アメリカ大陸史
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NASAの中解像度スペクトル放射計、MODISという単一遠隔探査装置からのアメリカ大陸の画像。この装置は地球観測衛星' 搭載され地上700 km を廻っている。

アメリカ大陸史(アメリカたいりくし)では、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、さらには中央アメリカカリブ海諸国の歴史を集合的に扱う。その歴史は氷期の最盛期にアジアからこれら地域に移動してきた人々[注釈 1] に始まっている。これら人々の集団は一般に、10世紀15世紀ヨーロッパ人が来るまで「旧世界[注釈 2] からは隔絶されていたと考えられている。

今日のアメリカ大陸先住民の先祖は、北アメリカ大陸に渡ってきた狩猟採集民パレオ・インディアンである。最も受け入れられている学説に拠れば、彼等はベーリング海峡の冷たい大洋水で陸地が覆われていたベーリング地峡、すなわちベーリンギアを経由してアメリカ大陸に渡ってきたこととなっている。細石器時代の人々はマンモス、古代のバイソンおよびカリブーのような今は絶滅した巨型動物類を追っていたので、大物狩猟者とも言われている。太平洋北部海岸の氷床を伝って北アメリカ大陸に向かった人々もいる可能性がある。

初期移住者によってもたらされた文化の名残が変転して、後に北アメリカ大陸のイロコイ族や南アメリカ大陸のピラハ族のような文化を生んだ。これらの文化は後に文明に発展した。後の時代にこれらの文化は多くの場合、旧世界の文化よりも拡がっていた。発達したあるいは文明化されたと考えられる文化には、カホキアサポテカトルテカオルメカマヤアステカ、タラスコ王国(スペイン語版、英語版)(プレペチャ)、チムーおよびインカの各文明がある。
前史
南北アメリカ大陸への移動

約300万年前に鮮新世に新北区(北米)と新熱帯区(南米)の間にアメリカ大陸間大交差がおきた。

アメリカ大陸に最初に入った人々集団の到着時期については多くの議論が行われてきた。一般に最初の移動者はベーリング陸橋を渡って北アメリカ大陸に到着したアジア・ノマド(遊牧民)と考えられている。20世紀の大半で科学者達はアメリカ大陸における最初の文化がクローヴィス文化であると考え、その遺跡は13,500年前のものとされていた。

最近の考古学調査による発見によって、この移動には多くの波があり、そのうちの幾つかは紀元前4万年に遡ると言われている。チリ南部のモンテベルデ遺跡での発見は、紀元前12.500年にはすでに南アメリカ大陸南部に人間が居たことを示している。その他パレオ・インディアンの初期人工物が北アメリカ大陸でも南アメリカ大陸でも見つかってきた。放射性炭素年代測定法に拠っても、クローヴィスの遺跡とされるものよりも前と識別された幾つかの考古学遺跡については結論が出ていない[1]

科学的証拠はアメリカ大陸先住民とシベリア東部の民族とを結びつけている。アメリカ大陸の現代先住民は北アジアの民族と、諸言語血液型の分布、およびDNAのような分子データによって反映される遺伝情報で結びつけられている。学説ではエスキモーやその関連民族は別にもっと後の時代、おそらく西暦5世紀か6世紀頃に、シベリアからカナダ氷河を渡って到着していたとしている。
石器時代(紀元前8000年以前)尖頭器パレオ・インディアン」も参照

石器時代、すなわちパレオ・インディアン時代は、アメリカ大陸に人類が最初に住んだ時期と言われる最も初期の時代区分であり、後期更新世に掛かっている。この時代は「削片」石器の出現からその名が付けられている。石器特に尖頭器とスクレーパーはアメリカ大陸における最も初期の人間活動の主要な証拠として知られている。打製石器考古学者や人類学者によって文化の時代を区分するために使われている言葉である。


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