アメリカ地質調査所
United States Geological Survey (USGS)
紋章
公式ロゴ
組織の概要
設立年月日1879年3月3日 (145年前) (1879-03-03)
管轄 アメリカ合衆国
本部所在地バージニア州レストン
.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯38度56分49秒 西経77度22分03秒 / 北緯38.9470度 西経77.3675度 / 38.9470; -77.3675
アメリカ地質調査所(アメリカちしつちょうさしょ、英語: United States Geological Survey、略称: USGS)は、アメリカ合衆国政府の科学的研究機関の一つ。USGSの科学者らは、水文学、生物学、地質学、地理学の4つの主要な科学分野について、アメリカ合衆国のランドスケープ(景観)、天然資源、および同国を脅かし得るナチュラル・ハザード(危機的な自然現象)を対象とする調査・研究を行う。また、同国の地形図および地質図の作成業務も担っている。USGSは規制上の監督責任を伴わない事実調査研究機関である。
USGSはアメリカ合衆国内務省が所管する、同省で唯一の科学的研究機関である。本部は首都ワシントンD.C.郊外のバージニア州レストンに所在し、約9,000人の職員が雇用されている[1]。また、コロラド州レイクウッドとカリフォルニア州メンローパークにも主要拠点がある。
USGSの現在の標語は、1997年8月より使用されているもので、 science for a changing world である[3][4]。以前のスローガンは、創立100周年の際に採用されたもので、 Earth Science in the Public Service であった[5]。
プログラムUSGS本部庁舎(バージニア州レストン)USGSの水位観測所 03221000 (オハイオ州ダブリン付近のサイオト川)
2012年以来、USGSでは (1) 気候と土地利用の変化 (2) 中核的科学システム (3) 生態系(4) エネルギー・鉱物および環境保健 (5) ナチュラル・ハザード(危機的な自然現象) (6) 水資源の6つの任務領域 (Mission Areas) に科学研究の重点を置いて、その任務に取り組んできた[6]。2012年12月、USGSはエネルギー・鉱物および環境保健の任務領域を、それぞれエネルギー・鉱物と環境保健の2領域に分割し、7つの任務領域とした。組織管理上は、本部ユニットと6つの地域ユニットに区分される[7]。
その他の特定のプログラムには以下のものが含まれる。
地震ハザードプログラム(英語版)[8]: 世界中の地震活動を監視する。コロラド州ゴールデンのコロラド鉱山大学キャンパス内にある国立地震情報センター(英語版) (NEIC) は、全地球で発生する地震の発生場所およびその規模を探知する。USGSは、先進全米地震システム(英語版) (ANSS) の傘下にある、合衆国内の幾つかの地域的な地震監視網も運営または支援している[9]。特に重大な地震に関しては、国内外の地震関係当局や緊急時対応当局、メディア、公衆に対して、情報を提供する。また、科学および工学の研究のために、地震動データの長期的なアーカイブを維持・管理しているほか、地震災害の発生危険度に関する長期評価の調査と報告も実施および支援している。USGSはカリフォルニア州の地震予測 (UCERF3) も発表している。
火山ハザードプログラム[10]: 合衆国領内にある169の火山(英語版)を監視する観測機器を改良し、各地で起こる火山活動に関連する脅威を測定するための方法を確立することにより、国家火山早期警戒システム(英語版) (National Volcano Early Warning System, NVEWS) を構築している。
国家地磁気プログラム[11]: 幾つかの地磁気観測所で磁場を監視し、磁力計の地磁気データをリアルタイムで配信している。
大陸的視点から様々な環境問題を描き出し、それを追跡するために使用される北米環境アトラス(英語版)を作成するために、環境協力委員会(英語版)と共に、カナダとメキシコの政府系科学者らと協働している。
7400箇所以上の水位計測所で以て、合衆国の水位観測網を運用している。リアルタイムの流量データ[12]はオンラインで利用可能である。
国立気候変動・野生動物科学センター (National Climate Change and Wildlife Science Center, NCCWSC)[13]は、支援者側に主導される科学を実践して、過去および現在の土地利用の変化に関する理解を深め、関連性のある気候と土地利用の予測を発展させ、局地から地球規模までの変化がもたらす悪影響に対して最も脆弱な土地、資源および地域社会を明らかにする[14]。
1962年以来、USGSの天体地質学研究プログラム(英語版)は、地球、月、惑星の探査および地図製作に携わっている。地球物理学のみならず、NASAとの共同による惑星物理学の研究も盛んに行われ、サーベイヤー計画やアポロ計画などで得られたデータを基にした月面図(月の地図)や、バイキング計画などで得られたデータを基にした火星図(火星の地図)などを作成している[15]。
スタンフォード大学と共同で、世界有数の[要出典][16]U-(Th)-Pb系の地質年代測定、並びに諸鉱物及びその他の地球物質の痕跡元素分析のための分析設備を持つ、イオンマイクロプローブ研究所 (USGS-Stanford Ion Microprobe Laboratory) を運用している[17]。
数々の水関連プログラムを運用しており、特に、流量情報プログラム (National Streamflow Information Program) [18]と水質評価プログラム (National Water-Quality Assessment Program) [19]が著名である。USGSの水関連データは、水情報システム (National Water Information System) のデータベースより、公開されている[20]。
USGSは国立野生動物保健センター(英語版) (NWHC) を運営している。NWHCの任務は「健全な科学技術の支援を提供することにより、国とその天然資源を供すること、及び野生動物と生態系の健康に影響を及ぼす科学的基礎に基づく決定を促進するために情報を普及させること。国家及び国際的な野生動物の保健に係る問題に関する情報、技術的援助、研究、教育及び指導力を提供すること。