「アスベスト」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「アスベスト (曖昧さ回避)」をご覧ください。
読みが「せきめん」である「石棉県」とは異なります。
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この記事は言葉を濁した曖昧な記述になっています。Wikipedia:言葉を濁さないおよびWikipedia:避けたい言葉を参考に修正してください。(2014年4月)
石綿石綿製品化された石綿、イタリア産拡大した石綿
石綿(いしわた[1]、せきめん、オランダ語: asbest〈アスベスト[2]〉英語: asbestos[1] [as?b?st?s, -t?s, az-]〈アスベストス〉)は、蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱石で無機繊維状鉱物の総称。蛇紋石系(クリソタイル
)と角閃石系(クロシドライト、アモサイトなど)に大別される。ギリシア語の ?σβεστο? は「しない(ない)」という意味の a と、「消火できる」という意味の sbestos から来ている。 石綿の繊維1本は直径0.02-0.35 μm(髪の毛の5000分の1)程度である。耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ安価であるため、「奇跡の鉱物」として重宝され、建築材料、電気製品、自動車、家庭用品等、様々な用途に広く使用されてきた。 しかし、空中に飛散した石綿繊維を長期間大量に吸入すると、肺癌や中皮腫の誘因となることが指摘されるようになり「静かな時限爆弾」と呼ばれるようになった。以降、代替品としてグラスウール(ファイバーグラス)やセラミックファイバーが用いられる。
概要
成分・種類
蛇紋石系
クリソタイル(英語版
組成式はMg3Si2O5(OH)4。暗緑色の蛇紋岩の割れ目に生成したもの。クリソタイルから作られる石綿を温石綿と呼ぶ。文字通り、綿のように柔らかい。日本では2004年10月に使用禁止となった。
角閃石系
クロシドライト(青石綿)
石綿状のリーベック閃石 (Na2(Fe2+3Fe3+2Si8O22(OH)2)) のこと。針状に尖った繊維で、クリソタイルのような柔らかさは無い。最も毒性が強いとされ、1995年から使用・製造共に禁止された。
アモサイト(英語版)(茶石綿)
カミントン閃石(英語版) (Mg7Si8O22(OH)2) - グリュネル閃石(英語版) (Fe2+7Si8O22(OH)2) 系列。1995年から使用・製造共に禁止された。
アンソフィライト(直閃石綿)
直閃石 (Mg7Si8O22(OH)2)。
トレモライト(透角閃石綿)
透閃石 (Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2 (Mg/(Mg+Fe)=1.0-0.9))。
アクチノライト(陽起石綿)
緑閃石 (Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2 (Mg/(Mg+Fe)=0.5-0.9))。
クリソタイル(白石綿)
クロシドライト(青石綿)
アモサイトのグニュネル閃石
アモサイトのカミントン閃石
アモサイトのカミントン閃石を拡大したもの
直閃石(アンソフィライト)
透閃石(トレモライト)
緑閃石(アクチノライト)
歴史ジョンズ・マンビルが経営していたカナダのアスベスト鉱山(1944年)ケーシングにアスベストの内張りを内蔵することで保温時間を延ばすとともに、断熱性を高めて持ちやすくなったことをアピールするアイロンの広告(1906年)石綿によって織られた布電熱線ヒーターに、石綿の毛布をかぶせて、患者をすばやく温めようとしている看護師。断熱性に優れた石綿は、医療の現場でも活用された(1941年)石綿を用いて、耐熱性を高めた手袋オーストラリアの住宅広告。石綿の壁を明記している。1929年当時は、石綿の使用がアピールポイントとなった。
古代エジプトでは、ミイラを包む布として、古代ローマでは、ランプの芯として使われていた。マルコ・ポーロの口述によるとされる『東方見聞録』に、ヨーロッパでは火に焼けないサラマンダーの皮と知られているものが鉱物である旨の記述があり、これが石綿ではないかといわれている。
中国では、周の時代に征服した西戎からの貢ぎ物として石綿の布が入ってきて、火に投じると汚れだけが燃えてきれいになることから火浣布(かかんぷ、火で洗える布)と呼ばれ、珍重されていた。また、東晋の干宝が著した『捜神記』にも火浣布に関する記述が存在する。
日本では、『竹取物語』に登場する、火にくべても燃えない「火鼠の皮衣」も、当時そういうものが実在したとすれば、正体はこの石綿であったろうと言われている。平賀源内が秩父山中で石綿を発見し、1764年(明和元年)にこれを布にしたものを中国にならい、「火浣布」と名付けて江戸幕府に献上している。この源内の火浣布は、京都大学の図書館に保存されている。
20世紀に入ると、建物などの断熱材や防火材、機械などの摩擦防止用などに大量に使用されるが、1970年代に入ると、人体や環境への有害性が問題になった。発ガン性などが問題となり、日本では2006年(平成18年)9月から、化学工業プラントで配管同士の接続に使用される「シール材」などの5製品を除き、原則禁止になった。2008年(平成20年)4月には、例外的に認められていた5製品についても2011年度(平成23年度)を目途に全廃することとし、同年度以降、新たな石綿製品は日本では製造されないことになった。 産地としては、カナダ(クリソタイル)、南アフリカ(クロシドライト)が有名。後者は使用が完全禁止となっているため、既に生産されていない。 日本においては、北海道中央脊梁山脈、北上山地、阿武隈山地、秩父山地、静岡から九州中部に至る中央構造線沿いに産出する。
産出地