アマチュアレスリング
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アマチュアレスリング

別名レスリング
アマレス
源流パンクラチオン
キャッチ・アズ・キャッチ・キャン
主要技術投げ技
テイクダウン
フォール技
オリンピック競技有り
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レスリングは、オリンピックの正式競技にもなっている格闘技スポーツ国際競技連盟世界レスリング連合(UWW)(旧:国際レスリング連盟 <FILA> )。別名アマレス。プロレスと区別するために「アマチュアレスリング」と呼ばれることがあるが、世界レスリング連合は、プロレスラーの参入を制限しておらず(後述)、プロフェッショナルアマチュアの区別がない。

狭義の「レスリング」は世界レスリング連合が管轄するルールのうち、オリンピックで競技が行われているフリースタイルグレコローマンスタイルを指しており、これらの総称としてオリンピックスタイルレスリングと呼ばれることもある。
歴史

原型となるレスリングの正確な起源は不明だが、古代から存在していたとされ[1]、紀元前3000年には既に競技として成立しており[2]、文武両道を旨とするギリシャの名門家では体育としても奨励され、紀元前427年生まれの哲学者プラトンも若い頃は大会での優勝経験がある[2][注 1] など、この頃には既に確立されたメジャーなスポーツであった。

古代オリンピックでは人気競技であり、他の競技よりも優位性があった[2]。また、パンクラチオン古代ギリシアのボクシングなど、死傷者が当然のように出る他の格闘競技と比べると安全であったため、五種競技の一つとしても導入された。古代オリンピックの終了と共に一度は下火になる[2] が、第1回近代オリンピックで採用されると、ルールを変更することなく採用され続けている。女子レスリングは1970年代に欧州で始まり、1985年にフランス・クレルモンフェランで初となる(当時)国際レスリング協会認定の女子国際大会「ロジャークーロン大会」、続いて初の世界規模の大会「世界女子フェスティバル」が開催。1987年から世界選手権も開催され、2004年よりオリンピックに追加された。

競技開始に必要な費用の少なさ、シンプルで確立されたルール、長い歴史により充実したトレーニング方法と指導者により、世界各地に広まっている

また格闘競技の中では比較的安全性が高いメリットもあって、子供の競技としても盛んに行われている。
日本の歴史「八田一朗」を参照
スタイル
オリンピックスタイル

フリースタイルとグレコローマンスタイルの2通りのルールがある。どちらのスタイルにおいても、ポイント、勝敗の判定に違いはないが、以下のようにルールが異なる。

フリースタイルにおいては、全身を攻防に用いることが出来る[3]。そのため、レッグダイブタックル)を中心とした素早い試合展開になる[4]。これは、18世紀イギリスで隆盛していたキャッチ・アズ・キャッチ・キャンのルールに由来する。

2020年現在、女子はフリースタイルのみ行われている。

グレコローマンスタイルにおいて、競技者は腰から下を攻防に用いることが出来ない[4]。そのため、スープレックスなどの投げ技中心の試合展開となる[4]。このルールは古代ギリシアや古代ローマでのパンクラチオンのルールに由来している。「グレコローマン」は「ギリシアとローマの」と言う意味である。

幾度かのルール変更をへて、2020年現在は1ピリオド3分を2ピリオド計6分で行い、ポイントも2ピリオドの合計で争う。ポイントで8点差がつくとそこで勝負は決まる、またパーテール・ポジションは腹ばい状態から開始される。
ノンオリンピックスタイル

世界レスリング連合が管轄するレスリングのルールは他にオリンピック非採用(ノンオリンピックスタイル)のパンクラチオングラップリングビーチレスリングベルトレスリング、フォークスタイルレスリング(英語版)が存在する。かつてはサンボも管轄していた。
オリンピックスタイルのルール

マット上にある直径9mの円形(サークルまたはリング)内で、2人の競技者が、互いに組み合い、相手の両肩を1秒以上マットにつけることで勝敗を決する(フォール)。

1908年のロンドンオリンピックでは一瞬でも両肩が付いたらフォールとなる瞬間フォール(タッチフォールとも)を採用していたが、1960年のローマオリンピックから改正された。のちにフォールは
ピンフォールと呼ばれる。

