この項目では、ジョン・コルトレーンのアルバムについて説明しています。その他の同名のアルバムについては「アセンション」をご覧ください。
『Ascension』
ジョン・コルトレーン の スタジオ・アルバム
リリース1965年
録音1965年6月28日 ニュージャージー州
ジャンルフリー・ジャズ
時間79:26
レーベルインパルス!レコード
プロデュースボブ・シール
専門評論家によるレビュー
AllMusic link
アセンション(Ascension)は、ジャズ・サックス奏者ジョン・コルトレーンが、1965年に発表したアルバム。コルトレーンが本格的にフリー・ジャズの分野に手を染めた作品として知られる。2種類の演奏が存在し、発表直後はエディションIを収録していたが、コルトレーンの意向によりエディションIIに差し替えられた。現行CDでは両方のテイクを収録。 1964年にオーネット・コールマンらと共演し、フリー・ジャズの可能性に注目したコルトレーンは、コールマンのアルバム『フリー・ジャズ』に影響を受けた集団即興作品を作ろうと考える。そして、レギュラー・カルテットにトランペット奏者2人、サックス奏者4人、ベーシスト1人を加えた大編成で、本作を制作。集団即興による轟音と、各メンバーのソロが交互に登場する構成となっている。 ソロ・オーダーは以下の通り。
解説
エディションII - ジョン・コルトレーン→デューイ・ジョンソン
エディションI - ジョン・コルトレーン→デューイ・ジョンソン→ファラオ・サンダース→フレディ・ハバード→アーチー・シェップ→ジョン・チカイ→マリオン・ブラウン→マッコイ・タイナー→アート・デイヴィス&ジミー・ギャリソン→エルビン・ジョーンズ
ジョン・マクラフリンは、本作を聴いて「一種のトランス状態に入り、自分がアフリカまで空を飛んでゆく姿を見たことがあった」と語っている。 いずれもジョン・コルトレーン作曲。
収録曲
アセンション(エディションII) - Ascension(Edition II)(40分23秒)
アセンション(エディションI) - Ascension(Edition I)(38分31秒)
演奏メンバー
ジョン・コルトレーン - テナー・サックス
フレディ・ハバード - トランペット
デューイ・ジョンソン
ジョン・チカイ - アルト・サックス
マリオン・ブラウン - アルト・サックス
ファラオ・サンダース - テナー・サックス
アーチー・シェップ - テナー・サックス
マッコイ・タイナー - ピアノ
ジミー・ギャリソン - ベース
アート・デイヴィス - ベース
エルビン・ジョーンズ - ドラム
参考文献
J・C・トーマス『コルトレーンの生涯』武市好古訳 学習研究社 2002年
中山康樹『ジャズの名盤入門』講談社〈講談社現代新書〉2005年9月 p.144
原田和典『新・コルトレーンを聴け!』 ゴマブックス〈ゴマ文庫〉2008年 p.312
間章「『アセンション』の光と影または危機的な音楽と可能態の音楽への地平」『〈なしくずしの死〉への覚書と断片』月曜社、2013年。ISBN 4865030085。
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