って王都奪還への道筋を固めていく。
汗血公路(4巻、荒川版9-12巻)
王都エクバターナを占領するルシタニア軍内部では、王弟ギスカールを中心とする貴族勢力と国教イアルダボート教の大司祭ボダン率いる宗教騎士団の覇権争いで内部分裂を起こしていた。ボダン率いる宗教騎士団はエクバターナを追放され、ルシタニア軍が侵攻し滅ぼした隣国マルヤムへと撤退する。ペシャワール城塞へ戻ったアルスラーンは、パルス諸侯へ向けて王都エクバターナ奪還に向けた檄文を公表。それを受け、パルス各地から諸侯が軍を率いペシャワール城塞へと集い、王都エクバターナへの行軍を開始する。アルスラーン率いる軍が連戦連勝で民心を得ていることに焦りを覚えたヒルメスは、ギスカールに正体を明かし協力を仰ぐ。公的には死んだはずの“先王の遺児ヒルメス”を名乗る銀仮面卿に不信感を覚えたギスカールは、いまだ虜囚の身にあるパルス国王アンドラゴラス三世に直接ヒルメスのことを問いただすが、アンドラゴラス王はこの好機を逃さず、ギスカールを人質にとり脱獄に成功する。
征馬孤影(5巻、荒川版12-15巻)
ヒルメスはアルスラーン以上の民心を得るべく、以前から協力関係にあった“尊師”と呼ばれる魔道士に相談し、宝剣ルクナバードの入手を示唆される。パルス軍を離れていたギーヴは、ヒルメス一行とかち合い宝剣の奪い合いになるが、宝剣は両者の手の届かないところへと失われる。脱獄したアンドラゴラス王はルシタニア王弟ギスカールを人質にし、ギスカールの解放と引き換えに物資と身の安全を確保し、タハミーネ妃を伴い王都を脱出する。パルスの北東に位置する遊牧民族の国トゥラーンが、ペシャワール城塞へと遠征してきたため、アルスラーン軍は王都への行軍を中止してペシャワール城塞へ舞い戻ることとなる。帰還したギーヴの活躍やナルサスの知略によってトゥラーン軍を打ち破ることに成功する。トゥラーン軍の侵攻を退けた後、王都への行軍再開の準備をしていたところへ王都を脱出したアンドラゴラス王とタハミーネ妃が到着する。王が復帰したことでパルス軍の指揮権を失ったアルスラーンは、更にアンドラゴラス王の命令で追加の兵力を5万集めることを命じられ、事実上パルス軍を追放される。
風塵乱舞(6巻、荒川版15-18巻)
アルスラーンはアンドラゴラス王の勅命に従い、パルス南部海岸地帯の港町ギランへ向かう。王臣ながら王から離反したダリューンとナルサス、もとより王に仕えるつもりのないエラム、アルフリード、ファランギース、ギーヴ、ジャスワントの7名が合流する。ギランの商人たちを襲う海賊を討伐したことで、ギランと南方海岸地帯全域におよぶ財力と影響力を持つ富商たちを味方につけ、アンドラゴラスをしのぐほどの勢力を手に入れる。アンドラゴラス率いるパルス軍とギスカール率いるルシタニア軍は王都の東方で正面から激突、パルス軍が勝利する。王都の西方ではギスカールと決裂したヒルメス王子率いる軍が突入の機会をうかがい、ギランでしばし平穏な時を過ごしたアルスラーンもまたギランを発ち王都へ向けて進撃を開始する。
王都奪還(7巻)
敗れてなお20万の大軍を擁するルシタニア軍だが、アルスラーン軍に兵糧を焼かれ、督戦隊の指揮官を射殺されて敗走する。アトロパテネに落ちのびたルシタニア軍10万は、アルスラーンの軍2万5千の巧みな用兵と策略により壊滅し、ギスカールはマルヤムに逃れる(第二次アトロパテネ会戦)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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