アニメタル
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この項目では、日本のメタルバンドについて説明しています。2011年に結成されたメタルバンドについては「アニメタルUSA」をご覧ください。

アニメタル
Animetal
出身地 日本
ジャンルヘヴィメタル
ヘヴィロック
スピードメタル
パワーメタル
アニメソング
活動期間1996年 - 1999年
2001年 - 2006年
レーベルファンハウス
(1996年)
SME
(1997年 - 1999年)
cutting edge
(2001年)
バップ
(2003年 - 2006年)

メンバーさかもとえいぞう(ボーカル)
MASAKI(ベース)
Syu(ギター)

旧メンバー屍忌蛇(ギター)
梅沢康博(ドラムス)

「アニメタル」
アニメタル の シングル
初出アルバム『アニメタルのベスト』
リリース1996年10月23日
規格シングル
ジャンルヘヴィメタル
時間15分
レーベルファンハウス
プロデュース久武頼正
アニメタル シングル 年表

アニメタル
(1996年)This is ANIMETAL
(1997年)


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アニメタル (ANIMETAL)は、1996年に結成された日本ヘヴィメタルバンド。1996年に同名の曲が発表されているが、基本的にはバンド名を指す。アニメ及び特撮ヒーローもののテーマ曲・挿入歌、いわゆる「アニメソング」をメタル・アレンジし続けている異色のバンドである。
略歴

ジャパニーズ・メタル全般が後に「メタル氷河期」と呼ばれる程の低迷の真っ只中にあった1996年、ギタリスト野村義男と音楽プロデューサー久武頼正との会話で、「アニメソングをメタルでやったらアニメタルじゃない?」という、どちらかといえば軽い冗談からアニメタルの構想が生まれたのが、そもそものことの始まりである。

その後、久武がレコード会社を回り、アニメタルを売り込んだ結果、前年に王様をヒットさせていた佃淳三が興味を示しファンハウス(現:BMG JAPAN)からのシングルCDの発売が決定。ボーカルには複数の元ジャパメタ・バンドのヴォーカリストが候補に挙がっていたが難航し、ディープ・パープルのトリビュートアルバムを企画したウリ川本(インディーズレーベル「マンドレイク・ルート」主宰)の伝手で、当時は元ANTHEMさかもとえいぞう(当時は漢字の「坂本英三」名義)が起用された。1996年当時の坂本は自身のバンド(練馬マッチョマン等)で音楽活動は続けていたものの、メジャーレーベルとの契約が無くタクシー運転手など会社員として生計を立てていた状態で、久々のメジャーレーベルからの作品となった。

1996年10月23日、1stシングル「アニメタル」をリリース。これは僅か2日間でレコーディング(坂本のヴォーカル収録は実質6時間[1])されたものであった。発売前後のラジオなど各メディアで話題になった時期が、ちょうど年末の宴会シーズンに重なったこともあり「宴会芸ソング」として注目を集め、15万枚以上の売上を記録した[2]。アニメタルのヒットは、「ヘヴィメタルで大規模なカラオケ需要は有り得ない」という、それまでの定説を覆すもので、驚きをもって受け止められたが、この時期のジャパメタシーンにとっても数少ない明るい話題として大きなインパクトがあった。なお、当の坂本本人はまったくヒットを期待しておらず、印税契約を結ぶつもりではなかったが、『およげ!たいやきくん』で子門真人が印税契約をしなかったために、大ヒットしてもまったく恩恵が得られなかった(レコード会社からは賞金を得たものの)ケースを踏まえ、印税契約した。

このヒットによりアニメタルはパーマネント・バンドとしての企画に発展する。ボーカルの「さかもと」はそのまま、ギターに元ガーゴイル屍忌蛇ベースココバットのTAKE-SHIT、ドラムスにガーゴイルのKATSUJIをそれぞれ起用し、佃の移籍(復帰)によりSME移籍、2ndシングル「This is ANIMETAL」を発表。次いで、屍忌蛇(ギター)、元JACKS'N'JOKERMASAKI(ベース)、元リアクションの梅沢康博(ドラムス)という編成で、1stアルバム『アニメタルマラソン』をリリースし、約30万枚の売上を記録した[2]マラソンの距離(42.195 km)にちなんだ42分19秒5に及ぶ怒涛のメドレーで構成された本アルバムは、1980年代ヘヴィメタルへのリスペクト溢れるアレンジや、高い演奏技術、「さかもと」の熱唱によって、当初見られていた様な企画性の強いイロモノの域を超えた高評価を獲得し、アニメおたくからメタラーまでをファンに取り込むことに成功した。

1997年5月に3rdシングル「特撮でいこう」、ボーカルに元ピンクレディーのMIE(未唯mie)を迎えたアニメタルレディーの1stシングル「アニメタルレディー参上」が発表されるが、ドラムの梅沢が離脱、以後は作品毎にゲストドラマーを迎え活動することになる。同年7月には元LOUDNESS樋口宗孝を迎えたシングル「アニメタルサマー」、9月にはシングル「センチメタル」とリリースが続き、同年11月には初のオリジナルソングとして、劇場版『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』のエンディングテーマになったシングル「永遠の未来」が発表された(ドラムにはKATSUJI、キーボードには難波弘之が参加)。

1998年2月には2ndアルバム『アニメタル・マラソンII ?特撮編?』と初のメンバー作詞作曲によるシングル『勇気の証』、同年10月には3rdアルバム『アニメタル・マラソンIII ?円谷プロ編?』を発表するなど、順調に活動を続けたが、1999年7月に、活動休止を宣言。同月のライブをもって活動を休止した。

