アメリカ合衆国領土の変遷(アメリカがっしゅうこくりょうどのへんせん、英:Territorial evolution of the United States)は、アメリカ合衆国の内外境界の変更、さらにはその状態と改名を含む変遷の一覧である。領土の図には最終的にアメリカ合衆国の一部となった周辺地域も示す。各段階ごとに地図があり、その時にどのような具体的変化があったかを示す。
1783年のパリ条約で独立を達成した後のアメリカ合衆国は西方に拡張し、その境界を7度広げたが、イギリスとスペインの植民地との間にそれぞれ1回の大きな国境調整があり、また数度の小さな論争があった。最初の13州が50州にまで成長し、その大半は準州として始まって州に昇格した。この成長の一般的なやり方は、領土の拡大、新規獲得領地から準州の成立、これら準州の境界修正、そして最後の州昇格という過程を通った。ネバダ州とミズーリ州の2州は州になってから大きくなり、ジョージア州、マサチューセッツ州、ノースカロライナ州、テキサス州およびバージニア州の5州は新しい州を創設するために小さくなった。
一般的な注釈
本一覧には、未編入領域および自由連合盟約の下にある国を含めない。「未編入」領域と「編入」領域の間の本質的違いは、編入領域が永久にアメリカ合衆国憲法の司法権下にあると考えられるのに対し、未編入領域は独立する可能性があるということである。未編入領域には以下の地域がある。
自由連合盟約下の国:マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、パラオ
自治的未編入領域:グアム、アメリカ領ヴァージン諸島
コモンウェルス (米国自治連邦区)、未編入自治領域の別形態:北マリアナ諸島、プエルトリコ(幾つかの州で使われる「コモンウェルス」とは異なる形態である)
アメリカ領サモア、非自治であるが、憲法と自治政府を持ち自治領域と似通った機能を果たしている。
合衆国領有小離島、無人、非自治、およびパルミラ環礁を除き未編入領域
ライン諸島、パナマ運河地帯、フィリピン自治領およびフェニックス諸島の元未編入領域
太平洋諸島信託領域、国際連合の信託統治が第二次世界大戦後にアメリカ合衆国に認められた。その後分割され、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、北マリアナ諸島およびパラオになった。
「非自治的領域 (unorganized territory)」は名称ではなく、アメリカ合衆国議会が当該領域に対して自治法(権限付与法)を成立させていないことを単に意味している。大半の場合、非自治的領域の目的はアメリカ州の先住民族が定着するための土地として使うことだった。後に、正式名ではなかったが、アメリカ本土内で最後まで残った非自治的領域は「インディアン準州」と呼ばれたほどである。アメリカ合衆国が獲得した最後の領土、すなわちアラスカ州、ハワイ州およびメキシコ割譲地は編入時には自治法の無い(非自治的)領域で始まったが、単純にまだ自治化されていなかっただけのことであり、先住民族のために取っておくものではなかった。パルミラ環礁はアメリカ合衆国領域に残る唯一の「非自治的編入領域」である。
下に示す地図上、境界の点線は、現在のアメリカ合衆国国境に限定されるために、その地域が地図上で十分に示されない一部であることを示す。例外はオレゴン・カントリーであり、地図の領域を超えて共同管理された。
現在でもいくつかの境界紛争があり、また、アメリカ合衆国史初期からの境界には明確でないものが多い。例えば、西フロリダと東フロリダの境界は明確になっていない。単純化のために、本一覧では当初境界とされていたアパラチコラ川を採用しているが、後年の地図では西のペルディド川を境界とするものも多い。これはフロリダ自治法(権限付与法)が制定された際、その定義領域に西フロリダと東フロリダ双方の一部を含んでいたことが関わっている。境界がペルディド川であれば、フロリダ準州は既にルイジアナ、ミシシッピおよびアラバマに分割されていた西フロリダの如何なる部分も含むことは無かったことになる[1]。
下記の幾つかの小さな変更も一覧に含まれているが、地図には反映されていない。
南北戦争終了時、バージニア州からウェストバージニア州に2郡が移管されたこと