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アジア横断鉄道(アジアおうだんてつどう、英: Trans-Asian Railway, TAR)は、国際連合・アジア太平洋経済社会委員会 (ESCAP) が提唱している鉄道路線網である。アジア諸国の相互間、またはアジアとヨーロッパの物流を鉄道で接続することを目的としており、沿線国は29か国(後述)、路線の総延長は81,000 kmに及ぶ。
アジア諸国間やアジアとヨーロッパを跨ぐ貨物の輸送時間や輸送費用の削減を期待して計画されており、主にコンテナ車からなる貨物列車の運行を想定している。また、内陸国から港への接続路を確保して地域の経済発展を支えることも計画の目的の一つである。ただし、西アジアのアラブ諸国は国連西アジア経済社会委員会 (ESCWA) が管轄しているため、ESCAPが主唱するアジア横断鉄道の路線網には含まれていない。
計画には国際鉄道連合 (UIC) と鉄道国際協力機構(OSShD)が協力しており、ESCAPはできるだけ各国の既存の鉄道路線を利用し、国境部分でそれらを接続することで路線網を実現しようとしている。 アジア横断鉄道計画の障害の一つが軌間の違いである。 横断鉄道の沿線諸国では主に4つの異なった軌間が使用されている。ヨーロッパの大部分とトルコ、イラン、中国、朝鮮半島では1,435 mm(標準軌)、ロシア等のCIS諸国とモンゴルでは1,520 mm(広軌)、南アジアでは1,676 mm(広軌)、東南アジアでは1,000 mm(メーターゲージ)である。横断鉄道計画では既存路線の改軌はほとんど行なわず、輸送コンテナの積み替えを機械化することで対応している。 ESCAPが公表した「アジア横断鉄道ネットワーク図」(2016年版)[1]によると、アジア横断鉄道が国内を通る国は29か国に及ぶ。ただし、各国が鉄道ネットワークの拡張・改良・運用について議論・企画立案できる枠組みとしてESCAPは2006年に「アジア横断鉄道ネットワークに関する政府間協定」 (Intergovernmental Agreement on the Trans-Asian Railway Network) を採択したが、一部の国は政府間協定に参加していない。 2018年時点で、政府間協定への参加状況は下記の通りである[2]。
課題
参加国