アトピー性皮膚炎
概要
診療科皮膚科学
分類および外部参照情報
ICD-10L20
アトピー性皮膚炎(アトピーせいひふえん、英語: atopic dermatitis)とは、アレルギー反応と関連があるもののうち皮膚の炎症を伴う[1][2]もの。アトピー性湿疹(英語: atopic eczema)と呼ぶ方が適切である[3]。アトピーという医学用語は、主にタンパク質のアレルゲンに強く反応する傾向のことであり、気管支喘息、鼻炎などの他のアトピー性のアレルギー疾患にも冠されることがある[3]。アトピーである場合、典型的には皮膚炎、鼻炎、喘息の症状を示すことがあり、その内の皮膚炎(湿疹)のことである[3]。
過半数は乳児期に、そして90%までが5歳までに発症する[4]。 アトピーという名称の由来は、「特定されていない」「奇妙な」という意味のギリシャ語「アトポス」(atopos - a=否定、topos=由来)であり、1923年にアーサー・フェルナンデス・コカ
初出と意味
コカはアトピーの名称を異常な過敏反応を指して使い、病原体や病因が不明で眼、鼻、気管支、皮膚など多彩に発現し、奇妙、不思議であるということである[5]。アトピー性の人の血中に、アレルゲンに反応するレアギンが検出されることが分かり、これは免疫グロブリンに属することが分かりγEと命名され、今日ではIgEと呼ばれている[5]。
世界アレルギー機構(WAO)の定義するところでは、アトピーとは、主にタンパク質のアレルゲンに暴露されIgEを産生する傾向のことで、IgEに対する高反応だということである[3]。それは家族的な場合もあり、典型的な症状として喘息、鼻炎、湿疹を示すことがある[3]。そしてIgE検査でIgE感作が証明されるまではアトピーとは言えない[3]。
世界アレルギー機構の定義では、広く皮膚の炎症を指す時に皮膚炎を使用し、アレルギー性喘息や鼻結膜炎があるというような共通の特徴があるアトピー性体質の者の場合には、アトピー性皮膚炎と呼ぶよりアトピー性湿疹の方が適切である[3]。
アトピー性皮膚炎の罹患者224人平均年齢26.4歳にて、91人は気管支喘息であり、166人はアレルギー性鼻炎、138人は過去1年間持続的に皮膚症状を呈しており、65人(29%)が一般的な食物アレルギー(小麦粉、牛乳、卵、ピーナッツ、大豆)であった[6]。 日本皮膚科学会ガイドラインでは、アトピー性皮膚炎は表皮、なかでも角層の異常に起因する皮膚の乾燥とバリアー機能異常という皮膚の生理学的異常を伴い、多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生じる。 65%が1歳までに、90%が5歳までに発症する[4]。 遺伝要因は約50%だと推定されているが、先進国では21世紀までに過去30年にわたり小児アトピー性疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻結膜炎)が増加してきており、そうした有病率の増加は遺伝要因からは説明しがたいし、実際にアトピー性疾患にかかる子供の大半は遺伝的にリスクの高いグループに属しているということもない[7]。
原因
アトピー素因
家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患)
免疫グロブリンE(IgE)が高値