その後、2001年に活動を再開。9月にアルバム『アニメタル・マラソンIV』を発表するが、ギタリストの屍忌蛇が脱退(事実上解雇)、Galneryus、AUSHVITZのSyuが加入する。2003年6月にアルバム『アニメタル・マラソンV』、2004年6月に1stシングルのリメイク盤「THE ANIMETAL ?RE-BIRTH HEROES?」、同年9月にアニメのエンディング曲や劇場版主題歌が中心のアルバム『アニメタル・マラソンVI』をリリースした。

2005年10月に特撮ヒーローもの中心のアルバム『アニメタル・マラソンVII ?戦え!メタル・ヒーロー?』を発表。『魔法戦隊マジレンジャー』や『特捜戦隊デカレンジャー』のような21世紀に入ってからのスーパー戦隊シリーズが取り上げられたことが話題となる。週刊少年ジャンプの名作を集めた「JUMP IN THE FIRE」がボーナスとして収録された。

2006年7月に、10周年記念ツアーをもって再封印(活動休止)することを宣言。それぞれ多忙になったメンバーのスケジュールの都合のため、と説明された。8月に、10周年記念アルバムで初のフルコーラス・アレンジ・アルバム『DECADE OF BRAVEHEARTS』を発売。10月22日、Zepp東京で行われたライブを最後に再封印。ライブのMCによれば、もし再び活動を再開することがあれば、封印はもう行わないとしている。
影響

当初はイロモノ・キワモノの企画盤と目されながらも商業的に成功したアニメタルの影響は小さくなく、1997年頃から「2匹目のどじょう」を狙った企画的なバンドやCDが集団多発的に登場した[3]。また、メタルのみならず、当時市場低迷に悩んでいた他のジャンルのミュージシャンまでもがアニメタルの成功を見て一斉に追随した。

アニメソングをアレンジとしたバンドとしては、パンクにした「アニパンク[3]」、テクノにした「アニテクノ[3]」、ユーロビートにした「アニユーロ」、レゲエにした「レゲエの鬼太郎[3][注釈 1]」、ジャズにした、「アニジャズ(東京ブラススタイル)」などがある。アニメソング以外でも、フォークソングをメタルにした「メタルフォーク[3][注釈 2]」、歌謡曲をメタルにした「メタルっち[3]」「ナツメタル」、テレビドラマ主題歌を取り上げた「ドラメタル[3]」、刑事ドラマ主題歌をメタルにした「刑事(デカ)メタル[3]」、ウルトラマンシリーズの主題歌をメタルにした「ウルトラマンメタル[3][注釈 3]」などがある。なお、以上のバンドの中でも「レゲエの鬼太郎」、「メタルフォーク」「メタルっち」はアニメタルからの派生バンド、「ドラメタル」は坂本英三プロデュースであり、いわゆる「アニメタル・ファミリー」である。

なお、これら「2匹目のどじょう」を狙ったバンドの中には、「モスラメタル」(柴田直人、ボーカルは尾藤イサオ)、昔話・時代劇アニメの主題歌をメタルにした「まんが日本メタルばなし」(柴田、森川之雄らが変名で参加)、演歌をメタルにした「演歌メタル」(福田洋也)等、さかもとがかつて所属していたANTHEMの歴代メンバーが便乗したものもあった。他にも1980年代のメタルシーンで中核をなしていた当時中堅世代と目されていた数多くのミュージシャンがこの種の企画に携わっており、一連の便乗作の登場は、市場が著しく低迷しメタルミュージシャンとして知名度のある者でさえ本筋のメタルだけではまともに食べていけない有様であった、1990年代の底なしのメタル氷河期を一層強く印象づける出来事でもあった。
作風

アニメソングや特撮ソングをヘヴィメタル風にアレンジするだけでなく、ヘヴィメタルや歌謡曲等のフレーズをアレンジに取り込んでいる楽曲も数多い。



宇宙刑事シャイダー(宇宙刑事シャイダー)=Iron Maidenの「Trooper」

電撃!!ストラダ5(電撃!!ストラダ5)=Angraの「Carry On」

仮面ライダーBLACK(仮面ライダーBLACK)=Yngwie Malmsteenの「I'll See the Light, Tonight

宇宙刑事ギャバン(宇宙刑事ギャバン)=Yngwie Malmsteenの「RISING FORCE

斗え!!超神ビビューン(超神ビビューン)=Van Halenの「叶わぬ賭け(Ain't Talkin' 'Bout Love)」

大空魔竜ガイキング(大空魔竜ガイキング)=Ozzy Osbourneの「Crazy Train

たたかえ!ガ・キーン(マグネロボ ガ・キーン)=Judas Priestの「ELECTRIC EYE」

超獣戦隊ライブマン(超獣戦隊ライブマン)=Judas Priestの「BREAKING THE LAW」

ミッド・ナイトサブマリン(未来警察ウラシマン)=Judas Priestの「LIVING AFTER MIDNIGHT」

駆けろ!スパイダーマン(スパイダーマン)=DEAD ENDの「SPIDER IN THE BRAIN

戦え!電人ザボーガー(電人ザボーガー)=DIOの「Stand Up and Shout」

鋼鉄ジーグのうた(鋼鉄ジーグ)=Deep Purpleの「BURN

ホームワークが終わらない(幽☆遊☆白書)=Dokkenの「TOOTH AND NAIL」

風よ光よ(快傑ライオン丸)=Halloweenの「Ride the Sky」

レッドバロン(スーパーロボット レッドバロン)=The Beatlesの「The End

さらばやさしき日々よ(太陽の牙ダグラム)=Whitesnakeの「Crying In The Rain


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