アリスと蔵六
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アリスと蔵六
ジャンル
SFファンタジー
青年向け少年漫画
漫画
作者今井哲也
出版社徳間書店
掲載誌月刊COMICリュウ
レーベルRYU COMICS
発表号2012年12月号 -
巻数既刊12巻(2024年2月現在)
アニメ
原作今井哲也
監督桜美かつし
シリーズ構成山文彦
キャラクターデザイン岩倉和憲
音楽TO-MAS
アニメーション制作J.C.STAFF
製作「アリスと蔵六」製作委員会
放送局TOKYO MXほか
放送期間2017年4月2日 - 6月25日
話数全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『アリスと蔵六』(アリスとぞうろく)は、今井哲也による日本漫画作品。『月刊COMICリュウ』(徳間書店)2012年12月号より連載。2013年には第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。2015年5月号を最後に7か月休載。2015年12月号より連載再開。2022年4月時点で単行本の累計発行部数は100万部を突破している[1]
あらすじ

作中の時間は物語開始で2012年。本編は紗名と蔵六の出会いの話である1・2巻を第1部、紗名に仲良しの友達ができ、学校に通うまでの話である3・4・5巻を第2部、明確な敵意を持った赤の王が登場する話である6・7巻を第3部、ワンダーランドの影響が表面化し世界が騒がしくなり、その中で紗名が初めて家出する話である8巻以降を第4部としている。
第1部

花屋を営む樫村蔵六は、ある日コンビニでドレス姿の少女・紗名に出会う。紗名は蔵六につきまとい、結果蔵六は奇妙な事件に巻き込まれる。紗名はアリスの夢と呼ばれる超能者で、あることがきっかけでアリスの夢の研究所を脱走中だった。蔵六は能力を使わないという約束で紗名をひきとり、孫娘の早苗と三人暮らしをはじめる。だが紗名はミニーCによって連れ去られ、研究所に戻されそうになる。拘束された紗名はなんとか能力を使って蔵六を呼び寄せ、さらに駆け付けた一条雫によってミニーは倒され、紗名は自由の身となる。
第2部

敷島羽鳥はアリスの夢を発現し、そのことを親友の美浦歩にだけうちあけていた。魔女になったと思い込んだ羽鳥は歩と遊びに行った原宿で、周囲の人の動きを止めるが、能力が効かなかった紗名が羽鳥を追ってくる。蔵六達を能力で支配したことに激怒した紗名は、ワンダーランドに羽鳥をおびき寄せ、脅しつけるが、羽鳥と能力をぶつけあった結果、能力が使えなくなり、ワンダーランドから出られなくなる。ワンダーランドのウサギが羽鳥のスマホを拾って通信できるようにしたのを見た羽鳥は歩に連絡。紗名はウサギが作った入り口を探してくれと頼む。歩はワンダーランドの入り口を発見し、羽鳥、紗名、とばっちりでワンダーランドに転移させられていた蔵六と早苗もそろって家に帰還する。
第3部

紗名は蔵六と養子縁組し、小学校に編入。友達になった羽鳥、歩の3人で別室授業を受けていた。政府はアリスの夢の存在を公表。能力に目覚める若者が増えていた。ある日、紗名たちは一条に連れられて、紗名が生まれたワンダーランドのある研究施設に行く。かつて混沌としていたワンダーランドは小さな白い部屋になっていたが、紗名はワンダーランドが新たな成長をしたと見抜き探索。そこで紗名そっくりな少年と出会う。彼は赤のキングと名乗り、紗名を能力で殺す。一条が能力で対抗し説得するが、キングは理解しない。ワンダーランドは施設の外へと拡張し、羽鳥たちも巻き込まれるが、キングは施設職員や駆け付けた自衛隊員の鏡の門を次々開いていく。キングは鏡の門を持たない歩を連れ去るが、そこへ復活した紗名と羽鳥があらわれる。紗名はキングに首輪をつけ、羽鳥は他人に危害を加えないよう命令。キングは笑いながら姿を消す。
登場人物

