アフリカの地理
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アフリカの地理(アフリカのちり)アフリカの位置

アフリカは61のテリトリー(うち独立国が53)を擁する大陸で、地球上で南半球に広がる大陸では最大のものである。大陸本土と周辺の島嶼部をあわせ30,368,609km2の面積がある。

アフリカはヨーロッパとの間に地中海を挟み、アジアとの間に紅海を挟み、北東端にある130km幅のスエズ地峡でアジアと繋がっている。地政学の見地ではスエズ運河の東に位置するエジプトシナイ半島はアフリカの一部とされることが多い。最北端のベン・サッカ岬(英語版)から最南端のアガラス岬まで南北の長さはおよそ8,000km、最西端のヴェルデ岬から最東端のハーフーン岬(英語版)まで東西の幅はおよそ7,400kmである。海岸線の総延長は26,000kmだが海岸線が単調なので、はるかに小さなヨーロッパ(総面積10,400,000km2)の32,000kmと比較しても短い。

アフリカ大陸では、東半球の北側を東西方向に走る構造線の一部と、大陸を南へと走る南北の構造線がみられる。よってアフリカは直交する2つのセグメントで構成されていることがわかる。そしてここから分岐する副次的な構造線がある。
地理的特徴人工衛星からみたアフリカ

アフリカ大陸の平均海抜は約600mで、北アメリカ南アメリカの平均海抜とほぼ等しく、アジアの950mよりかなり低い。他の大陸とは対照的に、標高が極めて高い地域もきわめて低い地域もその面積は比較的小さく、海抜180m以下の土地は驚くほど狭い。最高点の標高がアジアや南アメリカと比較して低いばかりか、標高3,000mを超える地域も珍しく、独立峰や一部山脈にみられるにすぎない。台地とその表面から突き出す高峰や山脈こそがこの大陸の特徴である。(このような独立峰や山脈の影響は大きく、 [Inselberg-landschaft]という用語がこの種の地域の特徴の記述にドイツで考案されたが、これはアフリカ特有の風の振る舞いの大きな原因であると考えられている。)

標高の高い土地は東部と南部にみられ、北や西へ行くほど標高は徐々に低下する。平野とアトラス山脈を除くと、この大陸は大きく高台地と低台地の2つに分類できよう。その境界は紅海中部と西海岸の南緯6度付近を結ぶ南東側に湾曲した線となる。

アフリカは地理的に複数のゾーンに分類できる。

海岸平野 - 海岸線がマングローブの生い茂る湿地であることも多く、河川の流域を除き海岸からの奥行きは狭い。比較的新しい沖積平野は主要河川の三角州であることが多い。いたるところにみられる海岸平野は、内陸高原の懐までのわずかな平地にすぎない

アトラス山脈 - 山岳学の観点から大陸の他の部分とは区別される。不毛の沙漠(サハラ沙漠)で分断され大陸の残りの地域とは無関係に存在する。

東部と南部の高原地方

北部と西部の平地

第3と第4については以下に詳述する。
高原地方アフリカの地勢

南部と東部の高原で標高が600mを割ることはまずなく、平均海抜は1,000m程度である。南アフリカ高原は南緯12度付近から東・西・南の3方向へ幾つもの高地がうねり、その後急傾斜で海岸に至る。その形状は伏せた茶托によく似ている。アフリカ南部では低地を挟んで3つの高原が向き合う。この大きな低地グレートカルー (Great Karoo) は、乾燥してやせた土地であるが、高原そのものも一部はカラハリ沙漠という一層不毛な土地である。

南アフリカ高原は北東部にゆくと標高がやや高くなり、やや性格の違う東アフリカ高原に連続する。高地帯の東側にある構造線が東西に拡張しこれがいくつものゾーンに分岐して南北に走り、山地・台地・くぼ地を形成した。圧巻なのは東西2つの地溝帯の存在だが、これは地殻のセグメント全体が沈降して生じたものであり、その底には巨大湖がある。南部に向かうにつれ2つの地溝帯は収束し、ひとつの大きな谷をつくる。そこにできたのがマラウィ湖である。南部ではあまり目立たないがそれはこの系としては隆起や沈降が小さいためである。

さらに北へゆくと西側の沈降は大地溝帯とよばれるようになり、その長さの半分以上が水面となって、タンガニーカ湖キブ湖エドワード湖アルバート湖というアフリカ大湖沼を形成する。タンガニーカ湖は長さ600kmを超える世界最長の淡水湖である。この大地溝帯にはいくつもの活火山があるが、東トラフの東側でほぼ子午線上に並ぶ。東部の陥没帯は東アフリカトラフまたは東リフト・バレーといわれ、ここには小さな塩湖が点在するが、これを水源とする河川はない。唯一西リフトバレーの湖水群に比肩する大きさの湖はトゥルカナ湖である。

