アラメ
[Wikipedia|▼Menu]

アラメ
アラメ
分類

ドメイン:真核生物 Eukaryota
階級なし:ディアフォレティケス Diaphoretickes
階級なし:SARスーパーグループ
SAR supergroup
階級なし:ストラメノパイル Stramenopiles
:オクロ植物門 Ochrophyta
:褐藻綱 Phaeophyceae
:コンブ目 Laminariales
:コンブ科 Laminariaceae
:アラメ属 Eisenia
:アラメ E. bicyclis

学名
Eisenia bicyclis (Kjellman) Setchell, 1905[1][2]
シノニム


Ecklonia bicyclis Kjellman, 1885[1]

Eisenia arborea f. bicyclis (Kjellman) Yendo, 1902[1]

?Ecklonia wrightii Harvey1860[1]

和名
アラメ、マタカジメ[3]、カジメ[3][注 1]、シワアラメ[3]、ヒトツバ[3]、チリメンアラメ[3]、チリメン[3]

アラメ(荒布[3][4][5]、滑海藻[3][4]学名: Eisenia bicyclis)は、コンブ目コンブ科[注 2]アラメ属に属する大型の褐藻の1種である。根のような付着器で岩に付着し、1本の茎(茎状部)の先端は2年目以降に二叉に分かれ、多数の葉(葉状部)をつける。多年生であり大きなものは高さ1?3メートルになる。葉の表面にはシワがあり、側葉が分岐して二次側葉をつける。太平洋岸では東北地方から伊豆半島日本海岸では山陰地方から九州および韓国の一部に分布し、低潮線付近で大規模な藻場(海中林)を形成する。ときに食用とされる。

日本産のアラメ属藻類には他に静岡県西部から四国東部に分布するサガラメ(相良布[3][4]、学名: Eisenia nipponica[注 3])があり、サガラメは側葉が分岐せず二次側葉を欠く点でアラメと異なる。アラメとサガラメ、さらにカジメ属のカジメクロメツルアラメなどはしばしば混同され、これらの褐藻も"アラメ"の名で食用とされることがある。
特徴

複相 (染色体を2セットもつ) で大きな胞子体と単相 (染色体を1セットもつ) で微小な配偶体の間で異型世代交代を行う[9]

胞子体は叉状分岐する付着器とそこから伸びる茎(茎状部)、およびその先端についた葉(葉状部)からなり、多年生(4?6年)で大きくなると高さ1?3メートルに達する[9][4][5][10]。1年目の胞子体では、付着器から短い茎が伸びており、その先に1枚の笹の葉状の葉がつく[4][10]。2年目以降は茎の先端が2叉に分岐し、それぞれ多数の側葉がついた形になる[4][5][10]。側葉の両縁にはふつ2次側葉が形成され、またときに鋸歯がある[4][10]。茎の二叉部はやや扁平で内側にねじれている[10]。茎は生長すると直径2-3センチメートル、胞子体全体は長さ1?3メートルになる[4][9][10]。葉は暗黄褐色から暗褐色、乾燥すると黒色、革質でふつうシワがある[4][9][10]。葉と茎には粘液腔道がある[10]。胞子体の成長期は春から初夏にかけてである[3]

アラメ属の種は、茎の先端が二叉に分かれることでカジメ属(カジメクロメツルアラメなど)とは区別される。同属の類似種であるサガラメ(Eisenia nipponica[注 3])は二次側葉が形成されない(側葉が分岐しない)点でアラメとは異なる[4][10]

秋から冬にかけて、葉の表面に多数の遊走子嚢(単子嚢)がつくられて子嚢斑を形成し、遊走子嚢内で減数分裂を経て遊走子を放出する[9]遊走子は2本鞭毛性、岩などに着生して雄性または雌性の配偶体へと発生する[9]。配偶体は微小な糸状体であり、雄性配偶体は造精器から精子を生じ、雌性配偶体は生卵器でを形成する[9]。生卵器から半分抜け出た卵が精子と受精し、受精卵は胞子体へと発生する[9]
分布・生態

本州太平洋岸の北部から中部 (牡鹿半島から伊豆半島) と日本海沿岸南部 (山陰地方から九州北岸)、済州島に分布する[2][3][9][10][11]

岩礁域の潮間帯下部から潮下帯上部(水深0?5メートル)に生育し、大きな群落 (藻場、海中林) を形成する[3][5][9][10]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:65 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef