アスカリドール
[Wikipedia|▼Menu]

アスカリドール

IUPAC名1-イソプロピル-4-メチル-2,3-ジオキサビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン(系統名)
1,4-エピジオキシ-p-メンタ-2-エン(許容慣用名より誘導)
分子式C10H16O2
分子量168.23
CAS登録番号512-85-6
密度1.0103 g/cm3,
融点3.3 °C
沸点39?40 °C/0.2 mmHg

アスカリドール (ascaridole) は天然に存在する有機化合物の一種で、モノテルペンに分類される。アスカリドールのようにペルオキシド構造を持つ天然物は少ない。アカザ属の植物、特にアリタソウ (Chenopodium ambrosioides) の精油の主成分である[1]

無色の液体で、ほとんどの有機溶媒に可溶である。他の低分子量の有機過酸化物(ペルオキシド)と同じく、不安定であり、加熱あるいは有機酸で処理すると爆発しやすい[2]

線虫を駆除するための薬(虫下し)として使われる。
歴史

最初に発見されたペルオキシドであり、長らく唯一のペルオキシドとして知られていた。1912年にオットー・ヴァラッハによって構造が解明され[2]、1944年にカール・ツィーグラーによって初めて合成された[3]。用いられたのはα-テルピネンクロロフィルの存在下に光照射して酸素と反応させる方法であった。その反応条件下では一重項酸素が発生し、これがテルピネンのジエン部分とディールス・アルダー反応を起こす。
参考文献^ Paget, H. (1938). “Chenopodium oil. Part III. Ascaridole.” J. Chem. Soc. 392: 829?833. doi:10.1039/JR9380000829.
^ a b Wallach, O. (1912). “Zur Kenntnis der Terpene und der atherischen Ole.” Justus Liebigs Ann. Chem. 392: 49?75. doi:10.1002/jlac.19123920104.
^ Schenck, G. O.; Ziegler, K. (1944). “Die Synthese des Ascaridols.” Naturwissenschaften 32: 157. doi:10.1007/BF01467891.


記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:4668 Bytes
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef