アダルトアニメ
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本項目では「アニメ自体が成人向けの作品」を指し、アダルトゲームなど「成人向け作品原作のアニメ」は成人向け要素を廃した全年齢向けのアニメや家庭用ゲームなどになる事例もあるため異なります。
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アダルトアニメ(: adult animation)は、成人を対象とした激しい胸部露出性行為など、性的な表現を含むアニメーションのことをさす。日本では18歳未満の未成年の視聴が禁止されている作品については「エロアニメ」「18禁アニメ」(R18)という呼称も用いられる。エヴァレディ・ハートンの埋もれた財宝参考:日本アニメーター 木村白山が作成した『ノンキなトウサン 竜宮参り』(アダルトアニメではない)
歴史
創成期「エロティック・アニメーション」も参照

現存する世界最古のアダルトアニメは、取り外し可能な陰茎を持った男の性的冒険を描いた白黒作品『エヴァレディ・ハートンの埋もれた財宝』である。これはアメリカ合衆国の3つのアニメーションスタジオが内輪の集まりで1929年に制作したものと伝えられる。

日本初といわれる「成人を対象としたポルノアニメ」は、浮世絵技法が用いられた白黒作品すヾみ舟』(国立映画アーカイブ所蔵)とされている。製作当時の1932年(昭和7年)の社会情勢では当然ながら正規の配給網では公開できず、非合法なものとして検挙された。作者については木村白山という人物による個人制作と伝えられ、題名についても『隅田川』『川開き』『花火』『夕涼み』『マンガ』などの別名がある。

1968年アメリカ合衆国大統領リンドン・ジョンソンは「ワイセツポルノに関する諮問委員会」を設置しポルノ解禁問題をはかった[1]

1969年から1973年にかけては、手塚治虫虫プロダクション日本ヘラルド映画から依頼され、大人向けのエロティックな描写をふんだんに用いた『千夜一夜物語』『クレオパトラ』『哀しみのベラドンナ』の3本から構成される「アニメラマ3部作」と称したアニメ映画を製作した。このうち『千夜一夜物語』は大ヒットとなる。

この前後の1967年から1972年にかけてフィルム蒐集家の杉本五郎美少女をモチーフに複数の実験映画を自主制作しており、このうち剣持加津夫による同名の少女ヌード写真集を基にした幻想映画『12歳の神話』(1970年)は先駆的な美少女アニメとされる。

前述の「アニメラマ3部作」のヒットに便乗し、1969年には実写映画江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』の併映でレオ・プロダクションの『?劇画 浮世絵千一夜』が、1971年には日本ヘラルド映画の企画で東京テレビ動画の『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』(原作・谷岡ヤスジ)が上映された。

『?劇画 浮世絵千一夜』は東映系の全国53館の劇場で上映されたが、映倫の審査を通過していたにもかかわらず、警視庁からは猥褻な場面を削除するようにとの警告を受けた。また『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』は映倫の審査で11カ所がカットタイトルバックの修正、結婚という人生の墓場で主人公が割腹自殺を遂げるラストシーンは前年の三島事件を連想させるとのことで全面的に撮り直された。そのうえ全く客が入らなかったことから2週予定が1週で打ち切られるなど、この2本の便乗作の内容に対する評価は芳しくなかった[2]

1972年アメリカ映画史上初のX指定 を受けたアダルトアニメ『フリッツ・ザ・キャット』(原作・ロバート・クラム)がアメリカ合衆国で興行1億ドルを超える大ヒットを記録する。しかし、日本国内での興行成績は全く振るわず、封切1週間で上映が打ち切られた。

また、虫プロダクション1973年に公開したアニメロマネスク『哀しみのベラドンナ』も興行的には赤字に終わっており、これが旧虫プロの倒産を招くことになったといわれる。その後、一連の大人向けアニメの失敗は映画業界やアニメ業界に大きな禍根を残すことになり、オリジナルビデオアニメ(OVA)が盛んに作られるようになる1980年代半ばまで日本製のアダルトアニメは11年もの長きにわたり姿を消すことになった[2]

2019年現在、上記作品のうち入手可能なものは虫プロダクションの「アニメラマ3部作」と東京テレビ動画の『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』の4作品のみとなっている。また創成期の作品については伝聞資料が乏しく現在もなお不明瞭な部分が多い。
量産期

1980年代半ば以降になると、アダルトビデオの延長線上として、アダルトアニメはビデオテープLDにより量産されるようになる。


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