フォール以外に、ポイントによる判定決着もある。決めた技によって1ポイントから4ポイントまでのポイントが加算され、フォールにならずタイムアップになれば判定となる。また、グレコローマンスタイルでは8ポイント以上、フリースタイルでは10ポイント以上の差が付いた場合、その時点でテクニカルフォールによる決着となる。

試合が終了した時点で同点だった場合は、以下の順でピリオドを獲得する選手を決定する。

ポイントの大きい技を決めた選手

コーションの少ない選手

最後にポイントを獲得した選手


打撃技、関節技、絞め技は禁止されている。

以上のように時代によって細かな変更はあるが、「両肩を地面につける」「打撃、関節技や絞め技の禁止」という基本ルールは紀元前の頃から変わっていない。

国際ルールでは、総試合時間6分。

3分間ずつの2ピリオドで試合を行い、ピンフォールを取るか規定のポイント差をつける、合計ポイントが多い選手が勝ち上がる方式である。

2008年北京オリンピックへ向けてルールが一部改定され、2分ずつ3ピリオドを行い、各ピリオド終了時にポイントが多かった選手がそのピリオドを獲得し、先に2ピリオド獲得した選手が勝者という方式となったが、2012年ロンドンオリンピック後の一連の改革で再び合計ポイントを争う旧方式に戻された。

判定に不服がある場合にチャレンジによってビデオ判定を要求することが可能である。チャレンジで判定が覆らなかった場合は、相手に1ポイントが与えられるとともにチャレンジする権利を失う。
階級

年齢、体重別に階級を定めて争われる。階級名を通常数値が使用されるが、ボクシング同様の階級名が付けられることもある(日本でも戦後は盛んに使われていた)。階級数及び数値は時代に応じて変更される。

2019年現在の階級(太字はオリンピック採用)フライ級バンタム級フェザー級ライト級ライトウェルター級ウェルター級ライトミドル級ミドル級ライトヘビー級ヘビー級スーパーヘビー級
男子グレコ55 kg60 kg63 kg67 kg72 kg77 kg82 kg87 kg97 kg130 kg
男子フリー-57 kg61 kg65 kg70 kg74 kg79 kg86 kg92 kg97 kg125 kg
女子50 kg53 kg55 kg57 kg59 kg62 kg65 kg68 kg72 kg76 kg-

過去の階級

2016-2017年の階級フライ級バンタム級フェザー級ライト級ライトウェルター級ウェルター級ライトミドル級ミドル級ライトヘビー級ヘビー級スーパーヘビー級
男子グレコ-59 kg-66 kg71 kg75 kg80 kg85 kg-98 kg130 kg
男子フリー-57 kg61 kg65 kg70 kg74 kg-86 kg-97 kg125 kg
女子48 kg53 kg-55 kg-58 kg60 kg63 kg69 kg75 kg-

男子(グレコ・フリー共通)の過去の階級ライトフライ級フライ級バンタム級フェザー級ライト級ウェルター級ミドル級ライトヘビー級ヘビー級スーパーヘビー級
2002-2013--55 kg60 kg66 kg74 kg84 kg-96 kg120 kg
1997-2001-54 kg58 kg63 kg69 kg76 kg85 kg-97 kg130 kg
1985-199648 kg52 kg57 kg62 kg68 kg74 kg82 kg90 kg100 kg130 kg
1969-198448 kg52 kg57 kg62 kg68 kg74 kg82 kg90 kg100 kg100kg超
1962-1968-52 kg57 kg63 kg70 kg78 kg87 kg97 kg97kg超-
1950-1961-52 kg57 kg62 kg67 kg73 kg79 kg87 kg87kg超-

女子の過去の階級ライトフライ級フライ級バンタム級フェザー級ライト級ウェルター級ミドル級ライトヘビー級ヘビー級
2002-2013-48 kg51 kg-55 kg59 kg63 kg67 kg72 kg
1997-2001-46 kg51 kg-56 kg62 kg-68 kg75 kg


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