メリーランド州アナランデル郡
郡旗郡章
郡のメリーランド州内の位置
州のアメリカ合衆国内の位置
設立1650年
郡庁所在地アナポリス
最大の都市グレンバーニー
アナランデル郡(英: Anne Arundel County、[?an??r?nd?l])は、アメリカ合衆国メリーランド州にある郡。ボルチモアの南に位置している。人口は58万8261人(2020年)[1]。郡の西部はかなりの成長を続けている[2]。郡庁所在地は州都でもあるアナポリス市(人口3万8394人[3])であり、同郡で人口最大の都市でもある。ただし国勢調査指定地域であるグレンバーニーの人口は6万7639人となっている[4]。郡名は、イギリス、コーンウォールのアランデル家の一員で、メリーランド植民地領主第2代ボルチモア男爵セシリウス・カルバートの妻アン・アランデルに因んで名づけられた。
アナランデル郡はワシントン・ボルチモア・北バージニア広域都市圏に含まれる。メリーランド州の人口重心は、アナランデル郡及びハワード郡の郡境にあるジェサップという未編入の町にある[5]。
歴史アナランデル郡の元の郡旗、1996年
アナランデル郡の郡名は、イギリス、コーンウォールのアランデル家の一員、初代ウォーダーのアランデル男爵トマス・アランデルの娘アン・アランデルに因んで名づけられた。アンは1627年あるいは1628年に第2代ボルチモア男爵セシリウス・カルバートと結婚した。
アナランデル郡は当初メリーランド植民地のセントメアリーズ郡に属していた。アン・アランデルが死んだ1年後の1650年、アナランデル郡が分離し、植民地3番目の郡となった。1654年から1658年、郡は初期ピューリタン開拓者の多くから「プロビデンス郡」と呼ばれていた。
イングランド内戦が起きていた1655年3月25日、イングランド共和国を支持するピューリタンの軍隊と、セシリウス・カルバートに忠実な軍隊との間に、郡内でセバーンの戦いが起こった。ウィリアム・フラーが指揮していた共和国支持軍が勝利した。
1694年から1695年、メリーランド植民地の首都は、セントメアリーズシティからアナポリスに移された。この遷都前にアナポリスはプロビデンスと呼ばれていた。
アメリカ独立戦争のとき、アナランデル郡民は3個連隊を供出することで大陸軍を支持した。郡内でメリーランド第3連隊、同第4連隊、同第6連隊が編成された。
米英戦争のとき、アナポリスからUSSコンスティチューションが出撃し、イギリス海軍のHMSゲリエールと戦って勝利した。
1830年5月22日、ボルチモア・アンド・オハイオ鉄道の馬に曳かせた列車が、ボルチモア市のマウントクレア駅から、アナランデル郡のエリコットシティまで新しく開通した13マイル (21 km) の鉄路を初めて運行された。これは国内初の定期列車運行となった。1831年、この鉄道の西側がアナランデル郡のハワード地区と見なされた。1851年、ハワード地区が郡から分離し、州内21番目の郡ハワード郡となった[6]。
アナランデル郡には多くのアメリカ合衆国国家歴史登録財がある[7]。 アナランデル郡はボルチモア市の南に位置している。アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は587.90平方マイル (1,522.7 km2)であり、このうち陸地415.94平方マイル (1,077.3 km2)、水域は171.96平方マイル (445.4 km2)で水域率は29.25%である[8]。 郡の境界の多くは水域で規定されている。東にはチェサピーク湾があり、はっきりした半島を形成しているその海岸線も多くの入り組んだ川と湾が造られている。その中で大きなものは北からマゴシー川、セバーン川、サウス川、ウェスト川である。パタクセント川が西のプリンスジョージズ郡との境になっている。ディープランがハワード郡との北西部郡境となり、ライアンズ・クリークが南のカルバート郡との郡境になっている。北のパタプスコ川はボルチモア郡との郡境だが、この川より南にあるブルックリンとカーティスベイの地区は1918年にアナランデル郡からボルチモア市に譲渡された[9]。 アナランデル郡は当初、パタクセント川とパタプスコ川(主流と南支流)の間、上流はパーズリッジの水源まで全ての土地を領域に含んでいた。この長い土地の北西部は後にハワード郡となり、その境界は大西洋岸滝線の近くを走ることになった。その結果、アナランデル郡の大半は大西洋岸平原にあり、ハワード郡はほとんどピードモント台地の上にあることになった。 郡内の標高はチェサピーク湾岸やその入り江の海面から、西部の滝線近く、海抜300フィート (90 m) まで変化している[10]。地形はほとんど平坦であるか穏やかなうねりを伴っているが、高度が高い地域を水路が切り開いた場所では高さのある岸や崖ができている。 ピードモント台地の限られた範囲を除いて、先カンブリア時代から古生代初期の変成岩が地盤となり、その上に白亜紀初期から完新世のものとされる砂利、砂、泥、粘土が厚く積もっている[11]。これら堆積物の大半は層を成していないが、特にパサデナ地域では砂岩の層がある。 アナランデル郡内にはボルチモア・ワシントン国際サーグッド・マーシャル空港があり、BWIと短縮される。ボルチモア大都市圏の主要空港である。ワシントンD.C地域の住人にとっても代替空港として人気が出つつある。サウスウェスト航空の東海岸ハブ空港であり、国内の多くの場所へ直行便が運行されている。
地理
自然地理と地質
交通