アジア太平洋(アジアたいへいよう、Asia‐Pacific)は、アジアから太平洋にかけての地域である。Asia-Pacificを略してAPAC、Asia-Pac、AsPacなどと称される。この言葉が指す地域は文脈によって異なるが、通常は西太平洋とその周辺の地域を指し、東アジア(東北アジア)、南アジア、東南アジア、中央アジア、西アジア、オセアニアが含まれる。
この用語には、北太平洋が面するロシアや、東太平洋が面するアメリカ大陸西海岸の諸国が含まれる場合もある。例えば、アジア太平洋経済協力(APEC)には、ロシア、カナダ、アメリカ合衆国、メキシコ、ペルー、チリが含まれる。世界をアメリカ・EMEA・アジア太平洋に3分割する場合の「アジア太平洋」には、中東を除くアジアの全域とオセアニアの全域が含まれる[1]。いずれの場合も、アジアではあっても西アジアがアジア太平洋に含まれることはほとんどない(広義での「東アジア」という意味合いもある)。
全体として、「アジア太平洋」の明確な定義は存在せず、それが指す地域は文脈により異なる。この用語は1980年代後半ごろから商取引、金融、政治の分野で一般的になった。実際、この地域の経済は多様であるにもかかわらず、地域内のほとんどの国は急成長を遂げている新興市場である。
統計などでは、アジア太平洋から日本を除外した地域を統計の区分とすることがある。このような区域は「日本を除くアジア太平洋」(Asia-Pacific excluding Japan 又は Asia-Pacific except Japan、APeJ、APEJ)と呼ばれ[2]、日本を含む場合は、それを明確に示すためにAPJ、JAPA、JAPACと称することもある。他方で、「日本と中国を除くアジア太平洋」(Asia-Pacific excluding Japan and China)[3]、「(日本を含む)アジア太平洋、ただし中国を除く」(Asia-Pacific excluding China や Asia-Pacific including Japan, but excluding China)[4][5] といった区分が用いられるケースもある。 東アジア 南アジア 東南アジア 中央アジア 西アジア オーストララシア メラネシア ミクロネシア
アジア太平洋に含まれる国と地域
アジア
中国
香港
マカオ
日本
朝鮮民主主義人民共和国
韓国
モンゴル
台湾
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
イギリス領インド洋地域
インド
モルディブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
ブルネイ
カンボジア
東ティモール
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
シンガポール
タイ
ベトナム
カザフスタン
キルギス
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
バーレーン
イラン
イラク
イスラエル
ヨルダン
クルディスタン地域
クウェート
レバノン
オマーン
パレスチナ
カタール
サウジアラビア
シリア
アラブ首長国連邦
イエメン
オセアニア
オーストラリア
アシュモア・カルティエ諸島
クリスマス島
ココス諸島
コーラル・シー諸島
ノーフォーク島
トレス海峡諸島
ニュージーランド
ブーゲンビル州
フィジー
ニューカレドニア
パプアニューギニア
ソロモン諸島
バヌアツ
西パプア
グアム
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
北マリアナ諸島
パラオ
ウェーク島