United States Cyber Command
アメリカサイバー軍のエンブレム
活動期間2009年?現在
国籍アメリカ合衆国
兵科統合軍 (unified command)
任務サイバー空間防衛
基地メリーランド州フォート・ジョージ・G・ミード陸軍基地
アメリカサイバー軍(アメリカサイバーぐん、United States Cyber Command; USCYBERCOM)は、アメリカ軍のサイバー戦を担当する統合軍である。 統合軍隷下に置かれる副統合軍(sub-unified command)の一つとして創設され、指揮系統としては戦略軍の下に属していた。 サイバー軍は、戦略軍隷下に置かれていた地球規模ネットワーク作戦担当統合タスクフォース
概要
2018年5月4日、統合軍に格上げされた[3]。 2022年ロシアのウクライナ侵攻に対して、ポール・ナカソネ司令官兼アメリカ国家安全保障局(NSA)長官は、ウクライナを支援するためロシア連邦に対して「攻撃」と防衛、情報収集を含む一連の作戦を実施した述べたインタビューを英国Sky Newsテレビが同年6月1日に放映した[4]。作戦はアメリカ合衆国国防総省による文民統制下で合法的に実施されと説明し、ホワイトハウス報道官カリーヌ・ジャン=ピエールは同日、ロシアとの直接的な軍事衝突を避ける米国の従来方針に反するのではないかとの記者会見での質問に「我々はそのようには考えていない」と述べた[5]。米軍がサイバー攻撃の実施を認めたのはこれが初めてとされる[5]。 2010年5月21日付で公表されたUSCYBERCOMに関するファクト・シート(概況報告書)によれば[注 1]、USCYBERCOMの任務は以下のように規定されている。"USCYBERCOM plans, coordinates, integrates, synchronizes and conducts activities to: direct the operations and defense of specified Department of Defense information networks and; prepare to, and when directed, conduct full spectrum military cyberspace operations in order to enable actions in all domains, ensure US/Allied freedom of action in cyberspace and deny the same to our adversaries." ? 英語原文。 [6]USCYBERCOMは、国防総省の特定の情報ネットワークに関する作戦・防衛活動の指揮や、またその指揮時において、全てのドメイン活動を可能とし、合衆国とその同盟国のサイバー空間における活動の自由を確保・保証すると共に、(合衆国とその同盟国に対する)敵対者については同種の活動・自由(サイバー空間における活動や、活動の自由)を阻止することを目的とする全範囲的な軍事的サイバー空間作戦を展開するために必要な準備活動に関連するあらゆる活動を計画・調整・統合し、同期させ、遂行する。 ? 上掲の英語原文の翻訳。翻訳および括弧内補記は引用者による。 [7] USCYBERCOMのエンブレムの、内側の金色の輪には “9ec4c12949a4f31474f299058ce2b22a” という32文字のテキストが描かれているが、この32文字のテキストは上掲の任務規定を、ハッシュ関数の一種であるMD5ハッシュを用いて出力した値である[8]。 USCYBERCOMの各構成部隊は、例えば(敵対国・敵対者の)コンピュータネットワークを破壊する任務や、敵対国・敵対者のコンピュータに侵入し、データを盗んだり操作する任務(いわゆるクラッキング)、(敵対国・敵対国の)管理システム系統を制圧する任務など、種々のコンピュータネットワークアタック(CNA, 日本語的に言えばコンピュータネットワークに対する攻撃)を担当する。 2009年6月23日、ロバート・ゲーツ国防長官は、従来からサイバー作戦・防衛任務を担っていた戦略軍の当時の司令官、ケヴィン・P・チルトン USCYBERCOMの任務は、国防総省に関係するあらゆる範囲のサイバー空間作戦を融合させると共に、上掲の任務規定にも示されている以下の4つの主要任務
「実戦」への投入
任務
設立の経緯
国防総省の特定の情報ネットワークに対する日々の防衛・保護活動を指揮する。
軍事作戦に(サイバー上の)支援を付与することにより、国防総省と連携する。
国防総省の特定の情報ネットワークに関連する(日々の防衛・保護活動とは異なる)作戦・防衛活動を指揮する。
国防総省の特定の情報ネットワークに関連する(日々の防衛・保護活動とは異なる)作戦・防衛活動の際に、全範囲的な軍事的サイバー空間作戦を展開することができるよう必要な準備を行う。