アフター・アース
After Earth
監督M・ナイト・シャマラン
脚本M・ナイト・シャマラン
ゲイリー・ウィッタ
『アフター・アース』(After Earth)は、M・ナイト・シャマラン監督、ジェイデン・スミスとウィル・スミス出演の2013年のアメリカ合衆国のSF映画。父子ウィルとジェイデン・スミスが主演するのは、『幸せのちから』に続く2作目。 2025年、人類は自らの故郷である地球の自然環境を破壊してしまい、遠く離れた惑星ノヴァ・プライムに移住せざるをえなくなった。ノヴァ・プライムの先住民は、人類を抹殺するために巨大生物「アーサ(URSA)」を作り上げた。「アーサ」は視覚も嗅覚もないが、人の恐怖心を察知して場所を特定し、人を殺す。そして人類が地球を去ってから1000年後、惑星ノヴァ・プライムのレンジャー部隊からストーリーは始まる。 レンジャー部隊の候補生である13歳のキタイ・レイジは訓練に励んでいたが、能力的な成績は良いものの精神的には未熟とみなされ、正式任用には不適格とされてしまう。キタイが幼少の頃、姉のセンシ・レイジがアーサに殺害されるのを、なすすべもなく見ているしかなかったという恐怖心が拭えないためでもあった。 キタイのもとに、レンジャーの最高司令官でもあり父でもあるサイファ・レイジが宇宙遠征から帰還した。サイファは恐怖心を消してアーサと戦うことができる術「ゴースト」を習得しているため、数多くの人々を救った伝説級のレンジャーである。一家団欒の夕食で、キタイは不適格の件をサイファに報告せざるを得なくなったが、サイファは冷静な指揮官として接した。サイファの妻でありキタイの母であるファイア・レイジは、キタイが必要としているのは指揮官でなく父であると、サイファに告げる。 サイファは引退前の最後の任務にキタイを同行させることにした。2人が乗った宇宙船の倉庫には、レンジャーの訓練のために捕獲されているアーサも一体乗り込んでいた。ところがその任務に向かう途中、小惑星嵐にあったために宇宙船は深刻なダメージを負ってしまう。偶然近くにあった第一級隔離惑星地球に不時着を試みるも、宇宙船は真っ二つに折れて墜落することになってしまった。 生存者はキタイと、致命的なけがを負ったサイファのみであった。また救難信号の発信機がある船尾は、100km後方に墜落していることが判明した。サイファはキタイに通信装置や武器、医療器具などを託し、さらにキタイを常にモニターできるようにする。キタイは負傷して動けない父の代わりに発信器を回収し、共に故郷へ帰るために独りで危険な旅へと赴く。1000年の間に地球は、人類を抹殺するべく進化した動物達に支配されていた。キタイは凶暴な動物達に襲われながらも、船尾を目指す。 キタイはサイファに、どうやって恐怖を克服したのかを質問する。サイファは、アーサに襲われて水中にもぐった際、水中の美しさと「ここで死んでたまるか」という思いが重なったときに、いつの間にか恐怖心が無くなっていたと語る。サイファはさらに「“危険”は実在するが、“恐怖心”は自分次第だ」とも伝える。 キタイは道中、父との唯一の通信手段である通信機を破損してしまうが、ボロボロになりながらもなんとか船尾にたどり着く。しかし火山の噴煙によるイオン層のせいで救難信号が発信できない。そのためキタイは、火山の山頂から救難信号を発信することを決断する。山中で、アーサに襲われた仲間の遺体を見つけたキタイはアーサがまだ生きていることを確信する。予想は的中し、キタイは道中でアーサに襲われるが、恐怖を克服した父と、アーサに殺害された姉を回想し、さらに降り注ぐ火山灰の美しさを目の当たりにしたとき、キタイもまた恐怖心を克服することに成功する。ゴーストを体得したキタイは、アーサを死闘の末に倒す。 山頂に到着したキタイは救難信号を発信させ、レンジャーに救助された父子は抱擁しあってストーリーは終わる。 ※括弧内は日本語吹き替え
ストーリー
キャスト
キタイ・レイジ[6] - ジェイデン・スミス(本城雄太郎)
サイファ・レイジ - ウィル・スミス(東地宏樹)
ファイア・レイジ - ソフィー・オコネドー(藤貴子)
センシ・レイジ - ゾーイ・イザベラ・クラヴィッツ(山下真琴)
キタイ(子供時代) - ジェイデン・マーティン
ヴェラン - グレン・モーシャワー(石田圭祐)
警備責任者 - クリストファー・ヒヴュ(石住昭彦)
マッカリー - デヴィッド・デンマン(金光宣明)
パイロット - サッシャ・ダーワン(伊藤健太郎)
航海士 - クリス・ギア
ボー - リンカーン・ルイス(河合みのる)
製作(英語版)と共にテレビ番組『I Shouldn't Be Alive』を視聴していた際にストーリーを考案した[7]。元々はサイエンス・フィクションではなく、人里離れた山奥で車が壊れた父子が救助を待つという物語であった。ウィル・スミスは後に1000年後の世界を舞台とした話に変更し、高製作費の映画企画にした。また彼は三部作の1作目とする構想である[8]。この原案は後に『ザ・ウォーカー』のゲイリー・ウィッタ(英語版)により脚本化された。
『エアベンダー』の公開から1ヶ月後の8月6日、ウィル・スミスはこの日が誕生日でもあるM・ナイト・シャマランに監督を依頼し、息子のジェイデン・スミスを出演させる意向を明かした[9]。脚本に感銘を受けたシャマランは2010年10月20日に正式に『One Thousand A. E.』という題でプロジェクトに着手し、これ以前に構想中であったブルース・ウィリス、ブラッドリー・クーパー、グウィネス・パルトロー出演予定のプロジェクトを棚上げした[10]。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントはスミスの製作会社であるオーバブルック・エンターテインメントとファーストルック契約を交わしていたため参加した[10]。2011年12月、ソニー傘下のコロンビア ピクチャーズは、出演のウィル・スミスとジェイデン・スミス、監督のシャマランと契約を交わした。シャマランはゲイリー・ウィッタと脚本を共同執筆し、プロデュースはオーバーブルックのジェームズ・ラシター(英語版)、ウィル・スミス、ケン・ストヴィッツ、ジェイダ・ピンケット=スミスが務めた[11]。
主要撮影は2012年2月に開始された。