アソボット戦記五九
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『アソボット戦記五九』(アソボットせんきごくう)は、エイベックス主導で展開されたメディアミックス企画の名称である。
概要

当初の予定としては、エイベックスの総力を上げてアニメ・漫画にとどまらない大々的なコンテンツにする構想があったようで、最終的にはテーマパーク化までを視野に入れていた。2000年6月に『孫悟空の冒険(仮題)』として発表された[要出典]プレスリリースでは「2004年3月期には100億円規模の売上を目標」とある[1]

しかし、肝心の人気が伴わず、テレビシリーズDVDの発売は全52話中20話までで中断している。アニメーションの出来に関してもあまり良い評価を受けているとは言えず、放送当時も作品の内容よりも設定破綻と作画崩壊やシュールな展開に注目する視聴者のほうが多かった。作品後半からは、声優によるアドリブと思しき遊び心の効いたセリフが非常に多く、その点もまた注目される要因となった[要出典]。
あらすじ

1000年のコールドスリープから目覚めた少年サンゾウが、あと一年で破滅のときを迎える未来世界を救うべく49個ある鍵を探しだし、第一世代アソボット五九たちと共に東の果てジパングへと旅をする。
世界観

本作品の舞台は、現代(21世紀)から1000年後の世界である。大洋の殆どが干上がり、砂漠の惑星となっている(序盤のトンゴーのセリフによると、過去の人類の過ちによるらしいが、詳細は不明)。砂漠の中に居住区が点々と存在しており、人間とアソボットが共存する。近未来であるため、ある程度のメカニカルな技術は存在するが、長い年月をかけて風化した列車が、ヤマタノオロチのような邪神に見立てられるなど、かつての文明の記憶は消え失せてしまった。
用語
アソボット
ASSOCIATION ROBOT(アソシエーション ロボット)の略。人間と同様の感情を持ち、食事をし、成長もする機械生命体。平たく言えば意思を持ったロボットである。サンゾウの父キュウゾウが1000年前に開発した99体が祖先で「第一世代(1st)」。本編において第一世代はほぼ絶滅状態となっており、このほかに「第二世代(2nd)」と「第三世代(3rd)」へと続く。アソボットの世代は体のどこかに描かれている文字と瞳の色で判断することが可能。漢数字・あるいは青い瞳が第一世代、アラビア数字・あるいは緑色の瞳が第二世代、ローマ数字・あるいは赤い瞳が第三世代である。第一世代は五九・魅音・紫苑、第二世代はトンゴー・ジョー、第三世代は全て敵役となっている。
破滅ウイルス
アソボットを凶暴化させるウイルス。1000年前にプロフェッサー「D」が作り出し、この世を破滅に導こうとした。突然発症するものや任意で発症するもの、果てはプロフェッサー「D」によって意図的に直接摂取を受けたものもいる。しかし破滅ウイルスに感染するのは第二世代以降であり、第一世代は感染しない。
この世の終わり
大破壊の後、1000年後に訪れる第2の破局。キュウゾウ博士の言う「この世の終わり」とは、全世界に破滅ウイルスが蔓延することで第一世代を除く全てのアソボットが凶暴化してしまう、いわば「世紀末」状態のことである。
ジパング
旅の最終目的地。日本。他の村に比べて人は全くおらず、酷く荒廃している。「双頭の龍の扉」は、変わり果てた東京都庁の入り口となっており、東京都庁そのものがプロフェッサー「D」の拠点となっている。
49の鍵

コラボアップ
アニメ版のみの要素。特定の鍵を7つ集めることで発生する、いわゆるアソボットのパワーアップである。鍵はただ7つ集めればいいというわけではなく、持ち主に相応しい鍵を集めなければ意味がない模様。
カルテット
プロフェッサー「D」直属の配下。アニメ版と漫画版ではメンバーが全く異なる。
登場人物
主要人物
五九盗賊団

