アライグマ
アライグマ Procyon lotor
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
Ursus lotor Linnaeus, 1758[1]
和名
アライグマ[2][3]
英名
Common raccoon[2]
Northern raccoon[1]
Raccoon[3]
アライグマ (洗熊、浣熊、Procyon lotor) は、哺乳綱食肉目アライグマ科アライグマ属に分類される哺乳類。アライグマ属に属する動物のうち最も広く分布している種である[4]。
原産地はメキシコ、アメリカ合衆国、カナダ[5]。これらの原産地では重要な狩猟獣となっている[5]。 アメリカ合衆国、エルサルバドル、カナダ、グアテマラ、コスタリカ、ニカラグア、パナマ北部、ベリーズ、ホンジュラス、メキシコに自然分布[1]。分布の北限は18世紀にはアメリカ合衆国南部であったが、農地の拡大等によりカナダ南部まで北上している[5]。 ヨーロッパには1930年代に毛皮獣として移入された[5]。ドイツやフランスなどのヨーロッパ諸国、旧ソ連のベラルーシやアゼルバイジャン、西インド諸島といった国々にも外来種として定着している[4][6]。 日本では1962年に岐阜県で野生化が始まったとする説があり、その後1970年代に多く輸入・飼育されるようになり、それに伴って逃亡や放獣などによる野生化が各地で発生したとみられている[5]。 頭胴長(体長)41.5 - 60センチメートル[2]。尾長20 - 40.5センチメートル[2]。体重2 - 22キログラム[2]。飼育下では体重が20 kgに達するものもいる[4]。 灰褐色の体毛をもち、眼のまわりから頬にかけて黒い斑紋がある。タヌキと誤認されることが多いが、タヌキとの違いとして長いふさふさとした尾には黒い横縞があるのが大きな特徴である[7]。また、足が黒いタヌキやニホンアナグマと比べて、アライグマの足は白っぽく、耳には白い縁取りがある[8]。さらに、クマなどと同じく、かかとをつける蹠行性(しょこうせい)という歩き方をするため、足跡は人の子供の手のような長い5本の指がくっきりとつく[7]。この特徴は、本種と他の哺乳類とを識別する重要なポイントとなる。 乳頭数は、胸部・腹部・鼠蹊部にそれぞれ1対、計6つとなり、まれに8つの乳頭をもつ個体が確認される[9]。 森林や湿地・農耕地、都市部などの、幅広い環境に生息する[3]。アメリカにおける都市部への生息範囲の拡大は顕著で、最初の都市部への定着報告は1920年代に始まり、ワシントンD.C、ニューヨーク、シカゴ、トロントなど各地の都市に拡大している[10]。夜行性[2][3]。自分で巣を掘ることはなく、他の動物が地中に掘った巣穴、木の洞、時には農家の納屋や物置などで休む[11]。 四肢に水掻きはないが泳ぐことが可能で、後ろ足で立つこともでき、木登りもうまく立体的な行動をみせる[12]。 行動圏は基本的に直径1-3キロメートルの範囲で、都市近郊に暮らす個体群は狭くなり、低い個体数密度では逆に拡大するといったように環境条件によって変化する[13][14]。オスの行動圏のほうが広く排他的で、その中に複数のメスの行動圏が共有している[15]。 寒い地方に棲む個体は気温がマイナス4度以下になると冬ごもり(半冬眠)を行う[15]。これは真の冬眠とは異なるが、活動は大きく減退する[15]。木に登るアライグマシカの死骸を食べるアライグマ 雑食性で、両生類、爬虫類、魚類、鳥類(卵)、哺乳類(死骸を含む)、昆虫類、 甲殻類、その他の無脊椎動物、植物(果実など)と非常に幅広い食性を示す。水生生物の中では、とくにザリガニ類を好む[10][13]。具体的に捕食対象となる生物は、両生類の場合はサンショウウオやカエル、昆虫を含む無脊椎動物の場合は甲虫、トンボ(幼虫・成虫とも)、バッタ、アリ、ハチ、水生カメムシ類、ミミズ、カタツムリなどで、魚類の場合はブラックバス、コイ、ナマズ、ウナギ、パイク、マスなどが挙げられる[13]。
分布
形態
眉間には黒い筋模様があり、目立つ白いひげをもつ
足跡
頭骨
生態
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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