アラニントランスアミナーゼ
識別子
EC番号2.6.1.2
検索
PMCarticles
PubMedarticles
NCBIproteins
テンプレートを表示
アラニントランスアミナーゼ
識別子
略号GPT
Entrez(英語版)2875
HUGO4552
OMIM138200
RefSeqNM_005309
UniProtP24298
他のデータ
EC番号
(KEGG)2.6.1.2
遺伝子座Chr. 8 q24.2-qter
テンプレートを表示
アラニンアミノ基転移酵素(アラニンアミノきてんいこうそ、Alanine transaminase, ALT, EC 2.6.1.2)は、GPT(Glutamic Pyruvic Transaminase、グルタミン酸ピルビン酸転移酵素)とも呼ばれ、ピルビン酸とグルタミン酸をアラニンとα-ケトグルタル酸に相互変換する酵素である。
人体のほとんどの組織に含まれているが、なかでも肝細胞への分布が圧倒的に多い。そのため、肝細胞の破壊(あるいは細胞膜の透過性亢進)の際には血中濃度が上昇する(逸脱酵素)。 逸脱酵素としての性質から、血清中のALT濃度は肝障害の程度の指標として利用される。肝細胞が破壊し尽くされるとむしろ流出量は低下する。肝臓の逸脱酵素としてALTとともに知られるAST(GOT)よりも特異性が高い(肝臓以外の障害では上がりにくい)が、ASTとの比率も臨床的に意義がある。 単位は IU/l(国際単位/l)で示され、5-40程度が基準値となる。51以上になると精密検査が必要と判定され、医療機関への受診が強く推奨される(特に100以上の場合は早急な受診が必要である)。ただし、基準値内であれば「正常である」ということはできない。なお、基準値が検査機関や医療機関ごとに異なっていることに関し、施設間の差を無くす必要があると指摘されている[1]。 正常ではALTの方が高めの数値を示していることが多い。肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝腫瘍などの肝疾患ではAST、ALTの上昇が特徴的であり、100以上、ときに500以上を示す。なかでも、アルコール性肝炎や肝硬変、肝腫瘍ではASTの上昇が目立ち、ウイルス性肝炎や脂肪肝ではALTの上昇が目立つとされている。しかし、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)では、有意な上昇を経ずに肝臓ガンを発症していることもある[2]。一方、30U/L超は異常と判断すべきであると米国肝臓学会のNAFLD/NASHガイドラインで指摘されている[3]。
臨床検査におけるALT
基準値
異常値
脚注[脚注の使い方]^ 岡上武, 水野雅之, 「肝機能検査、肝障害について─健診における問題点
^ 医師なら必ずNAFLDに遭遇する…では見逃さないコツは?
^ いつの間にか進む肝線維化例を拾い上げよ 第59回日本肝臓学会総会会長の?治仁志氏(奈良県立医科大学主任教授)に聞く 日経メディカル 2023/6/19
関連項目
臨床検査 - 血液検査
外部リンク
Alanine transaminase - MeSH・アメリカ国立医学図書館・生命科学用語シソーラス(英語)
⇒ALT: MedlinePlus Medical Encyclopedia
表
話
編
歴
炭水化物代謝: 解糖系/糖新生の酵素
解糖系
グルコキナーゼ/ヘキソキナーゼ/グルコース-6-ホスファターゼ
グルコース-6-リン酸イソメラーゼ
6-ホスホフルクトキナーゼ/フルクトースビスホスファターゼ
フルクトースビスリン酸アルドラーゼ
トリオースリン酸イソメラーゼ
グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ
ホスホグリセリン酸キナーゼ
ホスホグリセリン酸ムターゼ
ホスホピルビン酸ヒドラターゼ
ピルビン酸キナーゼ
糖新生のみの酵素
ピルビン酸カルボキシラーゼ
ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ
乳酸(コリ回路)
L-乳酸デヒドロゲナーゼ
アラニン(グルコース-アラニン回路)
アラニントランスアミナーゼ
調節
6-ホスホフルクト-2-キナーゼ/フルクトース-2,6-ビスホスファターゼ
ビスホスホグリセリン酸ムターゼ