アタランテー (古希: ?ταλ?ντη, Atalant?, ラテン語: Atalanta) は、ギリシア神話に登場する女性の英雄である。長音を省略してアタランテとも表記される。俊足の女狩人として有名で[1][2][3][4]、アルゴナウタイの1人[5][6]、カリュドーンの猪狩りに参加した英雄の1人[2][4][7][8][9][10][11]。
アタランテーはまたその美貌でも知られる[1][8]。オウィディウスの『変身物語』では「リュカイオスに咲いた花、テゲアーの乙女アタランテー」と歌われている[8]。 アタランテーの系譜伝承に関しては諸説ある。アポロドーロスはアタランテーをアルカディアー地方の王イーアソスと、オルコメノス王ミニュアースの娘クリュメネーとしている[2]。しかしヒュギーヌスはイーアシオス[12][13]、アイリアーノスはイーアシオーンの娘としており[1]、父親の名前はよく似た名前と混同されている[14]。 アポロドーロスはさらに異なる2つの説を挙げている。そのうちの1つはスコイネウスの娘とするもので、同様の説を採る古代の詩人や著述家は多い[5][7][9][15][6][11][16][17][18][19]。スコイネウスはボイオーティア地方のオルコメノス王アタマースの子レウコーンの子で、アルカディアー地方に移住したらしい[15]。アポロドーロスやピロデーモスはこの説をヘーシオドスに由来するとしているほか[20][21]、いくつかのパピュルスの断片によって、伝ヘーシオドスの『名婦列伝』において同様の伝承が歌われていたことが明らかとなっている[22][23][24]。
系譜伝承