アニー・ホール
Annie Hall
監督ウディ・アレン
脚本ウディ・アレン
マーシャル・ブリックマン
製作チャールズ・H・ジョフィ
ジャック・ローリンズ
製作総指揮ロバート・グリーンハット
出演者ウディ・アレン
ダイアン・キートン
トニー・ロバーツ
『アニー・ホール』(Annie Hall)は、1977年制作のアメリカ映画。ウディ・アレン監督によるロマンスコメディ。脚本はマーシャル・ブリックマン(Marshall Brickman)との共同執筆。ウディ・アレン作品のなかで最も人気がある作品の1つ。作品公開当時は、アカデミー賞をふくむ数々の賞を受賞した。2002年、ロジャー・イーバートは「おそらく誰もが好きなウディ・アレン映画だ」と述べている。ウディ・アレンは以前はコメディの作り手として知られていたが、『アニー・ホール』を監督したのは彼にとって大きな転機となり、作品にまじめさが加わったといわれる。
長い会話や、長回し、陽気さと傷心にテーマを置く等の、現在までに至るアレン映画のスタイルを確立した作品。 この映画はニューヨークとロサンゼルスに舞台を置く。 ウディ・アレンは死に取りつかれたコメディアン、アルビー・シンガーを演じる。明るい性格のアニー・ホール(ダイアン・キートン)との関係を保とうとしている。2人の数年にわたる関係が語られ、それぞれの過去にあった様々な出来事を途中に挟みながら進行する(アニーはアルビーが子供のころの家族を「見る」ことができ、アルビーも同様にアニーの過去の恋人とのやりとりを観察している)。彼はブルックリンで育ち、彼の父はバンパーカー(bumper cars)
プロット
数年後、口論と仲直りが何度も続き、自分たちは相性がわるいし、別れるだろうと2人は悟る。アニーはハリウッドのレコード・プロデューサー(ポール・サイモン)のもとに引っ越してしまう。アルビーは結局、未だに彼女を愛していることに気付き、ニューヨークの自分の所に戻ってくるよう説得するが、うまくいかない。あきらめたアルビーは自分たちの関係について芝居を書くためにニューヨークに戻る。この芝居のエンディングは、彼が彼女を取り戻すのに成功するというものだった。のちに彼らは友人として良好な関係で再会し、そのとき2人にはすでに別の恋人がいた。愛と人の関係はしばしば痛みをともない、複雑なものにもかかわらず、誰もが必要としているのだと思いを巡らせながら、アルビーは映画を終わらせる。 役名俳優日本語吹替 映画には数多くの俳優が登場し、後に有名になった人もいる。 公園でアルビーとアニーが通りがかりの人を観察しているシーンで、アルビーは「あそこにトルーマン・カポーティのそっくりさんが」とコメントするが、トルーマン・カポーティ本人である。彼はクレジットなしで出演した。 ボーイフレンドと歩く通行人として、TVシリーズチャーリーズ・エンジェル 第4期のシェリー・ハック が出演している。 この映画の制作上のタイトルは『Anhedonia この映画は元は殺人ミステリーを中心にして、わきの筋にコメディとロマンスをいれたドラマにするつもりで、そのように撮影された。アレンによると、アルビーとアニーがイングマール・ベルイマンの『鏡の中の女』(Ansikte mot ansikte
キャスト
TBS版
アルビー・シンガーウディ・アレン羽佐間道夫
アニー・ホールダイアン・キートン小原乃梨子
ロブトニー・ロバーツ日高晤郎
アリソン・ポーチニックキャロル・ケイン鵜飼るみ子
トニー・レイシーポール・サイモン小島敏彦
パムシェリー・デュヴァル山田栄子
ロビンジャネット・マーゴリン横尾まり
ミセス・ホールコリーン・デューハースト
不明
その他村越伊知郎
伊井篤史
鳳芳野
鈴木れい子
藤本譲
村松康雄
片岡富枝
西村知道
広瀬正志
日本語版制作スタッフ
演出伊達渉
翻訳佐藤一公
効果遠藤堯雄/桜井俊哉
調整小野敦志
制作東北新社
解説荻昌弘
初回放送1981年5月18日
『月曜ロードショー』
ノーカット放送
※日本語吹替がDVD&BDに収録(ノーカット)。
テレビ放映時のタイトルは『アカデミー作品賞・愛の作家W・アレンのアニー・ホール』
テラスでアニーとアルビーが飲みながら話す場面では、オリジナル版では二人の胸中を語る字幕が示され裏腹な事を言い合っている事が分かるが、後年BS-JAPANで放映されたものも含め、吹き替え版の放送ではこの字幕が出ない。
クリストファー・ウォーケンはアニーの兄で自殺したがっているデュエインを演じた。
ジェフ・ゴールドブラムはロサンジェルスのパーティで一言せりふを言っている。"I forgot my mantra"。
シガニー・ウィーバーはアルビーのデートのとき、映画館の外でちらりと見える。
ジョン・グローヴァーはアニー・ホールの前の恋人役で出演している。
制作
この映画の製作は半ば即興的に行われた。例えば、元々の台本では、アルビーはローラーコースターの下にある家で育ったわけではない。しかし、撮影場所を探しながら、アレンがスタッフとブルックリンをドライブしていたとき、ローラーコースターの下にある家を見つけ、撮影に使われた。この「家」は、実際にはケンシントン・ホテルで、サンダーボルト・ローラーコースターの下に位置していた。他の例では、アルビーがコカインにくしゃみするシーンがあり、これは全くの偶然だったが、アレンがそのまま映画に使うことを決めた。この場面を試写したとき、観客は大笑いだったので、アレンはこの場面を加えることにした。 監督のアレンは『アニー・ホール』はテーマ的、技術的に「大きな転機」だったと語り、次のように述べている。「ぼくはやめようと思った… ただおどけたりする、これまでと変わらないコメディを。挑戦しよう、同じようなやり方ではなくおもしろいだけでもない、もっと深い作品を作ろうと考えた。たぶん、出来上がるものは別の価値をもつだろう、観客をおもしろがらせたり、励ましたりする作品。それはとてもとてもうまくいったんだ」。 またアレンは『アニー・ホール』の初期、撮影技師のゴードン・ウィリスと仕事をするのは、自分の技術的スキルを向上させる助けになったと明言している。
スタイルとテクニック