アジアノロバ
アジアノロバ Equus hemionus
保全状況評価[1][2]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約附属書II
分類
アジアノロバ(Equus hemionus)は、奇蹄目ウマ科ウマ属に分類される奇蹄類。 インド北西部、イラン、中華人民共和国北部、トルクメニスタン、モンゴル南部[2]。アゼルバイジャン、アフガニスタン、アルメニア、イラク、ウクライナ、キルギス、クウェート、サウジアラビア、シリア、ジョージア、タジキスタン、トルコ、ヨルダン、レバノン、ロシアでは絶滅[2]。イスラエル、ウズベキスタン、カザフスタンに再導入[2]。 体長200 - 250センチメートル[4]。尾長30 - 49センチメートル(房毛除く)[4]。肩高100 - 140センチメートル[4]。体重400 - 500キログラム[4]。鬣は発達せず、尾先端の体毛もあまり房状にならない[4]。前肢内側にたこがあるが、後肢にはたこがない[4]。体色は淡黄色や赤褐色[4]。鬣や尾先端の房毛は黒褐色[4]。背には正中腺に沿って黒い筋模様が入る[4]。 耳介は小型[4]。アフリカノロバと比較して蹄は幅広い[4]。 和名は小原(2000)、英名は2016年現在のIUCNに従う[2][4]。 半砂漠地帯や荒れ地などに生息する[3]。1頭のオスと、メスや生後2年までの幼獣からなる6 - 12頭の小規模な群れを形成し生活する[4]。以前は秋季に小規模な群れが集まり、100頭以上の大規模な群れを形成することもあった[4]。夏季は高地で生活し、冬季になると風を避けるために河川沿いや谷間へ移動する[4]。短距離であれば時速60 - 70キロメートルで走行することができ、時速40 - 50キロメートルの速度を維持しながら長距離を走行することもできる[4]。 植物の豊富な環境では草を食べるが、乾燥地帯では木の葉も食べる[2]。 繁殖様式は胎生。繁殖期になるとメスを巡ってオス同士で歯や蹄を使い争う[4]。妊娠期間は331 - 374日[4]。春季から初夏にかけて幼獣を産む[4]。授乳期間は9 - 12か月[4]。幼獣は生後2週間で母親と一緒に走行できるようになる[4]。オスは生後4年、メスは生後2-3年で性成熟するが、通常メスは生後3-4年で初産を迎える[4]。寿命は飼育下で22年10か月の記録がある[4]。 シュメール人は本種を家畜として飼育していたとされる[3]。内臓が薬用になると信じられている地域もある[2]。
分布
形態
分類
Equus hemionus hemionus
モンゴル北東部に自然分布していたが絶滅[4]。中華人民共和国に飼育個体が生存している[4]。
†Equus hemionus hemippus
イラク、イラン、サウジアラビア、シリア[2]
Equus hemionus khur
インド北西部[2]
Equus hemionus kulan (Groves & Mazak, 1967) クーラン Kulan, Turkmenian kulan
トルクメニスタン[4]
Equus hemionus luteus Matschie, 1911 ゴビノロバ
ゴビ砂漠およびその周辺[4]
Equus hemionus onager Boddaert, 1785 オナガー Iranian Onager, Onager, Percian wild ass
イラン北部および中南部[3][4]
生態
人間との関係ジゲダイシリアノロバインドノロバクーランオナガー