アメリカ国家技術賞
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アメリカ国家技術賞

受賞対象アメリカの経済・環境・社会への傑出した貢献となった、技術的製品の開発・商品化、プロセスや概念の発明、技術革新、アメリカの技術系人材の開発を表彰する。[1]
会場ワシントンD.C.
アメリカ合衆国
主催アメリカ合衆国大統領
初回1985年
最新回2022年
公式サイト ⇒http://www.uspto.gov/about/nmti/index.jsp

アメリカ国家技術賞(アメリカこっかぎじゅつしょう、National Medal of Technology and Innovation)は、革新的で重要な技術の開発に多大な貢献をした発明家に対してアメリカ合衆国大統領から授与される賞。この賞は特定の人物、グループ、企業や組織に対して贈られるものである。技術分野ではアメリカ合衆国で最高の栄誉とされている。

かつては National Medal of Technology という呼称だったためアメリカ国家技術賞と呼ばれているが、現在の正式名称に合わせてアメリカ国家技術・イノベーション賞と呼ぶこともある。
歴史

アメリカ国家技術賞は1980年アメリカ合衆国議会で Stevenson-Wylder Technology Innovation Act(国際社会でのアメリカの技術競争力強化を図る超党派の法案)の一部として創設された。最初の賞は1985年、当時の大統領ロナルド・レーガンから14の個人や企業に授与された[2]。その中にはApple Computer創業者のスティーブ・ジョブズスティーブ・ウォズニアック、技術革新を牽引してきたベル研究所などが含まれている。その後、賞は毎年授与されている。

2007年8月9日、関連する法律が改正され、名称も National Medal of Technology and Innovation に変更された[1]
受賞プロセスアメリカ国家技術賞を受賞するラルフ・ベア

アメリカ合衆国商務省技術局は、毎年アメリカ国家技術賞の候補者を選出する。候補者はその業績などを直接知る者の推薦による。候補者は個人、グループ(4人まで)、企業および組織のいずれかである。個人やグループの場合、アメリカ市民でなければならない。企業や組織の場合、その50%以上がアメリカ市民の所有になっていなければならない。

全候補者はアメリカ国家技術賞選出委員会で審査され、アメリカ合衆国商務長官に勧告を発行する。また、最終候補者に対してはFBIセキュリティチェックを行い、その結果が最終選考で考慮されることがある。商務長官は大統領に受賞対象者を推薦する。その後、新たな受賞者が大統領の名前で発表される。
過去の受賞者

2005年現在、135人以上の個人と12社の企業が受賞している。以下に「著名な」受賞者を一部抜粋し、その受賞理由を示す。

年名前受賞理由
1985年
スティーブ・ジョブズ
スティーブ・ウォズニアックパーソナルコンピュータの開発に対して
フレデリック・ブルックス
エーリヒ・ブロッホ
ボブ・O・エバンズデータ処理に革新をもたらした IBM System/360 開発への貢献に対して
1986年ウィリアム・ノリスマイクロエレクトロニクスとコンピュータ技術発展への貢献に対して(CDC創業)
1987年ロバート・ノイス半導体集積回路分野での数々の発明に対して(インテル創業)
W・エドワーズ・デミング生産工程の統計的管理手法の推進と生産性向上のための経営哲学の提唱に対して
1988年アーノルド・ベックマン分析器や計測器の設計(分光測色法)における特筆すべき独創性に対して
デビッド・パッカード産業界や政治、特に技術関連の広範囲な領域における並外れた無欲のリーダーシップに対して(ヒューレット・パッカード創業)
レイモンド・ダマディアン
ポール・ラウターバー核磁気共鳴画像法の考案・開発への貢献に対して
ロバート・デナード現代のコンピュータでほぼ普遍的に使われているDRAMの発明に対して
ハロルド・ユージン・エジャートンストロボスコープの発明とその様々な用途を発見したことに対して
エドウィン・H・ランドインスタントカメラの発明・開発・販売に対して(ポラロイド創業)
1989年ジェイ・フォレスター
ロバート・エヴァレットリアルタイム・コンピュータ技術とその応用についての貢献に対して
ハーバート・ボイヤー
スタンリー・ノーマン・コーエン遺伝子スプライシング技術の発明および、組換えDNA技術の発見に対して
1990年ジョン・アタナソフ電気式デジタルコンピュータの発明に対して
ゴードン・ムーア大規模メモリマイクロプロセッサにおける独創的リーダーシップに対して(インテル創業)
デュポン高機能高分子化合物(ナイロンネオプレンテフロン)の先駆的開発と商用化に対して、および合成繊維・フィルム・プラスチックなどを生産することでアメリカの競争力を高め人類全体に貢献したことに対して
ジャック・キルビー集積回路およびサーマルプリンターの発明と実用化への貢献、集積回路を使った初期のコンピュータ開発への貢献、電卓ゲートアレイの発明に対して
マーヴィン・カムラス磁気記録の開発と実用化に対して
ウィルソン・グレートバッチ200万人以上の命を救った植込み型心臓ペースメーカーの発明、開発、臨床使用への導入に対して
1991年グレース・ホッパープログラミング言語開発における先駆的貢献に対して
ゴードン・ベルミニコンピュータの長年にわたる設計に対して
ジョン・コックRISCアーキテクチャの開発と実装に対して
ロバート・ガルビンモトローラにおける継続的な技術革新を主導して同社を世界的エレクトロニクス企業に育て上げ、アメリカのエレクトロニクス産業の発展に貢献したことに対して
ジョン・スタップ自動車をはじめとする様々な乗り物について、衝突時の乗員の生命を守る安全技術を確立する研究に対して
フレデリック・マッキンリー・ジョーンズ食品やその他の生鮮食品の保存と流通に革命をもたらした冷蔵技術の開発に対して


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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