アダムス・ファミリー
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この項目では、アメリカの漫画およびそれに登場する架空の家族について説明しています。

1991年の実写映画化作品については「アダムス・ファミリー (1991年の映画)」をご覧ください。

2019年のアニメ映画化作品については「アダムス・ファミリー (2019年の映画)」をご覧ください。

アメリカ合衆国大統領を輩出した著名な政治家一家については「アダムズ家」をご覧ください。

『アダムス・ファミリー』(The Addams Family)は、チャールズ・アダムス作の一コマ漫画[1]。およびそれを原作とした映画・アニメ・TVドラマ・ミュージカル。

元々は1937年から雑誌『ザ・ニューヨーカー』に掲載されていた無題の一コマ漫画で、当初はキャラクター設定など明確なことが記されておらず、メインキャラクターの名前などは一切不明であり、「アイマーおじさま」などゲストキャラクターの名前が行き来するなどの奇妙な内容であった。テレビドラマ化されたときに、作者の名前から『アダムス・ファミリー』というタイトルが付いた。

1964年にテレビドラマ、1973年にテレビアニメが制作され、日本では『アダムスのお化け一家』の邦題で人気を呼んだ。ドラマ化の際、初めてそれぞれのキャラクター設定が明記されたものの、当初アダムスが決めていたフランプという名前(後述)に反し、アダムスと自分の苗字が付けられたことで、キャラクターそれぞれの設定が大きく変わってしまった。

それ以降からテレビドラマ版の設定が継承され、1991年に巨額の制作費を投じて映画化されてヒットし、1993年には続編が作られた。続編も興行的に好調だったため3作目も制作される予定であったが、主演のラウル・ジュリアが企画中に死去したため制作されなかった。後に制作された『アダムス・ファミリー3 再結集』はテレビ映画として作られた作品のため、映画版との関連は一切ない(ただし映画版のハンド役とラーチ役は続投している)。また2008年にはブロードウェイでミュージカル化されロングランを記録し、2014年には日本上陸も果たした。

2019年には、CGアニメーション映画『アダムス・ファミリー』が製作されて全世界興収2億ドルの大ヒットを記録。2021年に続編『アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!』が製作された。

2022年、アダムス家の長女ウェンズデーを主役にしたスピンオフドラマ、ウェンズデーNetflixで配信され、世界的に大ヒットしている。.mw-parser-output .toclimit-2 .toclevel-1 ul,.mw-parser-output .toclimit-3 .toclevel-2 ul,.mw-parser-output .toclimit-4 .toclevel-3 ul,.mw-parser-output .toclimit-5 .toclevel-4 ul,.mw-parser-output .toclimit-6 .toclevel-5 ul,.mw-parser-output .toclimit-7 .toclevel-6 ul{display:none}
世界観

丘の上にある洋館に住むアダムス一家。彼らは、不幸な事や邪悪な事、忌まわしい物、不気味な物が大好きなお化け一家だった。そんな家族が繰り広げるホラーコメディである。

作中全体が時代の流行と一線を画して、1930年代テイストのゴシック美術や演出で統一されており、映画監督のティム・バートンなど多くの人物に影響を与えた。
登場キャラクター

もともと原作漫画ではアダムス家それぞれの名前自体は明記されておらず、刊行する毎に名前が明確化されていった。この一風変わった家族は最初から全員そろって生み出されたわけではなく、基本的に登場して何年もたってから「実は身内」というような描かれ方をしているし、フェスターやパグズリーのように当初は明確に別の家庭を持ったキャラクターを合流させたものもいる。「アダムス」という姓も作者からで、連載が長期化するうちに新聞雑誌はこの一家を「アダムスの黒家族」、彼らの館を「アダムス屋敷」と呼ぶようになった[2]

当初姓はフランプ(Frump 薄汚いの意味)になる予定であったらしく、1963年に作者本人が書いたキャラクター説明(1964年 - 1966年のテレビドラマ版を作る際の設定集のようなもの)ではおばあちゃんが「Granny(おばあちゃん) Frump」と表記されており、フランプとは彼女の外見が「薄汚い」のではなく大文字表現される固有名詞(=ラストネーム)となっていたのだが、すでに「アダムス・ファミリー」で定着していたので「フランプはモーティシアの旧姓」という設定にされた[3]

アダムス一家は前述のとおり不幸や邪悪なこと、忌まわしい物を好むが、これは単に暮らしや育ち方が先祖代々根本からずれているためであり、それ自体に特に悪意、悪気があるわけでもない。一家は莫大な資産がある上流階級の家庭である。
メインキャラクター

