N-(L-α-アスパルチル)-L-フェニルアラニン 1-メチルエステル
識別情報
CAS登録番号22839-47-0
246?247 ℃
沸点
分解
水への溶解度10 (g/L) (20 ℃の場合)
危険性
NFPA 704110
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
アスパルテーム(英語: Aspartame)とは、砂糖の約200倍の甘さを持つ非糖質系甘味料で、食品や飲料の砂糖代替品として使用されている[2]。アスパラギン酸とフェニルアラニンという2つのアミノ酸を結合させた白い結晶性の粉末であり、商品名は「パルスイート」「ニュートラスイート」「Equal」などがある[3][2][4][5]。
アスパルテームの安全性は、その発見以来、動物実験、臨床研究、疫学研究、市販後調査などによって、広く研究されており、最も厳密に評価された食品成分の1つである[6][7]。複数の権威あるレビュ ーによって一日摂取許容量(ADI)の上限で安全に摂取できることが確かめられている[6][8][9][10]。英国食品基準庁(FSA)[11]、欧州食品安全機関(EFSA)[12]、カナダ保健省など[13]、各国の100を超える規制機関から使用が承認されている[3][14][15]。 アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンという2つのアミノ酸を結合させたジペプチドである[5]。アスパラギン酸とフェニルアラニンが特定の方法で結合してアスパルテームを形成すると、強い甘味を持つ物質が生成される[16]。 甘味料甘味度 砂糖の約180 - 200倍の甘さがあり、卓上甘味料として、または冷菓、ゼラチン、飲料、チューインガムなどに使用される[11][12][17]。砂糖と同じ1gあたり4kcalだが、同じ甘味を出すのに必要な量は1/200と非常に少なく、カロリーはごくわずかである[18][19][20]。日本では食品100gまたは飲料100ml当たり5kcal未満なら「カロリーゼロ」と表記することが可能なため、カロリーゼロではない場合もあるが、栄養学的に無視できる量である[4][21]。糖質ではないので血糖値を上げることはなく、グリセミック指数はゼロである[18][22][23]。アミノ酸を主成分とするため、ミュータンス菌の栄養源にならず、虫歯の原因にならない[5]。 他の多くのペプチドと同様に、高温または高pHに弱く、アミノ酸に加水分解(分解)することがある[24]。水に溶かしたときの安定性は、時間、温度、pHの影響を受ける[25]。弱酸性のpH2.5 - 5.5の範囲で安定であると考えられ、室温ではpH4.2で最も安定する[25]。ほとんどの清涼飲料水のpHは3 - 5で、アスパルテームは適度に安定している。2,5-ジケトピペラジンへの環化 耐熱性がなく、196 °Cで分解する[24]。150 °C以上で急速に分解するが、105℃と120℃での分解は比較的遅い[25][24]。アスパルテームは、個々の成分(L-アスパラギン酸、L-フェニルアラニン、メタノール)に分解したり、2,5-ジケトピペラジンに環化したりすることがあり、これは調理や焼成によって生成され、甘味を失う原因となる[26][27]。そのため、他の甘味料よりも製パンや焼き菓子には適していない[28][29]。 砂糖の自然な甘みに近づける、熱に強くするなどの目的で、アセスルファムカリウムなど他の非糖質系甘味料とブレンドして使用されることが多い[4][30][5]。例えば、アスパルテームとアセスルファムカリウムを1:1で併用すると甘味度が40%増強され、甘味質も砂糖に近くなる[31]。味の素の「パルスイート」カロリーゼロは、アセスルファムカリウムを配合して、熱に強くしている[31]。保存期間が長い製品では、サッカリンなどのより安定した甘味料とブレンドすることがある[32]。
性質
砂糖1
アスパルテーム200
アセスルファムカリウム250
スクラロース750
許容摂取量