その名の通り、五九をリーダーとする盗賊集団。初期は五九・トンゴー・ジョーの3人であったが、サンゾウとの出会い以降は徐々にメンバーが増えていく形となる。漫画版では「五九一家」となっている。
五九(ごくう)
声 -
山口勝平本作の主人公。カカ・マウンテン出身の「最強最悪」を自称する非常に楽天的で下品でスケベな第一世代アソボット。猿顔のため周りからは「サル」と呼ばれることが多く、本人はそれを激しく嫌っている。しかし感情的になった際は猿のような奇声を発したり、好物がバナナであるなど本能的には猿であることが窺える。楽天的な性格だが、親友であるトンゴー・ジョーが敵によって重傷を負った際には涙を流して敵を討つなど、意外に仲間思いな一面もある。「最強最悪」はあくまで自称ではあるが、実際の戦闘能力は高い。サンゾウにハモニカで(漫画版では「弱い相手に対してより弱くなる」アニメでは「女子供に対して弱くなる」)コマンドを入力され、それ以降は弱い相手からの攻撃を受けるとものすごい勢いでふっ飛ぶようになったため、手が出せなくなってしまった。サンゾウにコマンドを解除してもらうため、仕方なくサンゾウの旅に同行することに(本人はお宝探しのついでだと言い張っているが)。如意棒を模した変幻自在の「ジョイスティック」を武器とする。服装は、漫画版では「プロテクター」と呼ばれるのようなものを常備しているが、アニメ版では普段は白シャツに短パン(クシャナ村編以降は背中に「五九」と描かれた洋服)の軽装だが、戦闘時は後述するスカイウォーカーからプロテクターを受け取り「大変身」する。変身後は五九のもみ上げがギザギザになり、ジョイスティックにも青色の炎のような模様が入る。また、変身中に五九の顔が一瞬大人びた姿になるが、実際は特に変化していない。ジョイスティックを用いた多くの技を持ち、戦闘時は敵に対してほとんど五九が止めを刺している。コラボアップ後は頭髪が若干伸び、以前のプロテクターに比べてやや肌の露出が増えた姿になる。ジョイスティックには模様が入らなくなった代わりに棒の部分に6つのリングが付き、リングを使用した攻撃も可能となった。しかし当初はその力を制御できず、真価を発揮できなかった。コラボアップ当初はスカイウォーカーを必要としなかったが、45話以降はなぜか再びスカイウォーカーを介して変身するようになった。
サンゾウ / 玄奘三蔵(げんじょう さんぞう)
声 - 関智一本作のもう一人の主人公。素直で正義感の強い少年。現在の東京から1000年の眠りについて、砂漠化した作中の時代で覚醒(テンジク砂漠で気絶していたところを漫画版ではスージィに発見され、ミロク村で治療を受けて目覚めた。アニメ版では五九盗賊団の乗るコンテナの破片が体に突き刺さり、そのショックで蘇生)した。世界を救う救世主として、49の鍵を集める旅に出る。1000年前に五九を「共に運命を切り開く」パートナーアソボットに決めていた。五九との対面時にコマンドをかけ、「コマンドを解除するためにはジパングに行く必要がある」と理由をつけて半ば強引に五九盗賊団を旅に同行させた。サンゾウが五九を選んだ理由は、現代編で後述するレイと共に神社でひいたおみくじの「運命の数字」がそれぞれ「五」と「九」であったことから、59番目にナンバリングされていたアソボット(=五九)をサンゾウが選んだため。また、五九のネーミングの由来は呼んで字の如く「五」と「九」の語呂合わせであると同時に、五九が猿顔で孫悟空似であることにも起因するものである。後述する魅音は30番目・紫苑は40番目であり、名前はやはり番号の語呂合わせになっている。ハーモニカ型の入力端末「ハモニカ」を持ち、それを吹くことによってアソボットの治療や破滅ウイルスの除去などを行うが、ウイルスの除去が可能なのは第二世代までで、第三世代には効果がない。サンゾウ自身は戦闘能力を持たないが、常時着用している特殊金属製のマントを敵の攻撃からの防御壁として使うことも出来る。漫画版の6巻終盤から7巻にかけては服装が変わり、ハモニカが大型の銃器に変化(どのような経緯で変化したのかは不明)、戦闘能力を有するようになった。
スージィ
声 - 飯塚雅弓フルネームは「ゴータ・マ・スジャータ(アニメ版では「ゴータ・マ・スージィ」)」。 人間の少女で、後述する村長「ゴータ・マ・テンドウ」の娘(漫画版ではテンドウに拾われた孤児、アニメ版では実娘)。明るく物事をハッキリという強気な性格で、五九に対してはやや暴力的。父であるテンドウに伝説の結末を見届けてくることを託され、サンゾウ一行と共に旅立つことを決心し、仲間に加わった。五九がサンゾウにコマンドを入力されて以降、五九への制裁は主に彼女が行っており、その際は勢い良く殴ったり蹴ったりするなど過激なものが多い。髪型・服装は漫画版では横髪の毛先に飾りの付いたセミショートだが、6巻終盤から7巻にかけては脚まで掛かるほどのロングヘアに帽子を被り、胸部を露出した薄着に短パンを着用している。そのほか、以前に比べてなぜかスタイルが良くなり、喫煙もするようになった。アニメ版では初期は漫画版と同じセミショートだが序盤で散髪し、以降はボブカットに丈の短いチャイナドレスを着用している。その丈の短さから、スケベな五九がパンツを見ようとすることが何度もあった。普通の人間であるため基本的に戦闘能力は持たないが、漫画版6巻終盤から7巻にかけては蝶のようなものを操り、サンゾウ同様に戦闘能力を有するようになった(どのような経緯でそうなったのかは不明)。アニメ版では49の鍵の一つ、「太陽の弓」を使用し敵のアソボットを混乱させる(この弓はこの時代の人間しか使えない)。また、アニメ版のジュモク村編ではビッグトカゲ団の下っ端のアソボットを軽く蹴散らしていたことがある。