リフト・バレーから東に程近く、キリマンジャロ山がある。山上にキボとマウェンズィという2つの峰があり、後者は標高5,889mでアフリカ最高峰である。そして近くにケニヤ山もあり、標高は5,184mである。西トラフの東側にあるルウェンゾリ山地も同様に重要で最高峰は5,000mを超える。地溝帯のその他の火山としては、キブ湖の北にあるキルンガ(ムフンビロ)山群が今も活動中である。

アフリカの高地として3つ目に挙げるのはエチオピア高原であるが、標高1,500m以上の土地面積では大陸一で、起伏の激しい山が連なりその標高は4,600-4,900mになる。この一帯は東アフリカ・トラフのすぐ西にあり、この先は東への支脈とわかれて北に続き紅海に没する。中央にある円形の盆地にはタナ湖がある。

大陸の東西で高原は海岸線と並行して細長く続くが、東部エチオピアの山岳地帯はその後紅海に沿って北上し山稜の標高は2,000mほどで推移する。西部では高地帯は幅広くなるが標高は低くなる。ギニア湾の内奥から内陸に入ったあたりがもっとも山深い一帯だが、その標高は1,800-2,400mになる。文字通りギニア湾の最奥にあるのが活火山のカメルーン山で標高は4,075m、ここから南西に火山島が点々と連なる。そのもっとも大陸側のビオコ島にあるマラボ山は標高3,008mである。大陸最西端にあるフタジャロン高原はニジェール川やガンビア川などの分水界として重要だが、これより西や北にはアトラス山系に至るまで高地といえるものは存在しない。
平地

北緯17度より北は東海岸から西海岸にいたるまでほとんどが沙漠である。アフリカ大陸の西から東、そしてこれに続き北から南へと、内陸中央部に交互に盆地と高地が存在する。そのうちもっとも目立つものは、赤道直下で円形にひろがるコンゴ盆地だが、かつては内海だったらしい。

不毛なサハラ沙漠は世界最大の沙漠で、総面積は9,000,000km2、西は大西洋岸から東は紅海岸まで至る。全域がゆるやかな高原状だが一部に山地もあり、アルジェリアアハガル高原タハト山の標高は2,918m、チャドティベスティ山地エミクーシ山は3,475mである。地中海とは北西をアトラス山脈で、北東を岩の平原で区切られ、北東端はナイルデルタに達する。ナイル川は沙漠のただなかを沙漠とは無関係に貫流する。アトラス山脈は大陸北西部にあり、北には地中海、南には幅160kmほどの草原がひろがる。内陸側の斜面からは数多くのワジ(枯れ川)がサハラに向かう。現在沙漠である地域にはかつて水流があった。

サハラ沙漠の南に広がる平原をサヘルという。

以下の表でアフリカ大陸のおもな山と湖のおよその標高を示す。

山の名称標高:m
ルングウェ山(英語版)2981
ドラケンスバーグ山脈3482
アバディア山脈4001
カメルーン山4095
ツブカル山4167
エルゴン山4321
カリシンビ山4507
シミエン山地4533
メルー山4566
ルウェンゾリ山地5109
ケニア山5199
キリマンジャロ5895

湖の名称面積:km2標高:m
チャド湖・・・259
マインドンベ湖・・・335
トゥルカナ湖・・・381
マラウイ湖・・・501
アルバート湖・・・618
タンガニーカ湖・・・800
ンガミ湖・・・899
ムウェル湖・・・914
エドワード湖・・・916
バングウェウル湖・・・1128
ヴィクトリア湖・・・1134
アバヤ湖(英語版)・・・1280
キブ湖・・・1472
タナ湖・・・1734
ナイバシャ湖・・・1870


水系
河川

アフリカの高原の外周斜面を流れる河川の多くは河口までの水路が比較的短い。しかし大河川は水源地帯から河口までの間、内陸高地で長い距離を流れる。アフリカ大陸の河川水の多くが北と西の海へ流れるが、これは大西洋の水系とも言い換えることができる。

東アフリカ高原の湖水はナイル川コンゴ川の水源となるが、前者は大陸最長の川であり後者は流域面積でも流量でもアフリカ大陸最大の川である。


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