アジフライ
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アジフライ

種類フライ料理
発祥地 日本
関連食文化洋食
誕生時期明治時代
主な材料アジ
食物エネルギー
(100gあたり)270 kcal (1130 kJ)[1]
栄養素
(100gあたり)

タンパク質29.1 g
脂肪18.2 g
炭水化物7.9 g

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アジフライ(表記揺れ: あじフライ、鰺フライ、鯵フライ)は、アジを食材としたフライ料理パン粉にした揚げ物)である。英語では“Aji Fry”などと表記される[2][注釈 1]明治以降の日本西洋料理に基づいて独自に発達した洋食のひとつであり、その後はほとんど和食と位置付けられることもあるほど、おかず、おやつ、酒の肴などとして広く普及している。

調理はアジにパン粉などを付けて油で揚げるのが基本で、細かい工程では様々な工夫がなされる。サクサクとした衣とふんわりとしたアジが作り出す食感が特徴で、かける調味料によって異なる味を楽しむことも可能である。また、栄養面では低カロリー・低糖質でエイコサペンタエン酸 (EPA) やドコサヘキサエン酸 (DHA) が豊富であるとされることがある。

日本では、家庭料理だけでなく中食・外食としても普及している。このほか、町おこしやキャラクターの題材にされたり、俳句・エッセイ・漫画・ドラマなどの作品内でも取り上げられたりするなど、日本文化の中で親しまれている料理である。
歴史
発祥アジフライの具材にもなるマアジ(アジの一種)アジフライの衣にも使われるパン粉

日本では、縄文時代からアジが食されていたと考えられており[5][注釈 2]平安時代には行事食として用いられる[8]など、美味しいとして知られていた[注釈 3]

一方、江戸時代の日本では、揚げ物の調理方法の一つとして天ぷらが定着しており[10]、日本の天ぷらには、欧米の揚げ物で一般的な少量の油を使用する揚げ方(シャロウ・ファット・フライング)とは異なり、大量の油を使用する揚げ方(ディープ・ファット・フライング)を用いるという特徴があった[11]明治時代初期になるとパン粉が伝来し[12]コートレット[13][注釈 4]クロケット[16]といった、パン粉をまぶして熱を通す西洋料理が日本に持ち込まれる。これに、天ぷらで培った日本のディープ・ファット・フライングの技術が合わさり、パン粉をにして大量の油で揚げる日本のフライ調理[注釈 5]が確立した[注釈 6]

こうして生まれたフライ調理によって、コートレットはカツレツ[13]、クロケットはコロッケ[16]という日本独自の洋食として完成したが、一方でフライ調理は西洋料理を離れて魚にも一般的に使われるようになり、1872年(明治5年)に刊行された最初期の西洋料理レシピ本である『西洋料理通』[21]や『西洋料理指南』[22]には、魚のフライが掲載された[20]。アジにもフライ調理が使われるようになり、明治初期のうちにすでにアジフライが存在していたという[23][24]
明治期の扱い

1895年(明治28年)に創業した洋食料理店・煉瓦亭では様々な魚介類のフライが試行錯誤された[19]が、カキフライエビフライなどが採用されたのに対し、アジフライは同店の代表的なメニューには挙げられていない[25]。また、昭和初期に創業した豚カツ・フライの専門店である小田保によると、明治初期の西洋料理指南書にはカキフライやエビフライの記載はあったものの、アジフライの記載はなかった[23]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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