アフゼリア
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アフゼリア属
チンダロ(Afzelia rhomboidea)の図版
分類APG IV

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:真正双子葉類 eudicots
:マメ目 Fabales
:マメ科 Fabaceae
亜科:デタリウム亜科 Detarioideae
:アフゼリア連 Afzelieae
:アフゼリア属 Afzelia

学名
Afzelia Sm.
シノニム


Afrafzelia Pierre

Pahudia Miq.


本文参照

アフゼリア属(Afzelia)[1]マメ科の一つである。クロンキスト体系ではジャケツイバラ科に分類されていた[2]。分布は東南アジアアフリカに見られるが、このうち主に西アフリカ産の3種と東アフリカ産の1種が有用材として知られる(参照: #利用)。属名はスウェーデンの医師・植物学者でリンネの弟子であったアーダム・アフセリウスにちなむ[3]
特徴

この属はアフゼリア・クアンゼンシス(Afzelia quanzensis)やチンダロ(A. rhomboidea)のように木質の果実に赤い仮種皮つきの黒い種子を含む木本が数種見られる[2][4]
利用

アパ材
リベリア産の Afzelia bella のものと推定される木材。

アフゼリア属のうち西アフリカに見られるランゲ(Afzelia africana)、A. bipindensis、A. pachyloba の3種の材はまとめてアフゼリア、ドゥシエ(doussie、元はカメルーンでの呼称でドゥッシーとも)の名で呼ばれる[5]。あるいはアパ(apa、元はナイジェリアでの呼称[注 1])やアフリカケヤキ[注 2]とも呼ばれ日本でも流通している[7]。また東アフリカ産のアフゼリア・クアンゼンシス(A. quanzensis)の材は chamfuta として別扱いで販売される[5]

木目は通常はまっすぐ(通直)で素直だが交錯木理の場合も存在し、道管が大きい[7]辺材は淡黄白色の一方、心材は薄褐色と区別がはっきりしているが、この心材は空気に触れるとマホガニーを髣髴とさせる深みのある帯赤褐色(あるいはカリンを薄くしたような明るい印象を与える橙色から赤茶色[7])に変化する[5]。材中に黄色または白色の堆積物を含み、シミを生じさせる場合がある[5]。肌目は粗だが均一である[5]。匂いは特に感じられない[7]

気乾比重は0.62-0.95と数値に幅があり、硬さにもばらつきが見られる[7]。人工乾燥は順調であるが生材からの乾燥は非常に遅く、裂けや細かな割れがあるとそれらが広がってねじれを生む場合もある[5]。ただ乾燥さえすればチーク(Tectona grandis)と並ぶほどの高い寸度安定性を見せる[5]。強度が高く、耐久性・安定性ともに抜群に良い[5]。逆目があるが加工しやすく[7]、刃先を鈍磨させる性質は中庸で、接着性も問題が生じることがある[5]ロクロでは繊維の影響を受けながらもサラサラと挽くことができる[7]。蒸している間にねじれを生じ樹脂を滲出させるため基本的に蒸し曲げには適さないが、chamfuta に限っては小さい半径で曲げることができる[5]。肌目が粗のため、表面を滑らかに仕上げるためには目止め材が必要となる[5]

耐久性や耐水性が高くてシロアリにも強い性質[注 3]を持つことからウッドデッキ・ウッドフェンス・構造材・ドア・窓枠、はては寺社の門柱に至るまで屋外施設の素材として用いられることが多い[7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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