アナログ・サイエンス・フィクション・アンド・ファクト
Analog Science Fiction and Fact
ジャンルSF
発売国 アメリカ合衆国
言語英語
出版社デル・マガジンズ
『アナログ・サイエンス・フィクション・アンド・ファクト』 (Analog Science Fiction and Fact) は、アメリカのSF雑誌。
2011年現在、このジャンルでは最も古くから出版され続けている雑誌である。アメリカ合衆国で1930年、『アスタウンディング・ストーリーズ』 (Astounding Stories) として創刊した。いわゆるパルプ・マガジンの一つである。その後、何度か誌名が変更されており、主なところを列挙すると『アスタウンディング・サイエンス・フィクション』(1938年から)、『アナログ・サイエンス・ファクト&フィクション』(1960年から)といった誌名があった。1992年11月、「ファクト&フィクション」の部分が「フィクション・アンド・ファクト」に変更された。国際宇宙ステーション内のライブラリにもある[1]。1930年以来3回の再生を経験しており、このジャンルの歴史において最も影響を与えた雑誌とされ、今も定番の雑誌とされている。「アスタウンディング・サイエンス・フィクション」として、ジョン・W・キャンベル編集長の下で雑誌としての新たな方向性を打ち出し、SFというジャンルの方向性にも大きな影響を与えた。キャンベルの編集方針がアイザック・アシモフやロバート・A・ハインラインの経歴に影響を与え、1950年5月にはL・ロン・ハバードのダイアネティックス理論を紹介したこともある[2]。
アナログは新人作家をよく発掘しており、1970年代にはオースン・スコット・カードやジョー・ホールドマン、1980年代にはハリイ・タートルダヴやティモシイ・ザーンやグレッグ・ベア、1990年代にはポール・レヴィンソンなどがデビューしている。
「SF黄金時代」と呼ばれる時代を築いた雑誌であり、E・E・スミス、シオドア・スタージョン、アイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインライン、A・E・ヴァン・ヴォークト、レスター・デル・レイ、H・P・ラヴクラフトといったそのころの主要SF作家の作品は何度も増刷されてきた。
『アスタウンディング(アナログ)』はSFの科学技術的側面に焦点を当てた。作家ジョージ・R・R・マーティンは「手堅く、硬質で、科学的に厳密で、おそらく若干ピューリタン的という評判」だったと記している[3]。 1926年、ヒューゴー・ガーンズバックが世界初のSF雑誌『アメージング・ストーリーズ』を創刊した。ガーンズバックはそれまでも『モダン・エレクトリクス』や『エレクトリカル・イクスペリメンター』といったホビースト向け雑誌にSF小説を掲載していたが、SF専門の月刊誌を刊行できる程度に機は熟したと考えて決断した。『アメージング』誌は大いに成功し、間もなく10万部の大台に乗った[4]。 いくつかのパルプ・マガジンを出版して成功を収めていたウィリアム・クレイトンは、1928年に『アメージング』誌と競合する雑誌を創刊することを検討しはじめた。クレイトンの下で編集者を務めていたハロルド・ハーシーによれば、クレイトンと疑似科学ファンタジーもの (a pseudo-science fantasy sheet) を創刊する計画を議論したという[5]。クレイトンはまだ消極的だった。 翌年、クレイトンは新雑誌創刊を決意する。決断の主な要因は、クレイトンの雑誌のカラー表紙の印刷シートに空きがあったからだという。クレイトンは新たに雇った編集者ハリー・ベイツに歴史冒険小説の雑誌を創刊すると示唆していた。ベイツはSFパルプ雑誌「アスタウンディング・ストーリーズ・オブ・スーパーサイエンス(超科学の仰天のストーリー)」の創刊を提案し、クレイトンが同意した[6][7]。
出版史
クレイトン