アスペルギルス症
間質性肺炎患者における浸潤性肺アスペルギルス症を示す病理組織像。 剖検材料。グロコット・メテナミン銀染色。
概要
診療科感染症内科学
分類および外部参照情報
ICD-10B44
アスペルギルス症 (英: aspergillosis) とはアスペルギルス属の真菌を原因とする種々の真菌症疾病の総称で胞子の吸入と体内での増殖が原因の日和見感染症。アスペルギルス属の胞子は環境中に広く存在することから、ほとんどのヒトが毎日吸入しており、免疫に障害のあるヒトや家畜ではアスペルギルス症に進行する事がある。一般的な原因菌はアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)であるが、A.flavusやA. nigerでも発生することがある。発症には、原因菌により生産されるマイコトキシンの一種のグリオトキシンが関与していると考えられる[1]。
原因菌は病院内では観葉植物(鉢内の堆肥や土)、生花やドライフラワーの表面、花瓶の水、エアコンまたはヒーターの吹出し口、浮遊粉塵などから高頻度で検出される。特に、病院改築や改装の際、院内の空気中に増加することが報告されているが、この事は医療関係者の間でも周知されていない現状があるため、免疫力が落ちている者への予防が大切である。 最も一般的な型はアレルギー性気管支肺アスペルギルス症、アスペルギルス腫 画像検査 アスペルギルス症の疑いがある場合には、確定診断を待たず適応菌種が広い抗真菌薬を投与する。病変部位が局所的な場合には、外科手術が行われる場合がある。 ウシに於いても、アスペルギルス症を発症することがある。詳細は「牛アスペルギルス症」を参照
ヒト臨床所見
呼吸器系への感染では、血性痰、喘息、肺炎、副鼻腔炎など。
血管内に進入した場合、口蓋または歯肉の潰瘍化、血栓や出血性壊死など。
皮膚感染は手術創に発生することが殆どで、急速な組織壊死を起こす。
中枢神経系感染は脳膿瘍を呈し、全身播種性感染の部分症である。副鼻腔からの直接感染は少ない。
診断
治療
家畜
画像
アスペルギルス頂嚢(HE染色)。
Aspergillosis. 無数の菌糸が集合しsunburst様の像を示す。
脚注^ 亀井克彦、落合恵理「住宅環境に生息する病原性カビ, 特にマイコトキシン産生カビによる真菌症について」『マイコトキシン』第58巻第1号、日本マイコトキシン学会、2008年1月31日、47-51頁、doi:10.2520/myco.58.47
出典
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 (ABPA) MSDマニュアル
⇒アスペルギルス感染症 (PDF) 北海道大学病院
外部リンク
USGS National Wildlife Health Center
⇒Aspergillus - Aspergillus website
Aspergillosis at DoctorFungus.org
⇒News article in The Guardian
山田古奈木、森健、入江誠治ほか、同種骨髄移植後の急性骨髄性白血病患者に合併したアフラトキシン産生Aspergillus flavus による全身性真菌症 臨床血液 Vol.39 (1998) No.11 P1103-1108, doi:10.11406/rinketsu.39.1103
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