アルストム
Alstom S.A.
パリ近郊、サン=トゥアンの本社
種類株式会社 (S.A.)
市場情報Euronext: ALO
アルストム(フランス語: Alstom [alst?m])は、鉄道車両の製造をはじめとして、通信・信号・メンテナンスなど、鉄道に関連する総合的技術およびソリューションを提供するフランスの多国籍企業。日本では「アルストーム」と表記・発音されることもある。
鉄道車両メーカーとして、中国中車に次ぐ世界2位のシェアを有している。本社はパリ近郊のサン=トゥアン。ユーロネクスト・パリ上場企業(Euronext: ALO )。 現在のアルストムは鉄道関連の専業メーカーであるが、2015年以前は重電コングロマリットとしての歴史を持つ。 アルストムは、アルザス地域圏で1826年に設立されたアルザス建設機械 (Societe Alsacienne de Constructions Mecaniques, SACM) と、アメリカ合衆国のゼネラル・エレクトリックが第一次世界大戦後の1922年にフランスに設立した子会社のコンパニー・フランセーズ・トムソン・ヒューストン (Compagnie Francaise Thomson-Houston, CFTH) が、1928年に合併し設立された[1]。社名は両社の頭文字(Alsacienne と Thomson)の合成に由来しており、このため綴りは現在と異なる Alsthom であった[2]。アルザス建設機械は、普仏戦争によりアルザス地域圏がドイツ領となった1872年以降はベルフォールに拠点を定め、機関車の製造を中心に発展し、第一次世界大戦期には5,000人以上の従業員を抱えていた[1]。 1932年に電気機関車を製造していた Constructions Electriques de France (CEF) を買収[3]、1937年にトロリーバスを製造していたヴェトラ (Vetra) を買収[4]、第二次世界大戦後はベルフォールとフランス南西部のタルブの両主要工場を再稼働し[3]、フランス電力にタービンを供給し戦後復興に貢献する一方、フランス国鉄向けの電気機関車を製造し、1955年には電気機関車のCC-7107が最高速度時速331キロを記録した[1]。 1969年に Compagnie generale d'electricite(CGE、アルカテル・ルーセントの前身の一つで1991年に「アルカテル・アルストム」に変更)により過半数の株式を買収され、以後はCGEの子会社の位置づけとなり、1976年には造船事業を行う Les Chantiers de l'Atlantique との合併により Alsthom Atlantique となった[1]。この間鉄道車両については、1972年にフランスの高速鉄道TGVの試作車両を製造、1981年9月に営業運転を開始したTGVは会社の新たな看板製品となり、1990年に営業開始したTGV Atlantiqueは、当時の世界最高速度時速515キロを記録した[1]。1989年6月にゼネラル・エレクトリックのイギリスの電力事業子会社との合弁企業 GEC Alsthom が設立されたのち、1998年にアルカテル・アルストムとゼネラル・エレクトリックの間で行われた協議の結果、通信および防衛事業への集中を企図するアルカテルがアルストムを分離することが決定し、アルストムは株式公開企業となった(この時外国人の発音の容易さを考慮し、綴りは現在の Alstom となった)[1]。 再独立後のアルストムは鉄道車両の製造を中心とする交通インフラを担当するアルストム・トランスポール (Alstom Transport) と共に、発電機やボイラーなどの電力インフラ事業および送配電事業を行っていた。このうち鉄道関連については2000年にフィアットの鉄道関連部門を買収[5]、従来の動力集中方式に換えて動力分散方式を採用した次世代高速電車のAGVの試作車を完成させた[1]。 他方、電力インフラ事業については1999年、高出力ガスタービン事業の強化を主な目的に、スイスのABBとの共同出資でABB・アルストム・パワーを設立、2000年にはABB保有株式をアルストムが買い上げた[1]。
沿革
設立および以後の展開
CGE傘下期
再独立後の模索
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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