アラドヴァル
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ルー(Lugh、古期アイルランド語ではルグ[Lug])は、ケルト神話太陽神(光の神)[1]。アイルランド伝承文学ではトゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の一人で、長腕のルー[2]のあだ名で知られる。

工芸・武術・詩吟・古史・医術・魔術など全技能に秀で、サウィルダーナハ(Samildanach、「百芸に通じた」の意)や[3][4]、あるいはイルダーナハ(Ildanach、「諸芸の達人」)とあだ名されている[5][注 1]。ドルドナ(Dul-Dauna)は、民話によるその訛り[6][注 2]。こうした彼の万能性からカエサルガリア戦記の中でメルクリウスと呼んだガリアの神と同一視する学者もある[7]
概要.mw-parser-output .sidebar{width:auto;float:right;clear:right;margin:0.5em 0 1em 1em;background:#f8f9fa;border:1px solid #aaa;padding:0.2em;text-align:center;line-height:1.4em;font-size:88%;border-collapse:collapse;display:table}body.skin-minerva .mw-parser-output .sidebar{display:table!important;float:right!important;margin:0.5em 0 1em 1em!important}.mw-parser-output .sidebar-subgroup{width:100%;margin:0;border-spacing:0}.mw-parser-output .sidebar-left{float:left;clear:left;margin:0.5em 1em 1em 0}.mw-parser-output .sidebar-none{float:none;clear:both;margin:0.5em 1em 1em 0}.mw-parser-output .sidebar-outer-title{padding:0 0.4em 0.2em;font-size:125%;line-height:1.2em;font-weight:bold}.mw-parser-output .sidebar-top-image{padding:0.4em}.mw-parser-output .sidebar-top-caption,.mw-parser-output .sidebar-pretitle-with-top-image,.mw-parser-output .sidebar-caption{padding:0.2em 0.4em 0;line-height:1.2em}.mw-parser-output .sidebar-pretitle{padding:0.4em 0.4em 0;line-height:1.2em}.mw-parser-output .sidebar-title,.mw-parser-output .sidebar-title-with-pretitle{padding:0.2em 0.8em;font-size:145%;line-height:1.2em}.mw-parser-output .sidebar-title-with-pretitle{padding:0 0.4em}.mw-parser-output .sidebar-image{padding:0.2em 0.4em 0.4em}.mw-parser-output .sidebar-heading{padding:0.1em 0.4em}.mw-parser-output .sidebar-content{padding:0 0.5em 0.4em}.mw-parser-output .sidebar-content-with-subgroup{padding:0.1em 0.4em 0.2em}.mw-parser-output .sidebar-above,.mw-parser-output .sidebar-below{padding:0.3em 0.8em;font-weight:bold}.mw-parser-output .sidebar-collapse .sidebar-above,.mw-parser-output .sidebar-collapse .sidebar-below{border-top:1px solid #aaa;border-bottom:1px solid #aaa}.mw-parser-output .sidebar-navbar{text-align:right;font-size:75%;padding:0 0.4em 0.4em}.mw-parser-output .sidebar-list-title{padding:0 0.4em;text-align:left;font-weight:bold;line-height:1.6em;font-size:105%}.mw-parser-output .sidebar-list-title-c{padding:0 0.4em;text-align:center;margin:0 3.3em}@media(max-width:720px){body.mediawiki .mw-parser-output .sidebar{width:100%!important;clear:both;float:none!important;margin-left:0!important;margin-right:0!important}}

ルーの家系図

   ディアン・ケヒト   バロール 

                

   キアン   エスリン
(エスリウ/エスニウ)    
    
                 

      ルー    デヒテラ(英語版)/デヒティネ
     
                 

         クー・フーリン    



ルーは医術の神ディアン・ケヒトの孫であり、フォモール族の「邪眼のバロール」の孫。 父親はキアンで、母親は、エスリウ / エスニウ(英語版)。ルーは、英雄クー・フーリンの父ともされる。
神話物語群

ルーはマグ・トゥレドの戦いで、トゥアハ・デ・ダナーン神族の側に味方して戦い、投石器の石を放って、祖父にあたるフォモール族の「邪眼のバロール」を討ち取ったと、この合戦の軍記及び『来寇の書(英語版)』に記述される[8][9][注 3]