声の項はテレビアニメ版における声優
主要人物
樫村 紗名(かしむら さな)
声 -
大和田仁美[2]本作の主人公。金髪の少女。自身の年齢は分かっておらず、外部からは8?10歳と推定されている。アリスの夢の中でも他に例のない能力、「自身の想像力が及ぶ限りどんな物理現象も自由に書き換える」というもので、ワンダーランドと呼ばれる、巨大な空間を研究所の地下に作り出すほど。また、特殊な事象が起こらない限り能力で自由にワンダーランドに行き来できる。ただし、たまにハズレと呼ばれる能力を引き出すことがある。その能力の強大さから、ほかのアリスの夢とは一線を画し、赤の女王(あかのクイーン)と呼ばれる。体力はからっきしで、少し走っただけで息が上がる。また、乗り物酔いしやすい。頭脳は数学や理科などの科学分野に秀でているが、国語や数学・理科の文章題などは苦手。日常生活において、蔵六から能力の無闇な使用を禁じられている。性格は年相応の幼さが残り素直になれないところもあるが、自身の、特にアリスの夢に関することはよく理解しており、このことに関しては少しシリアスになることが多い。自身の意識が顕在化したころから静岡にあるクライス&クラーク製薬日本法人の研究所の地下にいたが、ある事件が起こり、研究所に不信感が芽生え、研究所を潰すことを目標に脱走し、その先で蔵六と出会う。紗名という名前は雛霧姉妹から貰ったもので、絵本に登場した赤の女王は魚が好きという理由から。交友関係は、研究所にいる頃より雛霧姉妹、研究所を出てからは羽鳥や歩などが友達。蔵六の孫・早苗や蔵六の店の店員とも親しくしている。また、学校に通うまでは一条が彼女の家庭教師を務めていた。蔵六の家に来たばかりの頃はお風呂が嫌いであり、能力を使い汚れないようにするほどだったが今は克服している。学校に通うため、自らが選んで蔵六の養子縁組に入り、樫村姓をその時に貰った。だが実の血縁関係ではないことを気にしている節がある。自身の気持ちに引っかかりや納得できないことができると「モシャモシャする」と表現する。第3部で赤の王の能力によって殺害されるものの、ワンダーランドが遺体からコピーを作って樫村家に送り返したことにより事実上復活する。紗名本人は死の瞬間まで含めて記憶しているが、殺された紗名の遺体はそのままであり、また復活にともなって「鏡の門」の形状が変わったことから「自分は紗名の偽物なのではないか、偽物の自分が樫村家にいていいのか」と苦悩するようになる。復活後、誕生日の近い蔵六に贈るプレゼントとして完全な善意で「早苗の両親を生き返らせてやる」と発言し、それが逆鱗に触れて我を忘れた蔵六に顔をはたかれ、ショックで家出してしまう。家出後に出会ったノエミの持つ計算機を能力も使わずあっさり使いこなした。その正体は人間ではなく、ワンダーランドの一部であるとされ、ワンダーランドが外の世界を知ろうとして、その一部が人の形と意識を持ち顕在化したもの。
樫村 蔵六(かしむら ぞうろく)
声 - 大塚明夫[2]白い顎鬚と口髭をたくわえる白髪の老人。1943年生まれ。性格は頑固者爺で、曲がったことが大嫌いと自称する。その程は、紗名と雛霧姉妹が能力を使って大暴れした際も、能力については目もくれず真っ先に説教をするほどである。家族は孫が一人のみ。店舗はないが、イベント用の花を取り扱う生花店「樫村生花」を営んでいる。交友関係は、表社会にはいないような沢木、警察官の倉さん、内藤など意外と広い。紗名が人間ではないと聞いたときも老人の余裕からかそれをすぐに受け入れ、そのことを聞いてショックを受けていた紗名に対してもフォローを入れ、対峙していたミリアムを余裕であしらった。妻はクロエという女性だが、現在の所在、安否は不明。1950年には、リュックという人物とネパールカトマンズなどで行動していた。
樫村 早苗(かしむら さなえ)
声 - 豊崎愛生蔵六の孫。書面の上では紗名の姪。学生。性格は唯一血が繋がった家族の蔵六とは似ても似つかず、のんびりしていて優しい。紗名も初めて会ったときは、蔵六の孫であることを疑っていた。語尾はよく「?」と伸ばして表現されている。両親とは物心つく前に死別している。家では紗名の面倒をよく見ており、彼女が初めて家に来たときはホットケーキを彼女に作ってあげた。料理が得意。紗名の悩みなど親身になって聞いたり、彼女を励ましたりしている。
内藤 竜(ないとう りゅう)
声 - 大塚芳忠蔵六の昔馴染みの警察官[3]。蔵六と正反対の性格で、ルーズ。アリスの夢の研究所をかねてからマークしていたらしく、蔵六から紗名のことを聞き、すぐに彼の下へ駆けつけた。研究所閉鎖後もアリスの夢に関係する事件に協力したり、紗名の戸籍の捏造などを請け負った。
一条 雫(いちじょう しずく)
声 - 小清水亜美内閣情報調査室特務機動B班所属。26歳。小学校教諭免許所持。アリスの夢の女性で、その能力・トランプは「アニメに登場したメイドさんのキャラクターの能力」。666の武器と13の魔法書を使うことができる。基本1人1つのトランプしか持たない中、複数の能力を持っているに等しい力を有する。高校2年の冬、夜中にアニメをつけっぱなしにして寝ていたところ、能力が発現した。能力のせいで周りから避けられ、部署内では腫物扱いを受けていることなどから友人が少ない。紗名が学校に行くまでは彼女の家庭教師をしており、彼女と触れ合う時間を楽しんでいた。アリスの夢の能力は番号と術式で使い分けており、本人曰く、番号の1桁台は手加減が効かないものらしい。また1桁台を使う際はメイド衣装に変身する。
山田 のり子(やまだ のりこ)
声 - 広瀬ゆうき一条の後輩で天才ハッカー。ただし、もとは一条のストーカー。山田のり子特製 汎地球 一条先パイ探知システム・改という珍妙な名前のアリスの夢居場所特定システムを一人で作り上げる天才。ただし、一条への熱が強すぎるせいで周りからは呆れられている。羽鳥の下へ訪ねた際は5回も彼女の能力の餌食になっていた。赤の王が顕現した際は一条と連絡を取り合い、ワンダーランド内の様子を探って問題解決に努めたり、一条との連絡が途絶えた後は救助隊に適切なアドバイスを送っていた。
紗名の友達
雛霧 あさひ(ひなぎり あさひ)、雛霧 よなが(ひなぎり よなが)
声 -
藤原夏海(あさひ)、鬼頭明里(よなが)紗名に初めて出来た友達。双子で二人ともアリスの夢。姉・あさひは縦ロールのツインテール、妹・よながはポニーテール。はじめは、研究所から脱走した紗名を追っていた。研究所閉鎖後は横須賀にあるアメリカの学校に通い、寮で暮らしている。あさひは美術部、よなががバドミントン部に所属。あさひの持つトランプは「鎖の付いたものならどんなものでも呼び出せる」能力で、よながの持つトランプは「弓矢を放つことができる」能力。かつては自分たちのどちらが姉で妹かも区別があいまいだった。とある出来事がきっかけで能力が発現し、その後、研究所に入る際に職員から区別できるポイントを聞かれた際、鏡の門の形状をもとに自分が姉か妹か区別し、キッパリ言い切った。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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