Apple II
1977年の一般的な構成のApple II。9インチのモノクロモニター、ゲームパドル、レッドブック推奨のPanasonicRQ-309DSカセットデッキで構成
開発元Steve Wozniak (lead designer)
製造元Apple Computer, Inc.
姉妹機種Apple II series
Apple II(アップル・ツー)は、Appleが1977年に発表したパーソナルコンピューター(ないしホームコンピューター (en:Home computer))。当時の分類としてはマイクロコンピューターである。「Apple ][」と表記されることもあるが、これは実機の筐体蓋の金属プレートのロゴの形状を模したもの。また、起動時にもディスプレイ上にこのように表示されていた。 Apple Iの成功でそのようなコンピュータの潜在的な市場が存在することを確信したスティーブ・ジョブズらにより、専門の技術者ではない一般的な愛好家などでも使えるコンピュータとして製造された(AppleはApple IIを、他の当時のマイクロコンピュータと差別化すべく、ホームコンピュータ (en:Home computer
概要
コンピュータの愛好家に受け入れられ、また多数のアプリケーションソフトウェアが開発されたため、よりホームユーザに支持されるようになり、教育現場などでも用いられ、米国ではホームコンピュータ(en:Home computer)というジャンルは受け入れられ定着したものとなった。
Apple IIの大成功は、フロッピーディスクドライブである diskII(1978年7月発売)が極めて早い段階で非常に安価に提供された事がその要因の一つであり、普及におけるキラーアプリケーションとなった表計算ソフト「VisiCalc」(ビジカルク、1979年10月発売)もディスクベースで発売された。
世界での販売台数は 1978年に7,600台、1979年に35,100台、1980年に78,100台、1981年には約18万、1982年に約30万台と毎年倍々に増加し、パーソナルコンピュータの普及に貢献すると共にAppleの礎を築いた。生産は1993年まで続き、総計500万台が生産された[要出典]。日本への輸出台数は1979年の1年間に約5,200台[2]。1980年に東レが販売総代理店になってから、Apple II J-plusと合わせて1982年までに約2万台を販売した[3]。
特徴Apple IIe と DuoDisk と Monitor II
Apple I と同様、スティーブ・ウォズニアックがソフト・ハード共に、ほぼ独力で開発した。
それまでのAltairやIMSAIと異なり、キーボード、CPU、メモリ、画像出力装置、音声出力装置、外部記憶装置とのインタフェース、プログラム用言語などを単一のパッケージとして内蔵した「最初のオールインワンタイプのコンピュータ製品」であった。
本体はキーボードと一体化した形状で、後にパーソナルコンピュータの標準的な形態となったキーボードと本体が分離しているセパレートタイプ(当時はデタッチャブルタイプと呼ばれた)ではない。この形状はオリベッティのポータブルタイプライターをイメージしたという。
Apple II では、画像出力用のNTSCビデオ出力から家庭用テレビにカラー表示することが標準構成で可能だった。
それまでの個人向けコンピュータでは、テレタイプ端末やビデオターミナルなどを使用してキャラクタ(文字)入出力を行うものが普通であり、標準的な構成でグラフィック表現力を持つ製品はほとんど存在しなかった。これらの環境でグラフィックを利用するには、高価なフレームバッファを別途に購入し、後付けで機能を追加できるケースもあったが、フレームバッファの製品が異なると互換性が無く、絶対数も乏しかったため、利用するには自分でプログラムコードを書くことを要求された。
標準でグラフィック表示が可能な Apple II の登場は、当時のテレビゲームファンを惹き付け、また、ゲームI/Oという2つのA/Dコンバータを備えた入力端子が一系統、標準で実装されており、これを利用してゲームパドルやジョイスティックを簡単に接続できたこともあって、多くのゲームが Apple II 上で開発された(ゲームパドルと LITTLE BRICK OUT というブロック崩しゲームが標準添付品だった)。
後にスタンダードモデルと呼ばれる初期型モデルはCPUは6502でクロックは1MHz、ROMは8キロバイト、BASICインタプリタである Integer BASIC(6K BASIC とも言われ、数値は整数型のみ扱える)、モニタプログラム、ミニアセンブラ、浮動小数点パッケージ、16ビットCPUエミュレータSweet16 が内蔵され、BASIC 以外のモニタ部分のソースコードは公開されていた。マイクロソフト製の Applesoft BASIC(10K BASICとも言われ、数値は浮動小数点型も扱える)を搭載し、電源投入時にモニタプログラムではなくBASICインタプリタが起動するplus、さらに日本向けにカタカナ表示を可能としたJ-plusも発売された。後継機種のApple IIeが登場しても、しばらくは3機種とも併売されていた。 画像表示は次の3つのモードがある。 グラフィックモードは、現在のグラフィック表示ボードのようにピクセルやバイト単位のプレーン、RGB順などに独立して実装されてはおらず、ビデオメモリの1ビットが画面上の1ピクセルに対応する。基本的には1ピクセル=1ビットの情報量しか持たないが、ビデオメモリ1バイト中の7ビットをピクセルとして使用し、最上位ビットは色セットの指定に使われた。色指定は、最上位ビットと画面上の隣り合ったピクセルのオン・オフの組み合わせで行なう。隣り合ったビットを同時にオンにすると白、同時にOFFにすると黒となり、どちらかだけをオンにするとビットの位置に応じた特定の色が表示される。モノクロ表示にすると最上位ビットをオンにすることで描画が半ドットずれて擬似的に横の解像度を倍にすることが出来た。 また、ビデオメモリの実装アドレスは連続しておらず、1ラスタごとに先頭アドレスは二進数の桁上がりで切りの良いアドレスに配置され、飛び石状に配置されている。これは、CRTCの実装を容易なものとした際の副作用であるが、二進数で演算を行うCPUがビデオメモリ上の参照アドレスを演算する際にも(二進数で)切りの良い数字で桁合わせが可能となる(桁合わせの際に、数ステートの命令を省略できうる)というメリットを生じた。 なお、ビデオメモリが1バイトあたり7ピクセルとなっているのは、本体のマスタークロックである14MHzの分周に処理を合わせるためで、4色しか表示できない初期モデルでは、色指定用のビットは未使用ビットとなっていた。 色とビットパターンの関係色ビットパターン ●オン○オフ 低解像度グラフィック、高解像度グラフィックにおいては、画面の下4行のみをテキストモードとして表示することもできた(その分、グラフィックの表示領域は狭くなる)。このモードを効果的に活用して一世を風靡したのが、『ミステリーハウス』を嚆矢とするグラフィックアドベンチャーゲームである。
画像表示
テキストモード 40文字×24行 モノクロ(反転表示、点滅表示あり)
低解像度グラフィック 40ドット×48ドット 15色
高解像度グラフィック 280ドット×192ドット 6色(初期モデルは4色)
黒○○○○○○○○
白○○○●●○○○
色1○○○●○○○○
色2○○○○●○○○
色3●○○●○○○○
色4●○○○●○○○