アメフト
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アメリカのロックバンドについては「アメリカン・フットボール (バンド)」をご覧ください。

アメリカンフットボール
パスをキャッチするワイドレシーバー(青)とそれを防ぐコーナーバック(赤)
統括団体国際アメリカンフットボール連盟
通称アメフト、フットボール、米式蹴球
起源1869年
アメリカ合衆国ニュージャージー州
特徴
身体接触フルコンタクト
選手数グラウンド上:11人
男女混合無
カテゴリ屋外競技
ボールアメリカンフットボール
実施状況
世界選手権1999-
ワールドゲームズ200520172022
テンプレートを表示

アメリカンフットボール(英語: American football)は、フットボールの一種であり、楕円形ボール長球)を用いて2つのチームで得点を競い合うスポーツ球技)。略称はアメフトまたはアメフットとも。ボールを持って走ろうとしたところを、タックルで倒された瞬間
概要
名称

その名の通り、アメリカ合衆国(以下アメリカと略)で盛んに行われているフットボールであり、アメリカで単に「フットボール」というときは、アメリカンフットボールのことを指すことが一般的である[注 1]北米以外の地域では、サッカーなど他のフットボールと混同を避けるために、略さずアメリカンフットボール[注 2]と呼ぶことが多い。オーストラリアでは、グリッドアイアン・フットボール(en:gridiron football)とも呼ばれている。「グリッドアイアン」(en:Gridiron (cooking))とは焼き網の意であり、フィールドの5ヤード毎の白線が焼き網に似ていることによる呼称である。

日本では、一般的にフットボール[注 3]と呼ばれたり、アメフトと略されることが多いがアメフットも使われており、同じ報道機関でも統一されていない[1]。過去にはアメラグ(アメリカンラグビーの略)や アメリカン とも呼ばれており、希に使われる[2][3]。日本語表記では、アメリカンフットボールを直訳した米式蹴球、または、鎧(よろい)を髣髴させる装備をしていることから鎧球(がいきゅう)と表記される。なお、混同されやすいが「ア式蹴球」はアソシエーション・フットボール(サッカー)を指す。
他のスポーツとの類似点・相違点1895年の試合風景

アメリカンフットボールは、ボールを蹴り込んで得点するフットボールに分類され、特に楕円形のボールを使う、タックルにより相手の前進を止めるなど、古いラグビーを源流としているため共通する要素を持つが、互いにルールが何度も変更されているため現代では、基本的な競技特性が異なる競技となっている。

特徴や他のスポーツとの比較は以下に示す。具体的なルールについては、試合とルールの項で詳述する。

2チームがそれぞれ、ボールを確保する攻撃側(オフェンス)と、守備側(ディフェンス)に明確に分かれゲームが進行する。特殊な場合を除き、得点する機会は攻撃側だけにある。

自由交替制を採用しており、一度交替した選手でも再びプレーに参加することができるため、オフェンスとディフェンスで選手を大幅に入れ替えることができる。

ラグビーと同じく基本的に体格の大きな選手が有利であるが、上記の理由でよりポジションに応じたパワー、スピード、スタミナ、捕球力などの役割、適性が明確であり、選手はほぼ自分の役割に特化した専門選手である。

基本的にすべてのプレーがセットプレーであり、両チームが向かい合った静止状態からひとつのプレーが始まり、タックルなどによりボールの前進が止まったときにプレーが終了する。1プレイはだいたい10秒以内で終了し、また仕切り直して次のプレーを開始する。このような短いプレーの積み重ねによりゲームが進行する。

試合全体で時間が決まっており(正規で60分)、ルールで細かく決められた時間を流す・止めるルールでカウントダウンする計時方式を採用している。そのため、公式のタイムがゼロになったら試合終了である。時計と勝負するスポーツとも言われる。試合終盤に勝ち越しているチームが攻撃権を得た時には、あえてプレーせずに時間を進めることを選択する場合もあり、勝ち越しているチーム(を応援する観客)がカウントダウン・コールをする場面がある。同じフットボールであるサッカーやラグビーでは時計は止めずに審判の裁量でロスタイムが積算され、試合時間が増える。そのため、サッカーやラグビーでは試合終盤に負けているチームが得点を取れそうになった場合は試合が続行される。

激しいコンタクトが多い。当初はラグビーと同様にジャージでプレーしていたが安全に配慮してヘルメットやプロテクターなどの防具を装備することが義務づけられている。それでも脳震盪[4]CTE慢性外傷性脳症)を発症する選手が続出していることから、危険性の認識、また適切な処置を求め、NFLと元選手約4000人が係争中[5]である。

ビデオ判定が導入されており、NFLなどでは判定に不服がある場合、コーチ(監督)が審判団にビデオ判定を求めることができるチャレンジや一部の選手との無線通信が許可されているなど、技術革新に対して柔軟である。ただし、日本ではチャレンジシステムは社会人リーグにおいて採用されているが、無線は採用されていない。

人気
アメリカ合衆国

アメリカの世論調査
順位最も好きなスポーツ
1アメリカンフットボール41%
2
野球10%
3バスケットボール9%
4サッカー5%
5アイスホッケー4%
出典:ギャラップ[6]

アメリカでは非常に人気の高いスポーツである。歴史的に人気が高かった野球に取って代わり、アメリカの“国技”、“国民的娯楽”であるという意見が主流を占めるまでに至った[7][8]

アメリカの大手世論調査会社ギャラップが2023年12月に調査した結果によると、「最も観戦するのが好きなスポーツ」では1位はアメリカンフットボール(41%)である[6]。2位に野球(10%)、3位にバスケットボール(9%)、4位にサッカー(5%)が続いた[6]。また、アメリカのワシントン・ポストが2017年に発表した人気スポーツの世論調査によると[9]、 「最も観戦するのが好きなスポーツ」では1位はアメリカンフットボール(37%)である。2位にバスケットボール(11%)、3位に野球(10%)、4位にサッカー(8%)が続いた。アメリカ大手世論調査会社ハリス・インタラクティブの2015年12月時点での調査[10]によると、最も好きなスポーツのトップはプロアメリカンフットボール(33%)であり、2位に野球(15%)、3位に大学アメリカンフットボール(10%)が続いた。プロと大学を合計した場合、アメリカンフットボールは43%であり、15%の野球に対して圧倒的な差をつける結果となった。この調査は1985年から開始されており、1985年時点ではプロアメリカンフットボール(24%)と野球(23%)は僅差であったが、それ以降その差は広がる傾向にある。

プロリーグであるNFL(ナショナルフットボールリーグ)は、北米4大プロスポーツリーグの中で最も人気のあるリーグであり、新型コロナウイルス感染症の世界的流行以前は1試合平均観客動員数が6万7000人を超えていた。経済的に世界最大のプロスポーツリーグでもあり、2019年シーズンの収益は160億ドルを記録した[11]。アメリカの経済誌フォーブスによる2021年のスポーツ選手長者番付において、競技別でアメリカンフットボール選手が最も多くランクインしている[12]。また最も価値があるスポーツチーム50選のランキングにて、毎年最も多くのチームがランクインしており、2021年にはダラス・カウボーイズが首位である[13]


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