スペイン語の方言については「アラゴン方言」をご覧ください。
アラゴン語
aragones, luenga aragonesa
話される国 スペイン
地域 アラゴン州
話者数1万人[1]
言語系統インド・ヨーロッパ語族
イタリック語派
ロマンス諸語
西イタロ語
アラゴン語(アラゴンご、アラゴン語:l'aragones、luenga aragonesa)は、イベリア半島のスペイン、アラゴン州で話されているロマンス語のひとつで、現在およそ1万1千人ほどの人々によって話されている。アルトアラゴン語(altoaragones、高アラゴン語)やファブラ(fabla aragonesa)とも呼ばれる。主に州北部のラ・ハセタニア(西: La Jacetania ア:A Chacetania)、アルト・ガジェゴ(西: Alto Gallego ア:Alto Galligo)、ソブラルベ(両語とも:Sobrarbe)などの地区や、リバゴルサ(Ribagorza)地区の西部などで話され、その他の地区でもスペイン語の影響を強く受けてはいるが話されている。もっとも東の変種(ベナスケ渓谷Valle de Benasque)はカタルーニャ語の特徴も見られる方言連続体となっている。非アラゴン語地区へ移住したアラゴン語話者間の言語使用についてのデータについては不明である。また、この消滅危機言語を活性化するために新たに学習した「新話者」についてのデータも不明である。 この言語のもっとも一般的で公式な名称はアラゴン語(l'aragones)で、現地においても、また国際的にもこの名称で知られる。文献学の伝統では、ナバーラ・アラゴン語
名称
ファブラ・アラゴネサ(fabla aragonesa)または単にファブラ(fabla)は20世紀の最後の四半世紀に広まった名称で、これは西部の地域変種に対して使用されていたものである。
またアルト・アラゴン語(altoaragones)とも呼ばれるが、この名称は現在主流とはなっていない[2][3]。
2013年に採択されたアラゴン言語法(スペイン語版)ではピレネーおよび沿ピレネー地域の固有アラゴン語(Lengua aragonesa propia de las areas pirenaica y prepirenaica)という語を使用している。
また、それぞれの地域においてはさまざまな変種を示す名称が使用されている。 アラゴン語の起源は8世紀にさかのぼり、ピレネー山脈でのラテン語方言の一つとして、バスク語のような言語を下層として形成された。初期のアラゴン王国(アラゴン、ソブラルベ、リバゴルサの三国からなる)は徐々に山地から南方へ拡張し、レコンキスタによってイスラム教徒をさらに南に押しやり、アラゴン語を広めた。 カタルーニャ諸国とアラゴン王国との連合により、12世紀にアラゴン連合王国が成立したが、カタルーニャとアラゴンの2地域の言語は統一されることはなかった。東ではカタルーニャ語、西ではアラゴン語が話され続けた。イスラム教徒から奪還した土地(バレアレス諸島やバレンシアの新王国)に広がっていったのは、カタルーニャ語のほうであった。アラゴン王国による南方へのレコンキスタはムルシア王国で終わり、ムルシアはハイメ1世によってアラゴン王女の持参金としてカスティーリャ王国に割譲された。 現在スペイン語と呼ばれるカスティーリャ語のこの地域への拡大と、トラスタマラ家がカスティーリャに起源を持つこととは、アラゴン語とカスティーリャ語との関係と強く結び付いており、やがてそのことはアラゴン語の暫時的な衰退をもたらすことになる。
アラゴン語の歴史