父親のキアンは、トゥレンの子らに殺され、ルーはその賠償として魔法の槍や犬などの数々の財宝を求めた[10][11]。賠償品の槍や治癒の豚皮などは、マグ・トゥレドの戦いでルーが必要とした品々だが[12]、戦で使用した際の詳述はない。

マグ・トゥレドの戦い』の物語では、ルーは諸芸の達人サウィルダーナハと呼ばれ、自分は大工、鍛冶、強者(つわもの)、竪琴弾き、戦士、詩人で史家(語り部)、魔術師、酌杯係、金工師(鋳掛師)のすべてのだと門番に言って、中に入れてもらうエピソードがある。このあと各芸の達者と業比べをするのだが、たとえば八十基の牛枷につないだ牛たちで動かすほどの敷石をオグマが投げたのを見事投げかえしたばかりか、そのとき破損した館の破片も投げ返して元通りにした[13][注 4]
出自

古写本ではルーのことを「ルー・マク・エスリン」(エスリウの子ルー)と称す場合も(「長腕のルー」の呼称より)ある[14][15]。母親はエスリウ / エスニウなので、これは母称名ととればよいのだが、ややこしいことに、エスリウがルーの父親の別名だとする記述もある[16]

さらにはルーみずからエスリウの息子ルーと名乗る物語『幻影の予言(英語版) 』 も存在する[注 5][18][19]

ルーについて、フィルボルグ族の王妃のタルトゥ(英語版)に養われたという記述がある[20]

バロールが隠した育てた娘と、宝の牛の探求に来たキアンが恋愛し、そのときもうけた子である長腕のルーは、海神マナナーン・マクリルが育てた、あるいは鍛冶師ゴブニュの弟子となった、という設定の物語は、中世写本の神話には残っておらず、実は19世紀に集められた口承文学を根拠としている。
バロールの娘とキアンの民話

グレゴリー夫人版では、バロールのもとから豊穣の牝牛グラス・ガヴナン(?)(アイルランド語: Glas Gaibhnenn)[21]を奪い返しに行ったキアンと、バロールの娘とのあいだにルーが生まれる。
グレゴリー女史の再話は、同類の民話の二つのバージョン(魔法牛グラスの項で詳述)をたくみに合成して首尾一貫した話を作り上げている。一方の民話[22]では、キアンと名乗る一介の騎士?が、城主バラルのもとで働き、ほどなくバラルの娘に生ませた子や宝の牛を奪って逃げる。子供は、海神マナナーン・マクリルに預けて育てられ、ドルドナ (Dul Dauna) と名づけられる(これは綽名イルダーナハの転化で、長腕のルーをさす、と説明される[23])。この子が、ある日浜辺から、艦隊で通り過ぎる祖父バロールにむかって、ポケットからとりだしたダート(投げ矢)を投げつけ、これが命中してバロールは死んだ。

もう一篇の民話では、キアンのかわりにマック・キニーリーという人物が登場するが、やはり宝の牛グラス・ガヴナンにまつわる類似の民話である[24]。マック・キニーリーは、守護霊の妖精女(バンシー)の助けを借り、邪眼の盗賊バロールの牙城トーリー島(英語版)で、バロールの娘が幽閉される獄塔に忍び入り、自分の子を孕ませる。マック・キニーリーはバロールに殺されるが、生まれてきた児(≒ルー)は亡き父の兄弟、鍛冶師ガヴィダに預けられ[注 6]、その弟子として成熟する。このルーと思しき遺児は、ある日、鍛冶場に現れて槍の製作を注文したバロールから、自分の父親を殺した自慢話を聞かされ、赤熱した鉄棒でバロールの邪眼めがけて突き殺してしまう。
ルーの最期

ダグザの息子ケルマト(英語版)はルーの妻と関係を持ったことが原因でルーによって処刑される[注 7]。父親であるケルマトを失った三人の息子たちは後にルーを殺害し、復讐を果たした。
アルスター物語群

アルスター物語群『クアルンゲの牛捕り』(クーリーの牛争い)では、ルーは英雄クー・フリンの超自然的な父親として登場する。


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