トンゴー
声 - 国本武春五九・ジョーの親友で第二世代。片目に眼帯を付けた、豚のような姿をした大柄のアソボット。胸部に円形のハッチのついた鎧を着ており、漫画版ではその内部に赤ん坊のような生物が確認できるが、これはトンゴーの知能のような存在で、実に300年間は生きているという。ただし、ハッチの中でしか生きることができないらしい。アニメ版では赤ん坊は入っておらず、ハッチの中には小物の収納スペースがある。「強力のトンゴー」や「鎖ハンマーのトンゴー」の異名を持つ。その見た目から「ブタ」と呼ばれることもあるが、本人は満更でもない様子。見た目通り力が強く、また料理も上手。アニメ版では指先に治療機器が備わっており、人間を治療することが出来る。また、入浴時はなぜか女性用のビキニを着ている。敵を惑わす為に、グラマラスな女体となって現れたことがあるが、身体的には女性なのか、それとも何らかの方法で一時的に女性の体になっていたのかは不明。かつては故郷で介護アソボットとして働いていたが、ある日赤ん坊を死なせてしまい、そのことに責任を感じて村を去ったという過去がある。鎖の先端にトゲ付き鉄球(アニメ版では分銅)の付いた「鎖ハンマー」を武器とした力押しの戦法を得意とする。コラボアップ後は鎧と眼帯の形状が変化するほかに顔の両脇の毛が伸び、頭頂部にはモヒカンのような毛が生え、いかにも悪役と言える出で立ちになる。鎖ハンマーは分銅が左右にトゲの付いた大型の鉄球に変化する。単行本の設定資料によると、初期設定では他の山賊のボスであり、従来よりもやや強面になっている。
ジョー
声 - 佐々木望五九・トンゴーの親友で、トンゴーと同じく第二世代。足元まで隠れるほどの青いロングコートを着た、美形のアソボット。「死神のジョー(アニメ版では「十字架のジョー」)」という異名を持つ。葉っぱのようなものが円状に付いた帽子を被り、口元をマスクで隠している。水が大好きで、それに関する知識は豊富。また工作も得意でメンテナンスは彼が行っており、アニメ版ではスカイウォーカーをレース用のマシンに改造したこともあった。五九・トンゴーに比べてテンションはやや低めだが極端にクールというわけではなく、口数は多い。平気で寒いギャグをかますこともある。かつては優秀な工作アソボットとして故郷の村人に慕われており、子供達のために遊具などを作っていたが、ある日その遊具が崩壊してしまったことで大事故を引き起こしてしまい、その結果村人から反感を買われ村を追放された過去がある。「羽剣」という葉っぱのような形状の全方向が刃になっている短剣(帽子についているそれに酷似)を武器とし、複数本を同時に投げつけたり、手持ちで直接斬りつけて攻撃する。この他にそれとは異なるもう1つの羽剣(こちらは1本のみで、柄と刃に分かれた普通の短剣)と、強風を放つ扇子のようなものも所持している。コラボアップ後は身軽な服装になり、もう1つの羽剣が変化した「フェザーブレード」という長剣を腕に装備する。それによって水のようなエネルギーを刀身に纏い、高く飛び上がって斬りつける「飛翔斬」という技を使用するようになった。終盤ではさらにフェザーブレードの形状が若干変化して左右に刀身の分割が可能となり、それぞれを「疾風剣」・「烈風剣」という二刀流として使用するようになった。単行本の設定資料によると、初期設定での名前は「カッパ」で、無口なキャラクターであった。また、顔面は布で覆い尽くされているため確認できない。
スカイウォーカー
五九の愛馬アソボット。どのような経緯で出会ったかは不明だが五九にとても懐いており、意思の疎通ができる模様。五九の「大変身」の際にプロテクターを届ける役目を持ち、その際は3DCGでモデリングされた、より機械的な姿に変化する。腹部の側面はジェットエンジン付きの翼が収納されており、飛行も可能。仲間がピンチの際には敵に不意討ちを仕掛けたりするなど、意外に活躍する場面は多い。基本的に馬の鳴き声を発するだけで喋ることはないが、漫画版の終盤ではスカイウォーカーを介してキュウゾウ博士の意思が言葉を発している。
魅音(みおん)
声 - 高山みなみ抜群のスタイルにピンク色のロングヘアが特徴的な女盗賊アソボット。第一世代。


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