この項目では、舞台劇および映画について説明しています。その他の用法については「アナザー・カントリー (曖昧さ回避)」をご覧ください。
Another Country
脚本ジュリアン・ミッチェル
アナザー・カントリー
Another Country
国 イギリス
ポータル 文学 ポータル 舞台芸術
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『アナザー・カントリー』(Another Country)[注釈 1]は、1981年初演のジュリアン・ミッチェル(英語版)の舞台劇およびそれを原作とする1984年のイギリスのドラマ映画。
1930年代のイングランドの全寮制のパブリックスクールを舞台に、同性愛や共産主義に傾倒していくエリート学生たちを描いている。主人公ガイ・ベネットは、実在のスパイ「ケンブリッジ・ファイヴ」のメンバーの1人だったガイ・バージェス(英語版)をモデルにしている[1]。 1983年、モスクワ。アメリカ人ジャーナリストがガイ・ベネットの自宅に訪れ、祖国イギリスを裏切り、スパイになり、ロシアに亡命した理由についてインタビューする。ガイはパブリックスクールの頃の話を語り始める。 1932年、夏。第一次世界大戦で戦死した卒業生を讃えるミサで、ガイは美少年ハーコートに一目惚れする。自由主義者のガイは最終学年が始まれば自治会エリート「ゴッド」に選ばれるはずであり、ゆくゆくは外交官となってパリ駐在大使になるという輝かしい未来が約束されていた。ガイにはトミーという共産主義者の親友がおり、厳格な規則の下で寮生活を共にしていた。 ある日、同寮の学生が同性愛の現場を舎監に目撃され、自殺するという事件が起きる。寮の責任者バークレイは自責の念にかられるが、デラヘイは特権を活かして尊大に振る舞う。やがてガイが同性と恋仲にあることも白日の下に晒され、メンジーズはガイの性的指向を理由に「ゴッド」への指名を拒否、明るかったはずのガイの未来は閉ざされる。絶望の淵に追い込まれたガイはトミーの思想に感化され、特権社会の打破のために二重スパイの道を選ぶ。トミーは後にスペイン内戦の志願兵となって戦死する。
ストーリー
舞台
初演(英語版
グリニッジ劇場での公演を1981年12月12日に閉幕すると、1982年2月24日からのプレビュー公演を経て、3月2日からはウエスト・エンドのクイーンズ劇場(英語版)に場所を移して公演を再開した。エヴェレットがガイ・ベネット役を続投し、トミー・ジャッド役には新たにケネス・ブラナーが起用された。エヴェレットの降板に伴い、9月13日からはダニエル・デイ=ルイスがガイ・ベネット役を務め、1983年3月30日にはコリン・ファースが役を引き継いだ[2]。
1982年、ウエスト・エンド劇場協会賞(現:ローレンス・オリヴィエ賞)最優秀演劇賞を受賞[3]。オリジナルキャストを務めたエヴェレットやブラナー、デイ=ルイスらにとって本作は出世作となった[4]。
日本版の企画・製作、ブリティッシュ・カウンシルの後援により、9月5日から18日にかけてアートスフィアにて改編版が上演された。日本語訳は松田直行、演出は釜紹人が務めた。ガイ・ベネット役は黒田アーサーと大沢健がWキャストで務め、トミー・ジャッド役には松田洋治が起用された。
2022年、ニッポン放送・ミックスゾーン・ポニーキャニオン・クオーレ・サンライズプロモーション東京の共同製作により、6月24日から7月3日までよみうり大手町ホールにて、7月7日から10日までCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて、7月12日と13日にキャナルシティ劇場にて日本語版が上演された。