アメリカ合衆国のワイン(アメリカがっしゅうこくのワイン)では、アメリカ合衆国で生産されるワインについて述べる。 アメリカ合衆国はフランス、イタリア、スペインに次ぐ世界第4位のワイン生産国である。生産量の8割をカリフォルニア州が占め、次いでワシントン州、ニューヨーク州、オレゴン州でも量は少ないが良質ワインを産出している。 サンフランシスコを中心とする北部太平洋沿岸地域は、ヨーロッパの名醸地と似た気温で知名度の高い産地が多く、ナパ・バレー
概要
赤ではナパ、白ではソノマなどが質の高さを誇るが、カリフォルニアの産出量の12パーセント程度と稀少である。ロサンゼルス、サンディエゴの付近の南部太平洋沿岸地域は温暖な気候で、中等級のワインが多く見られる。内陸部の広大なセントラルバレー地域は気温も高く、消費の主体となるテーブルワインが多く作られる。
フランスにおけるアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(AOC)のような保護原産地呼称は定められていないが、地理的表示(GI)のアメリカぶどう栽培地域(英語版)(AVA)が定められている。
歴史、ロトゥンディフォリア種、ヴルピナ種、アムレンシス種などのブドウが自生しており、アメリカ合衆国最初期のワインはこれら野生種を利用して作られた。しかし、北米土着のブドウから作られたワインはヨーロッパのワイン用ブドウであるヴィニフェラ種から作られたワインとは風味が異なり、入植者に好まれなかったため、17世紀にフランスからヴィニフェラ種を導入する試みが度々なされた。1683年、ウィリアム・ペンがペンシルベニア植民地で作付けしたフランス産のブドウがラブルスカ種と交雑して後にアレクサンダー種と呼ばれる雑種のブドウが生まれ、東海岸のワイン用ブドウの主力品種となった。
カリフォルニアでは、1769年にフランシスコ会宣教師フニペロ・セラがサンディエゴ付近に初めてブドウ園とワイン醸造所を作り、1805年頃には北のソノマにもワイン用ブドウが植えられた。宣教師たちの育てたブドウはスペイン系のヴィニフェラ種の一種でミッション種またはクリオージャと呼ばれ、それから作られたワインの品質は高くはなかった。1831年にフランスから入植したジャン=ルイ・ヴィーニュらによってより良質のヴィニフェラ種が導入された。 各地域の主なAVAを下記に記す。 及び詳細は「ワインカントリー (カリフォルニア州)」を参照
主な産地
カリフォルニア州のAVA詳細は「カリフォルニアワイン」を参照
中部海岸AVA
サンフランシスコ・ベイエリアからロサンゼルス盆地までの太平洋岸の地域モントレー郡、サンタクララ郡、リバモア・ヴァレーサンルイスオビスポ郡、サンタバーバラ郡
セントラル・ヴァレー
クラマス山地
北部海岸AVA
サンフランシスコより北の太平洋岸の地域ナパ郡、ソノマ郡、メンドシーノ郡、レイク郡
シエラ山麓AVA
シエラネバダ山脈の西麓地域
南部海岸AVA
サンディエゴ近辺の地域
オレゴン州のAVA詳細は「オレゴン・ワイン」を参照
オレゴン州のAVA認定地域は次の通りである。いくつかの地域はワシントン州にまたがっている。
アップルゲート・ヴァレーAVA
アンプクア・ヴァレーAVA
ウィラメット・ヴァレーAVA(ダンディ・ヒルズAVA、マクミンヴィルAVA、ヤムヒル・カールトンAVA)
オレゴン州最大のブドウ栽培地域。オレゴン州のワイナリーの3分の2を占める。
コロンビア・ヴァレーAVA
コロンビア・ゴージAVA
サザン・オレゴンAVA
ローグ・ヴァレーAVA