アメリカ級強襲揚陸艦
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アメリカ級強襲揚陸艦

基本情報
艦種強襲揚陸艦 (LHA)
命名基準国名および古戦場
建造所インガルス造船所
運用者 アメリカ海軍
建造期間2009年 - 2020年(フライト0)
2019年 - 建造中(フライト1)
就役期間2014年 - 就役中(フライト0)
計画数11隻
建造数フライト0:2隻
フライト1:未定
前級ワスプ級 (LHD)
次級最新
要目
満載排水量45,570 t
全長257.3 m
最大幅32.3 m
吃水8.7 m
機関方式CODLOG方式
主機

低速機:ディーゼル発電機×6基 + 補助電動機×2基

高速機:GE LM2500+ ガスタービンエンジン×2基

推進器スクリュープロペラ×2軸
出力

低速機:10,000 hp

高速機:70,000 hp

速力最大22ノット (41 km/h)
乗員

士官65名 + 下士官兵994名

上陸部隊1,687 - 1,871名

兵装
Mk.15 20mmCIWS×2基

Mk.95 12.7mm連装機銃[1]×7基

Mk.29 8連装ミサイル発射機×2基

Mk.49 21連装ミサイル発射機×2基

搭載機#航空運用機能参照
搭載艇LCAC-1×2隻(フライト1以降)
C4ISTARSSDS Mk.2 mod.4CEC, NTDS対応)
レーダー

AN/SPS-48E 3次元式×1基

フライト1以降


AN/SPY-6(V)2 3次元式×1基

AN/SPS-49A(V)1 対空捜索用×1基

AN/SPQ-9B 低空警戒用×1基

電子戦
対抗手段
AN/SLQ-32B(V)2 電子戦装置

Mk.53 NULKA デコイ装置

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アメリカ級強襲揚陸艦(アメリカきゅうきょうしゅうようりくかん、英語: America-class amphibious assault ship)は、アメリカ海軍強襲揚陸艦の艦級。

先行するワスプ級8番艦「マキン・アイランド」をもとに、ウェルドックの廃止と引き換えに航空運用機能を強化した発展型で、2007年2012年度で1隻ずつが建造されたが、これら「フライト0」は舟艇の運用能力が低いことが問題視されたため、ウェルドックを復活させた「フライト1」が建造されることになっている[2][3]
来歴
LPHからLHA、LHDへ

アメリカ海軍では、1950年代末より、ヘリボーンを組み込んだ新しい水陸両用作戦のための揚陸艦の整備に着手し、まず1958年度よりヘリコプター揚陸艦(LPH)としてイオー・ジマ級[4]1959年度からはドック型輸送揚陸艦(LPD)としてローリー級の建造を開始した[5]

ついで、艦隊としての重装備の揚陸能力を強化するため、LPHにLPDとしての機能を付与したLHA (Landing helicopter assault) が構想され、1969年度より、タラワ級強襲揚陸艦として建造を開始した。これはあまりに高価であり、当初予定されていた9隻の建造計画は5隻に削減されたが[6]1984年度からは、LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇の運用に対応した発展型の建造が開始された。LHAの追加建造であると思われないよう、こちらは船体分類記号をLHD (Landing helicopter dock) に変更しており、ワスプ級として、まず7隻が建造された[7]
LHD-8とLHA(R)

2000年代中盤にはタラワ級の退役開始が見込まれており、艦齢延長近代化工事(SLEP)も検討されたものの、コスト的に見合わないと判定され、代艦が建造されることになった[8]。まず「タラワ」の代艦として、2002年度計画で「マキン・アイランド」(LHD-8)が建造された。同艦はワスプ級の8番艦と位置づけられているが、計画年度が大きく開いたことから、設計は大幅に改訂された[7]

続いてタラワ級2番艦以降の代艦としてLHA(R)計画が着手された。こちらはワスプ級の設計に拘泥せず、ゼロベースでの検討が実施され、様々な設計案が俎上に載せられたが[8]、2004年4月6日、「マキン・アイランド」をベースとすることが発表された。2006年1月より詳細設計が開始され、2007年6月には1番艦の設計が発注された。これによって建造されたのが本級であり、2012年5月には2番艦の設計も発注された[2]フライト1「ブーゲンビル」想像図

しかし、これら2隻の設計では舟艇の運用能力が低いことが問題になったことから、2012年には3番艦以降は大幅に設計を改訂した「フライト1」となることが決定された。2016年には、この設計による3番艦「ブーゲンビル」が発注された[9]
設計

上記の通り、計画段階では抜本的な設計変更も検討されており、ワスプ級よりも全長にして17メートル、最大幅にして3.35メートル拡大した50,000トン級の案や、これを更に拡大して上陸部隊2,000名を乗艦させられる53,000トン級の案も俎上に載せられた。また航空運用能力の強化が求められたことから、アングルド・デッキスキージャンプ勾配の採用、更には飛行甲板中央部に艦橋構造物を設け、その両舷に飛行甲板を設定して、左舷側にヘリコプターやMV-22Bのための発着スポットを、右舷側にF-35Bのための滑走レーンを設定する革新的な案も検討された[8]。しかし最終的に、コスト面の問題もあって、ワスプ級8番艦「マキン・アイランド」を発展させた設計に落ち着いており、45パーセントが共通となった[10]。ただし諸般の改正や航空燃料の搭載量の増大などの影響で、排水量は2,000トン強増加している[9]

上記の通り、ワスプ級8番艦「マキン・アイランド」の設計はワスプ級1?7番艦と比べて多くの点で改訂されているが、最大の変更点が機関であった。従来のワスプ級では蒸気タービンを搭載していたのに対し、同艦は主機関にCODLOG方式(電気ガスタービン複合推進(hybrid-electric propulsion system)とも)を搭載して就役したアメリカ軍初の艦であり、本級も同様の機関を採用している[11]


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