括弧()内はアニメ日本放送時の名前。
ゴメズ(シケモク)・アダムス/Gomez Addams
主人公でアダムス家の家長。ラテン系で中肉中背の小柄なブ男(ドラマ、映画では長身の伊達男(原作で月光浴をして変貌した姿)として描かれている)で、ストライプの入ったスーツや燕尾服を好んで着用する。葉巻を好んで愛用する。(悪巧みをする時を除いて)頭の回りは良くないが、金の回りは良く欲しいものは何でも手に入る。映画版では快活で明朗な性格ながら、行動そのものは悪趣味、不謹慎極まりない。もっとも、彼がそこまでして欲しがるものはモーティシアただ一人だけである。家族をこよなく愛しており、常に良き父、良き師であろうと努力しているが、陽気で適当な性格故に意味不明な方向に進むことも多く、モーティシアにサポートしてもらうことも多い。モーティシアを「カラミーア」と呼ぶ(カラミーアはイタリア語、cara mia=愛しい人)。
モーティシア(アゲカス)・アダムス/Morticia Addams
アダムス家の母親であり、美しいが異様に痩せこけた
魔女。先祖代々から魔女の家庭に育ち、何度も死んでは蘇っている。長身で肘と裾に房がついたぴったりした黒服のドレスを常に身につけており、青白い肌に緑なす黒髪と妙に細いウエストが特徴。趣味は様々な毒草を育てること。好きな生き物はコウモリで、鍾乳洞に行ってコウモリを見るのが好き。さらに、ペットとしても飼っている。性格は非情なほどに冷静で、どんなことがあっても常に微笑を浮かべている。しかし、家族のことを何よりも愛しており、アダムス家の真の家長は彼女であると言える。ドラマ版ではゴメズとは自分の最初の葬儀の時に出会い相思相愛で結ばれた。夫婦仲は良好で今も熱く熱が上がると「ウイ?」とフランス語で会話する。ゴメズを「モンシェール」と呼ぶなどのネタが追加されている。なお、作者が没にした漫画には「最初、おまえ(モーティシア)の父がぼくらの仲を認めてくれなくてショックだった。」ということをゴメスが語る話がある[4]。名前の由来はMorticia はアメリカ英語での葬儀屋(=mortician)から。
フェスター(デガラシ)・アダムス(原作初期の姓はフランプ)/Fester Addams(Frump)
ゴメズの実兄でウェンズデーとパクズリーの伯父。アダムス一家の中では唯一まともな性格だが、モーティシアのような青白い肌に禿頭で歯が一本も無く、目の回りに隈があり、季節や場所を問わず大外套を着込んでいるため見た目は一番怪しい。勿論、不気味な物やおぞましい物をこよなく愛していることに変わりはなく、まともであるがゆえに誰よりも純粋な悪意を持って周囲を引っ掻き回す。そのため、「手加減を知らず、手の施しようがない悪魔」としてモーティシアに常に監視されているが本人は気にしていない模様。ウェンズデーやパグズリーとはとても仲が良く、三人で釣り(ダイナマイトで魚を気絶させ、浮かんだ魚を網で掬うという危険なものだが)をしに行くことがしばしばある[5]。いくつもの会社を立ち上げている実業家でもあり、雑誌の表紙に載るほどである。原作では誰の兄弟かは明言されていない[6]。結構凶悪な人間で「対向車線に大型トレーラーがやって来る状況で『追い越しどうぞ』と後続車に譲る[7]」や「ゴルフ場で人にわざとボールを当てる[8]」などをやらかしている。アダムスの漫画などにはよく似た人が何人もおり、『Homebodies』1954年号には「病院で生まれた(自分の)子供を見ているフェスター[9]」がいたり、『ザ・ニューヨーカー』1979年10月1日号には「同じ漫画1コマ内で地下鉄の運転士と客が両方フェスターそっくり[10]」という物もある。独身でありドラマ、映画版では色恋沙汰を引き起こす事が多く、舞台版では生物ですらないに恋愛をし、子供まで授かるというとんでもない展開を起こしている。名前の由来(Fester)は腐る、という意味。
フランプおばあちゃん(モミガラ)/グラニー・アダムス(映像化以降の呼び名)/Grandmama Addams
モーティシアの実母(原作初期はゴメズとフェスターの実母)である老婆。うっすらと生えた顎髭と、大きなホクロがチャームポイント。極めて長く生きており、様々な疫病を周囲にばらまく能力や桶に乗って空を飛ぶ能力を持ち、色々な薬品を操るのが大得意。コメディリリーフで壮年の魔女であり、アダムス一家の料理や薬品製作を行い、よく孫に骨やコウモリ、悪魔のようなクッキーを焼いている。性格はお茶目なうっかり者で、ソリテアでイカサマをし、根っからの大嘘つき。よく周囲に流されるトラブルメーカーでもあり、特に悪趣味ないたずらを一般人に行うことが大好き。ドラマ、映画では一家の炊事を担当しており、近所ののら猫を殺して食事にしようとしている。アダムス家の中では最年長者。ちなみにゴメズとフェスタ―の両親は既に故人であるが、若い頃はポルノ雑誌の表紙を飾っていた、怒り狂う群衆によって惨殺された事がモーティシアによって語られている。
ウェンズデー(パンクズ)・アダムス/Wednesday Addams
不幸の元に生まれついたアダムス家の長女。いつも不幸そうな顔つきで、感受性が強く無口。ゆえに、いざ口を開くと止めを刺すような絶大なインパクトにして、ブラックで強烈な一言を発する。モーティシアゆずりの黒髪と青白い肌を持ち、片方の足の指が六本ある。三つ編みのおさげ髪に水玉のワンピースが特徴。漆黒の服も好んで着る。家族の中では特に陰湿な性格で、一番の危険人物でもある。10歳にもかかわらず非常に優秀で、学校からも「性格さえ問題なければ」といわれている。人の性格を見抜くのが得意。疑い深く狡猾で、一般人を不快にしたり追い詰めたりする。しかし家族の危機の際はいち早く察知して活躍することが多い。名前の由来(Wednesday)は「水曜日生まれの子は不幸になる」というマザー・グースの言い伝えから。父のゴメズに溺愛されており、彼とモーティシアがよく行く鍾乳洞へのピクニックや真夜中の公園で遊ぶことが大好き。原作では顔がかなり面長で、パグズリーに毒を盛られたり[11]地下室に閉じ込められたり[12]と、どちらかというとやられ役が多く(基本は仲良しで一緒にいたずらをすることも多い)、他にも優等生名簿にのる(本人は嫌がっていた)[13]という対外的にはいい子に見えるタイプであったが、人形で葬式ごっこ[14]や処刑ごっこ[15]をやったり、サンタクロースを焼き殺そうと暖炉の火を強める[16]などやはりファミリーの一員。


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