アフリカーンス語
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アフリカーンス語

Afrikaans
発音
IPA: [afri?k??ns]
話される国 南アフリカ共和国
ナミビア
ボツワナ
ザンビア
ジンバブエ
地域南部アフリカ
話者数第一言語:600万人
第二言語:1000万人
言語系統インド・ヨーロッパ語族

ゲルマン語派

西ゲルマン語群

低地ドイツ語

低地フランク語

オランダ語

アフリカーンス語






表記体系ラテン文字
公的地位
公用語 南アフリカ共和国
統制機関 南アフリカ科学芸術アカデミー(英語版、アフリカーンス語版)
汎南アフリカ言語委員会(英語版)
言語コード
ISO 639-1af
ISO 639-2afr
ISO 639-3afr

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アフリカーンス語(アフリカーンスご、Afrikaans)は、インド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派西ゲルマン語群に属する低地ドイツ語に属し、オランダ語から派生した言語である。

言語学的には低地ドイツ語のうち低地フランク語低地ザクセン語と近縁関係にある)の中の一方言であるとされるが、下記に示すとおりその独特な語彙から低地ドイツ語の中でもオランダ語(オランダ大方言)とは別の方言だという説も有力である。

クワズール・ナタール州以外の南アフリカ共和国全土に広く普及しており、オランダ白人であるアフリカーナー(かつてはボーア人と呼ばれた)が母語とするほか、カラード(白人とコイコイ人をはじめとする有色人種の混血)にも母語とする者が多い。南アフリカ共和国の公用語の一つで、ヨーロッパ系言語の中で最も新しい言語である。
概要

オランダの植民地であった頃に正統オランダ語を基礎に、ヨーロッパ移民の話すフランス語ドイツ語ポルトガル語などの欧州諸語、現地の先住民が話すバントゥー諸語コイサン諸語、更には奴隷として連れて来られた東南アジア系のマレー語が融合してできた言語であるが、イギリスの植民地になって以来今日まで英語の影響を非常に大きく受け、語彙や文法の随所に英語的用法、用語があふれかえっている。また正統オランダ語より派生してから文法が大幅に簡素になり、複雑な語尾変化や時制冠詞の性別が消滅した。その発展過程においてマレー語の影響も強く受けたため、学者間でゲルマン語かクレオール言語に分類するかで大きな論争が起きたこともあるが、当時の白人政権下では純ゲルマン語説が強く推された。

なお、低地ドイツ語を一つの言語としてみた場合、北ドイツ方言とオランダ方言(フラマン語も含む)の差よりもアフリカーンス語(アフリカーンス方言)との差の方が大きいという説が有力である。このことは逆に、オランダ語を政治的理由で独立言語として扱うならば、アフリカーンス語も独立した言語であるとの主張の根拠にもなっている。現実的、日常的にはかつてオランダ語の方言であったが、旧白人政権のもとで正式の国語となり、オランダ語から独立した言語となったといえる。

1976年に当時の政府が黒人の子弟に全教科をアフリカーンス語で学ぶよう強制しようとして起きたソウェト蜂起により、アフリカーンス語は圧制者の言葉として世界に知られることになる。他方、獄中にあったネルソン・マンデラが看守とコミュニケーションを取って相互理解を深め、ひいては彼らの考えを変えていくために、アフリカーンス語を学んだことが知られている。

1994年の黒人政権誕生以降、それまで英語とともに享受してきた南アフリカ共和国内における共通語としての座から実質的に滑り落ちた。現在でも、南アフリカ共和国の公用語の1つではあるが、アパルトヘイトのイメージが付きまとうために、大学の教授言語から追放される等のアフリカーンス語話者に対する逆差別も起こっており、公用語としての地位は大きく低下しており、厳しい立場に置かれている。

しかしながら、メディアにおいては英語に次いで使われており、北ケープ州西ケープ州では最も話されている言語である。隣国のナミビアでは公用語ではないものの共通語として広く用いられている。現在の使用人口は約650万人である。
アフリカーンス語が使用される国々南アフリカ共和国におけるアフリカーンス語話者の割合
緑:70%以上
灰緑:50%以上ナミビアにおけるアフリカーンス語話者の割合

南アフリカ共和国(13.5%)のほか、ナミビア(10.4%)で主に使われている。他にボツワナレソトエスワティニジンバブエザンビアにも話者がいる。また、オーストラリアニュージーランドでも移民したアフリカーナーによって話されている。
南アフリカ

北ケープ州(53.8%)と西ケープ州(49.7%)では最も使われている言語である。他にフリーステイト州12.7%、ハウテン州12.4%、東ケープ州10.6%、北西州9.0%、ムプマランガ州7.2%となっている。南アフリカ西部では最も使われている言語であるが公用語としての地位は形骸化している。アフリカーナーカラード(混血・コイコイ人マレー人)によって話されている。一部の黒人の間ではアパルトヘイトの言語として拒否感が強く残っている。しかし、2011年国勢調査によると黒人の中でも602,166人がアフリカーンス語が母語であると回答している。

現存する唯一のアフリカーナーのみの集落である北ケープ州のオラニアでは、アフリカーンス語がほぼ唯一の使用言語となっている。
ナミビア

ハルダプ州(44%)、カラス州(41%)では最も使われている言語である。他にホマス州(24%)、エロンゴ州(22%)、オマヘケ州(12%)となっており、南部中心に使われている。白人の言語としてのみではなく、主に黒人の異民族間の共通語としても使用されている。
発音
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