アフリカで母語として話される言語は2100種類以上、数え方によっては3000種類以上あり[1][2]、次のように複数の大きな語族にまたがっている。
アフロ・アジア語族(セム・ハム語族)。中東、北アフリカ、アフリカの角やサヘルの一部に分布。
ナイル・サハラ語族。スーダンとチャドに分布。この分類については議論がある。
ニジェール・コンゴ語族。西部、中部、東部に分布。
コイサン諸語。ナミビアとボツワナの砂漠地帯に集中して分布。
オーストロネシア語族。マダガスカルに分布。
インド・ヨーロッパ語族。アフリカ大陸の南端部に分布。
他にもいくつもの小さな語族や孤立した言語、それにまだ分類されていない未分類言語が分布している。加えて、アフリカには多様な手話が存在し、その多くは孤立した言語となっている。
言語によっては口笛や太鼓を用いた長距離でのコミュニケーションが行われる。口笛言語、シルボやトーキングドラムを参照。 アフリカの言語のうちおよそ100の言語が民族内でのコミュニケーションに広く使われており、なかでもアラビア語、ベルベル語、アムハラ語、ソマリ語、オロモ語、スワヒリ語、ハウサ語、イボ語、ヨルバ語は数千万人によって話されている。最大100ほどの似通った言語からなる方言連続体をひとつとして数えることにすると、上位12言語はあわせて75パーセント、上位15言語は85パーセントのアフリカ人によって母語もしくは別個に習得した言語として用いられている[3]。 アフリカの多くの国では言語が非常に多様であるため(ナイジェリア国内だけでも 500以上の言語が分布しており[4]、これは世界で最も言語が密に分布している例のひとつである)、植民地支配が終わってからの時代において言語政策はたいへん重要な課題となった。近年、アフリカ諸国では自国で受け継がれてきた言語の価値に関する意識が高まっており、こんにち策定されている言語政策はほとんどの場合多言語主義を目標としている。例えば、アフリカの言語は全てアフリカ連合の公用語 アフリカで話される言語の殆どはアフロ・アジア語族、ナイル・サハラ語族、ニジェール・コンゴ語族のいずれかの語族に属しており、そのほか数百の言語がウバンギ諸語
概観
分類
アフロ・アジア語族「アフロ・アジア語族」も参照
アフロ・アジア語族は中東、北アフリカ、アフリカの角、さらにサヘルの一部にわたって用いられており、アフロ・アジア語族に分類される言語はおよそ 375言語、話者はあわせて 3億5000万人以上である。下位分類の主なものにはベルベル語派、セム語派、チャド語派、クシ語派などがある。これらの言語の発祥地 (en:Afroasiatic Urheimat) は明らかではないが、もっとも広がった分派である[訳語疑問点]セム語派(アラビア語、アムハラ語、ヘブライ語等を含む)はアラビア半島で発達したもののようである[要出典]。このセム語派は、アフロアジア語族の中でアフリカの外で話されている唯一の系統である。
アフロ・アジア語族のなかで最も広く用いられているのは、アラビア語(セム語派に属し、最近になって西アジアからやってきたもの)、ベルベル語(ベルベル語派)、ハウサ語(チャド語派)、アムハラ語(セム語派)、オロモ語(クシ語派)、ソマリ語(クシ語派)などである。アフロ・アジア語族はメソポタミアのアッカド語と古代エジプトのエジプト語を含むために、現在世界にある語族のなかで文書による記録をもっとも古くまで遡ることができる。
ナイル・サハラ語族「ナイル・サハラ語族」も参照
ナイル・サハラ語族に分類される言語は極めて多様で、そのためエジプト南部からタンザニア北部まで広がり、ナイジェリアとコンゴ民主共和国の中まで及び、ニジェール川の中流に沿って分布するソンガイ語(英語版)を地理的境界として100以上の言語を含むこの分類については、論争がある。これらの言語には共通した珍しい形態論的特徴があるが、これらを類縁関係にあるものとするならば、ほとんどの語派は共通祖語から分岐してから大規模な再構成を受けたと考えなくてはならない。ソンガイ語を含めるかどうかは不確かであり、Koman 語派、Gumuz 語派、カドゥ諸語(英語版)については疑念が呈されている。
ナイル・サハラ語族に属する言語のうちでよりよく知られているものにはカヌリ語、ソンガイ語(英語版)、ヌビア諸語、また、ルオ諸語(英語版)、ディンカ語、マサイ語などを含み広い地域にわたって分布するナイル諸語などがある。ナイル諸語は声調言語である。